季刊『道』 162号(2009年秋)
大阪府立城東工科高等学校 野球部のみなさんより
● この本を読む前に野口健さんという名前はニュースなどで聞いたことがあったけど、どんな人かはほとんど知らなかった。登山家は知っていたけど、自分の学校を持っていることや、山の清掃活動をしているなんて、この本を読んで初めて知りました。自分も山のほうに住んでいるから分かるけど、山に捨ててあるゴミはとても多くてほとんどが大きくて燃えないゴミです。野口さんはこれを見て拾おうと思ったのがちょっとびっくりしました。山のゴミは長く放置され、汚いものばかりだから、誰も拾おうと思わないからです。野口さんはすごい人だと思いました。やっぱり山のゴミをすべて拾い終わった時の達成感はかなりのものだと思います。
この本の中で宇城先生が言っていた「これからは学者の理論で講演するような時代じゃない。世の中で何かをやった人、やり遂げた人が講演をするのが一番説得力がある」という言葉が一番頭に残っています。まさにその通りだなと思いました。その方が聞く方もかなり興味をもって聞けると思います。
茨城ダルクの人の話を読んで思ったのが、2回目だけどやっぱり薬物は怖いものだと印象付づけられました。この話で人は絶対変われると学びました。正直こういう人たちみたいに人の為に何かをできるなんてすばらしいことだと思いました。自分もこういう人の為になれる人間を目指していこうと思いました。
(N.N)
● 最初に野口健さんの話を読んで思ったことは、なにごとも行動をする人だと思いました。登山家というのもあって、本を出していて中途半端がない人だと宇城先生も書いていたので、その後の内容を読んでもすごい人だと思いました。自分がとくにすごいと思ったところは、自分の意思が強くないという事を理解したうえで自分を追い込むために人前で自分の意思を言って自分で逃げ場をなくそうとしているのがすごいと思いました。
ほかに自分の思ったことは、野口健さんもゴミ拾いをしている中でやっているうちに今まで見えなかった周りの事が見えるようになったと書いていたので、そういう取り組みはしっかりしないといけないと思いました。ほかに自分が気になったのは、なにかをやりとげた人は、なにをするのに対しても強いという事が書いてありました。今考えてみるとなにかをやりとげるというのはとても難しい事だと思いました。
次に近藤亨さんの話を読みました。近藤亨さんも野口健さんと同じで何でも行動する人だと思いました。近藤亨さんは、普通木々などを作るのが難しいところで酪農を成功させていてすごいと思いました。ほかにも、無から有への取り組みや、いろいろな人に農業などを教えていてすごい力を持った人だと思いました。近藤亨さんと野口健さんの話を読んでみて思ったことは、何事も考える前にすぐに行動に移しているなと思いました。この本を読んで、自分も行動に移さないといけないと思いました。
(T.H)
● 最初に、宇城先生と野口さんの対談を読んで、先にやると決めてそこからどうすればできるかを考える。やっぱり先にやる、つまり目標を決めてその目標にたどりつくには、何かをやるということだなと思いました。目標がないとただあやふやにその時間を過ごしているだけだなと思いました。宇城先生は講演で最初に不可能を可能にすることをやると書いてありました。確かに絶対にできひんと思っていることを目の前でできると「すごい」と思うのが普通だと思います。そしてその人に対して興味がわいて、まだ他にも何かあるんじゃないかなと思い、その人の話に入っていくんだと思います。
次に、近藤先生の話を読んで、近藤先生はまず自分が実践して、「できる」っていうことを証明してみんなにやってもらおうと取り組んだんだなと思いました。口だけではだめだからというのは僕も思います。口で言うのは簡単だけど、実行するのは難しい、だから僕はできるだけ自分ができることを伝えていこうかなと思います。欲があるという人は、欲がある行動をするというのは、前にM先生が言っていた「そのことに対して自分に得になるかを考えている」ことは、得なことはやるけど損なことはしないということと同じだと思います。近藤先生の話の最後に「一生修行」という言葉がある。これは、人生生きていく中でつねに分からないことばかりだから、そのことについて勉強していくことだと思いました。
(T.Y)
● 『道』を読んだ感想は、まず近藤亨先生の話を読んで感じた事で、秘境ムスタンで70歳の時に農業開発をしたというのを見てまず驚いた事です。そして、標高3000mの山しかないところで農業を成功させた事が何よりもすばらしい事だと思ったし、「やるんだ」という気持ちを持ち続けて成功させたという事が本当にすごいという事しか出てこないです。その中で一つ近藤亨先生の言葉で一番印象的だったのが、言い出したら必ず成功するまで「やめる」と言わないという言葉でした。
次は野口健さんと宇城先生の対談の感想です。「やる」と決めたら無理をしてでも「やる」事が大事と二人とも共通におっしゃっていました。もう一つは、ゴミを拾うといい気持ちになるし、スッキリするんですけど、その拾った後の先の事まで考えてしまうと言っていたのが僕は心に残っています。野口さんは山に登る時に「行くぞ」と決めてからやると言っていました。そしてもう一つ思ったのは、「怒る」と「叱る」はぜんぜん違う意味というのがわかりました。「怒る」はただ感情を表しているだけで、「叱る」はその人のためになる事をするというのだと思いました。だから野球をする時も「やる」事が大事だと思いました。
(T.Y)
● 僕はこの本を読んで、ますます自分を持って生きる難しさを知りました。自分を持って生きるとは、「人に言われた通りにする」「人に言われた事をしない」などではなく、「人に言われた事をして、それプラス、自分で何かをする」ということだと、僕は思いました。その何かは、自分の中心を持っていないと何も思いつかないと思います。
でも、まず自分の中心を持つには、自分の器の深さがいると思います。自分の器を深くするには、まず自分以外の誰かの器の深さを知ることです。人の器の深さを知るには、謙虚でなければならないと思います。「人の器の深さを知れば、自分の器が深くなる。自分の器が深くなれば、また一つ深いことに気付ける」これを何度も繰り返して、自分の器を深く広げていくんだと思います。自分の深さを知り、自分の浅さを知り、意味を知り、自分の意思を持てば中心ができていくんだと思います。自分の中心を持てば、やる事全てに自信がついてくると思います。
自分の時間で行動するということは、他人の時間に引き込まれないようにするということ、つまり自分を持って、自分の意思で行動することだと思います。人からの意見をそのまま頭に入れていくのではなく、その意見の本質を自分で考えて、理解して、今までの考え方全てに影響させる。こういう事の積み重ねで、自分の中心ができあがっていき、自分を持って生きられると思います。
(D.M)
● 『道』を読んだ感想で、まず近藤亨先生の話を読んで感じたことは、「やってみせたい」という根性が伝わりました。近藤先生は標高3700mのムスタンと呼ばれる地域で農場を作った人です。年間150ミリと降水量が少なく、ヒマラヤ山脈からの強風が一年中吹き荒れている極端な乾燥地帯で、まさに無謀といわれていました。それでも近藤先生は、「できますよ」と言って本当に農場を作りあげた。それは近藤先生が持っている「やってみせる」という根性があるからだと宇城先生は言います。
それと第2部の「動く人間をつくる」を読んだ感想は、今の日本の人々は意欲がないというか、すぐにやめてしまうことになれてしまっているのだと思いました。精一杯にやっていない、口だけで行動を起こさない、すぐにあきらめてしまう。これでは成功にはつながらないと自分でも思いました。近藤先生は「僕のような人生を送ると悔いがないいつくたばってもどうってことはないですし、精一杯やりたいことをやってきましてね。そのかわり言い出したら必ずやる男で、成功するまでやめると言わない。それが成功の秘訣だと思いますよ」と言います。
それと宇城先生の球根の話では、「やってみないとわからないことがある」「やってみてはじめて気づくことがある」というのが心に残りました。「欲がある人は欲がある行動をする」「大事なのは欲を捨て、自己犠牲の精神をもつ」というのも心に残りました。
最後に自分が大事なんだと思ったところは、精一杯やりたいことをやる。口だけではなく行動を起こす。成功するまでやめない。自分だけが得をするような欲を出さないこと。それが大事なんだと、この本を読んで思いました。
(S.Y)
● 野口健さんの話を読んで思ったことは、自分は物事を言葉では伝えることは多少できるけれど、それを行動に移すことができず、それを野口健さんは「やる」と決めたことを宣言し、行動するということが書かれてあり、「ここはこう」と一つ一つ決めてから攻めていくとあって、今の自分にはとてもできることではないと思いました。野口健さんは、登山しているだけでなく、山の清掃もしていて、自分もゴミ拾いなどは何度か経験させていただいていて、拾い始めて小さいことでもゴミを拾うだけじゃなくて、いろいろな気付きがありました。野口健さんの本を読んで、ゴミ広いだけじゃなく、いろいろなことに挑戦しているので、自分もできるだけ、まずはチャレンジしていき、そこから少しでも、発見していけたら良いと思いました。
次に近藤亨先生の話を読んで思ったことは、近藤先生は、ネパールのムスタンで農業をするという偉業を成し遂げて、現地の人々に反対や反論されつつも、自分の意志で成功させ、こんなすごい人たちの話を読んでいると、うそか本当か疑ってしまうところがあって、レベルが高く感じました。野球に関して考えると、先生方の教えは大切だけれど、最終的には自分のやる気と意志がないとダメだと思いました。
(S.S)