季刊『道』 144号(2005年春)
● 金澤館長のインタビュー等、『道』を繰り返し読む度に、日本には素晴らしい伝統文化があるのだと、心から日本人としての誇りを持つ事が出来ます。誌面に登場するあらゆる分野の一流の方々の意見やにじみ出る情熱、伝統文化を守る使命感には、心が打たれます。
“刃を求めず先ずは鞘を求めよ” 私自身143号、そして今回の144号を通して読み、心の底からそう確信するようになりました。この言葉は刀を例にして、刃を武道の技やあらゆる芸能や、仕事、鞘を礼儀や態度、日常生活に置き換えた言葉なのですが、あらためて鞘がしっかりした物でなければ、刃もしっかりとした物には成りえないと『道』を通して気付かせてもらいました。刀は刃と鞘で刀であり、そのどちらが欠けても刀ではありません。また、心道流空手師範の宇城先生が言っているように、刃だけでは武道に関しては凶器になってしまうと思います。『道』に紹介されている、各流派の師範の方々の言葉に触れる度に益々その確信は強いものになりつつあります。『道』は読まれた方々の人生を素晴らしいものにする、あらゆるエッセンスが詰まった貴重な財産だと思います。私自身も日常生活、仕事、武道、“先ずは鞘を”を胸に様々な事柄に取り組みたいと考えています。
(27歳 空手道)
● 遠藤師範の武道観というものが、合気道8段だからこそ言える、ものすごく深いものであると思いました。老荘思想の道教に、なにか糸口を見出そうとする遠藤先生の必死さが伝わってきます。実際、講習会等で遠藤師範の受けを取らせて頂くと、まさに「無為自然」柔弱なるは剛強に打ち勝つ如く、ガッチリ握ろうが抵抗しようが吸収されたようにやさしく(無理な力技でなく)返され抵抗できなくなります。大変参考になりました。
(30歳 合気道10年)