読者の声| 季刊『道』 202号(2019年秋)
農業の潜在力を再認識 鳥取 教員 40代 男性
佐伯康人さんの記事を読みました。行動力もさることながら、農業の潜在力を再認識しました。また、教育の行き詰まりについて言及されている内容もとても考えささられました。
色々な人の生き方、知らない部分がたくさん知れる 東京 40代 男性
先生は、白鳳関と対談されていたのを拝読させていただきました。やはり、白鳳関という非常に高い武術レベルの方を相手にされたからか、先生も随分深いレベルの話をされているように感じました。「内面をずらすとは、相手の中心に対して自分の中心をずらして内面の力で幾何学的対立を消す、あるいは時間でずらす」などの表現は、これまで拝読した御著作の中でもあまり触れられていないような気がしたので、やはりレベルの高い方同士では、会話の内容も高くなるのだと感じました。
農福連携について活動されている佐伯さんのインタビューについても、多くの刺激を受けました。NHKの番組などで農福連携の活動についてはある程度知っていたのですが、そこでの紹介は、障がい者の方の居場所を作る、あるいは障がい者の能力を最大限に発揮できる場を農業の場で見つけていくといった紹介だったと思います。しかし、佐伯さんの活動はそれにとどまらず、耕作放棄地に肥料農薬を用いることなく、耕作地を広げていくという、農業自体を再生していく試みであることに驚かされました。しかも、日本国内に限らず、アフリカで乾季でも、自然栽培による農業が可能であることを教えに行くというのですから、読んでいるだけワクワクしてしまいました。佐伯さんの活動は、福祉の領域だけでなく、農業の領域でも革命的なものになるのではないでしょうか。ぜひ、今後も注目したいと思います。
また、前島さんと国光さんの記事にも、大変感銘を受けました。フーズフォーチルドレンのチラシを頂いたので、そのキックオフイベントにも参加させていただきました。子供たちの食の置かれた現状、今の親たちの非常識ぶり、現代の農業の困難、学校教育の現場の硬直性など他人事ではないものとして聞かせていただきました。前島さんは、ご自分が主宰されている発達障害の子供たちの学びの施設のために、何千万円も借金をされていると聞いて、何と肚の座った女性だろうかと敬意を抱きました。フーズフォーチルドレンが道塾の関係者から広がっていくことに、同じ塾で学んでいる者として誇りを感じるとともに、自分も何かできればと考えるようになりました。
色々な人の生き方、知らない部分がたくさん知れる 熊本 74歳 男性
『道』という本を図書館で初めて知って読み、色々な人の生き方や、知らない部分がたくさん知り得て、今後とも、家族で読んでいきたい本になりました。
はるか高い次元に練磨されたお二方の身体でこその展開 三重 不動産業 20代 男性
冒頭の白鵬横綱と宇城先生の”体談”は、はるか高い次元に練磨されたお二方の身体でこその展開であり、軽々と「理解できた」と言えるレベルではない非常に崇高な内容と思いました。白鵬横綱の「22歳の時に目指したのが横綱。25、26歳の時に目指したのも横綱。今、目指しているのも横綱なのです」というお言葉から、常に自身の在り方を問い続ける、まさにプロフェッショナルとしての厳しさと、前人未到の領域で覚悟をもって実践・研究されている堂々たる迫力が伝わってきました。
佐伯康人さんの記事では、3、4歳の頃から商店街の方々の家を転々と泊まり歩いていらっしゃったお話、そしておそらく親同士が連絡して予約制になっていたというエピソードは微笑ましく心温まりました。そういった心の通った人間同士の関わり、愛情の中でこそ人は豊かに育ち、思いやりの心ができていくのだと思います。「ずっとテクノロジーの中で生きていくと結局は心も自分も生きていく環境も砂漠になるんじゃないか」という表現は、まさに現在の世の中に対する的確な警鐘だと感じました。いきいきとした行動力と構えすぎないしなやかさ、そして何より心を起点に日々実践・行動されている佐伯さんの温かい人間味が伝わってくる内容でした。
前島由美さんと国光美佳さんの対談も興味深く読ませていただきました。子どもたちの小さな変化を見逃さず温かく見守り、食によって子どもたちを救っていらっしゃるお二人の愛情の深さを感じました。
先月10月に、フーズフォーチルドレンのフォーラムに参加させていただきましたが、具体的に一歩踏み出して行動すること、輪を広げていくことの大切さを感じました。傍観者でなく、参加者として一人ひとりが変わっていく、そのうねり、エネルギーが変化を加速させていくのだと思います。
国光さんのご著書『食べなきゃ、危険!』を早速購入し、拝読しております。「世の中の常識=仕組まれた非常識」であり、それにとらわれて知らぬ間に封殺されないよう、常に勉強していかなくてはならないと感じています。
今号もありがとうございました。
「身体とは神秘である」ことが凝縮された内容 静岡 医学療法士 50代 男性
宇城先生と白鵬関との“体談”は、まさしく「身体とは神秘である」ことが凝縮された内容でした。
お二人を見て、武術の達人はしなやかで柔らかく、強固な芯を持つ身体であることがはっきりしました。
また、白鵬関の「闘いの場は楽しむことなんてない。ゲーム(遊び)ではないのだから」スポーツ選手とは覚悟の持ち方が全然違うことに感動しました。
次元の高い対談に感動 埼玉 50代 男性
宇城先生と横綱白鵬との対談の内容を読んで、次元の高い対談に感動しました。
横綱白鵬が相撲で会得した細胞力、無意識にやっている術を見て、その上の段階
の内面を使うことへの宇城先生の導きは、愛に溢れていました。
呼吸と姿勢により内面から目にみえない力が沸いてくるなど、私にも大変参考に
なる貴重な対談でした。
対談最初におっしゃっていた希望と勇気を照らしていただき、有り難うございま
した。元気になりました。
希望の湧く内容に、毎回勇気と元気をもらっています 千葉 40代 総合職
今回の『道』は、まずは何よりも「マーブル・カテドラル」の神々しい風景に魅了されました。「カテドラル」(大聖堂)と名付けられるのもうなずけました。
巻頭の白鵬関との対談も、宇城師範の語られる次元を、少なからず体現していることに舌を巻きました。さすがは稀代の横綱です。筋トレについてや、食事についての考え方も素晴らしいと感じました。その上で堂々たる体躯であるのに、力に頼ることなく、柔らかく構えているということに、大記録を打ち立てるのも当然と納得できました。
オスカー・ロベラスさんのアートに対する考え方はとても興味深かったです。私は美術に疎いため敬遠していたせいか、知識としての美術品や作者は知っていても、「アートとはそもそも何なのか?」という根本を捉えていませんでした。それが、みんなが日常的に触れられるものという考えは、アートを身近に感じられるきっかけとなりました。
佐伯康人さんの農業は「まずやってみる」という挑戦に彩られており、身をもって学ぶことの重要性をまざまざと見せつけられました。実践のない評論やバーチャルなことばかりが横行している昨今において、「やってみること」「挑戦してみること」の重要性を今一度教えられました。そこに「明るさ」があると人が集まってくるということを学ばせていただきました。
山元加津子さんの話は、とても感動的でした。盗った人が救われ、疑った者が救われ、反抗した者が救われた、こんな「三方よし」は見たことがありません。人を信じることが、長い年月をかけて花を開いたのですね。近視眼的にものを見ることが、如何に危ういか思い知らされました。
そういう意味では、岩井喜代仁さんの薬物回復を見守る姿勢が共通しているように思います。毎号出てくる回復実践者たちの話は、「忍耐強く見守る」ことが回復に強く影響することを学ばせてくれました。
そして、最後の宇城師範による「対立から調和へ」が、各記事の総まとめのように思えました。対立を産み出してしまっているのは、自分の中にあるものだと気づかされる内容でした。
今回もフルコースの鯛料理のように、頭から尻尾まで、余すところなく『道』を堪能させていただきました。希望の湧く内容に、毎回勇気と元気をもらっています。また次号期待しています!
冒頭から「体談」とはやられました 東京 会社員 50代 男性
今回の号は特に楽しみにしていました。
あの大横綱、白鵬関と宇城先生の対談で、ともに武道の達人同士。
一体どんな会話が成されていたのだろうと興味津々でした。
冒頭から「体談」とはやられました。
やはり、達人同士、肝胆相照らすというか、お互いに通じ合うものがあるのですね。恐らく、体というより、細胞レベルで会話をされていたのでしょう。
やはり、白鵬関は他の力士とは違う次元にいると感じさせる内容でした。
佐伯康人さんの取り組みにも感銘を受けました。早速ご著書の『あの青い空に向かって』も注文し、一気に読了しました。障がいのある三つ子を授かり、その事が契機となって試行錯誤の末に自然農法に辿り着き、さらに、そのネットワークを広げていく。ご本人は、人知れぬご苦労がありながらそれを微塵も感じさせずに明るく活動をしていく。ここにハニーさんこと、船橋康貴さんにも通じるものがあるなと感じました。
野村哲也さんの〝スーパーブルー〟の写真のあまりの美しさに、一瞬、「山の絵か!?」と目を見張らせるものがありました。よく見ると、〝氷河の頂〟とのことで、「自然はかくも美しい」と感慨させられました。
内容はまさに「体談」 静岡 農業 男性
今回の巻頭対談、歴代最高の横綱、白鵬関と宇城先生の対談という事で非常に楽しみにしておりました。
内容はまさに「体談」。相撲という世界で頂点の横綱という最高位に立ち、まだこれからも「横綱」と目指していくと言う白鵬関と、武術を極め、更に進化、進歩されていく宇城憲治先生。その高い頂を見ているお二人だからこその体談。普通の雑誌、インタビューではこのようにはいかない、何かとても凄いものを見てしまったように興奮してしまいました。
そのお話では、白鵬関が、文化、民族の誇り、先祖への感謝、そして謙虚さを語られていて、そういった精神、心の部分でも宇城先生がご指摘されているように、今の日本人に最も足りていない事だと。それを持つからこそ、大横綱へと昇りつめられたのだと思いました。まさにこの『道』の通り、白鵬関は先祖から続く道に感謝して相撲道を歩まれていると感じました。
双葉山関の目のハンディの話をされていますが、白鵬関もモンゴルから、というハンディともいえる部分があったと思います。それが真剣、な身体に変えるのだと。硬い人を投げてしまう、という所も、宇城先生が「ものすごく柔らかい」と仰っていますが、そのようにご本人も気づかないうちに変化しているのだと。
そして「スポーツを楽しみたい」というスポーツ選手の発言に、対する思い。スポーツも戦争に発展する事もあります。そういう真剣さ、覚悟が、大記録を打ち立てたのだと。モンゴルからきて、右も左も分からずに、そこから大横綱になるにはそのような心の部分、が大きかったのだと。そしてなるべくしてなった大横綱だと感じました。宇城先生も仰っていますが、この白鵬関のように考え、思い、真剣に物事に取り組めば、おのずと道が見えてくるのだと思いました。
そして宇城先生が白鵬関から様々なお話を引き出して下さり、それに白鵬関が応えていくというこの体談。だからこそ他紙ではないような大横綱のレベルの高いお話が聞けた、聞く事ができ、こうして誌面で自分が読み、凄さや深さを感じる事ができるのだと。そして白鵬関と宇城先生が一緒に写られている写真、なぜか宇城先生が白鵬関と同じくらいか、少し小さいくらいにしか見えず、本来ならば二回り、三回りくらの体格差があるはずなのにとても不思議に感じてしまいました。
このような素晴らしい体談を行って下さった、白鵬関、宇城憲治先生、どう出版の方々へ感謝したいと思いました。
オスカー・ロべラスさんのお話では「自然をただ見て映すのではなく、そこからくるエネルギーを読み取り、解釈して発信していく」という所がその作品に表れているのだと思いました。
またそのような感性を持つオスカーさんが今の社会は子供を未来を担う存在だと見ていない事に危機感を抱いて、発信し続けているのだという事、そしてアートが人間本来の善を呼び戻し、あるべき姿に戻す力があるという信念をもって創作されているという事。そして人はどこでも同じ。人の心はどこでも同じだと思っている、というお言葉に、日本文化を真に理解しようとして、行き着いた感性だと感じました。
佐伯康人さんの「農福連携」。それこそ自治体、国が行うべき、行わなければならない事業だと。そのように感じました。農業が地域社会の活性化に繋がっている。障がいを持った方達の生活の糧になり、それを支えていく中で地域社会の繋がりができる。安全で良い野菜やお米ができる。そしてまさに自然再生。生きとし生けるすべての生き物が再生する仕事。本当にこれが、佐伯さんのような考えを持った人が世界を変えてくと思いました。お子さんたちはその地球の想いを伝える為に佐伯さんのもとへ生まれてこられたのかなと思いました。
今の日本は残念ながら障がい者に対する理解も、支援も諸外国に比べるとかなり劣っていると思わざるを得ません。このような日本を変える為の希望を佐伯さんのお話、活動に感じる事ができました。こちらの胸も何か救われたような、このような気持ちを持って活動されている方がいらっしゃるといういう事に、本当に嬉しくなり、そして自分もまたエネルギーを頂く事ができました。
稲の立派に天を突く写真。その一つ一つが日本刀のような素晴らしい自然の反りと形。自分が武を学ぶ世界にいるからかもしれませんが、これは今の日本の様々な弱者軽視、経済最優先の世界に切り込む為の「剣」に見えました。人を倒すのではなく、守る為の真剣。それが形になって表れていると思いました。
今、世界では2018年12月に「小農と農村で働く人々に関する権利国連宣言」が行われ、大規模の経済優先型から小農、いわゆる家族型経営農業にシフトし始めました。これは家族経営が自然にとっても地域社会にとっても、とても良いという事が分かってきたからです。
佐伯さんの活動はまさにその最先端をいく活動ではと思いました。自然栽培と共、今の日本、だけでなく世界へと発信、伝える事ができる日本の文化ではと、思ってしまいました。
船橋康貴さんのミツバチマーク、船橋さんの行動力で、世界へと次々に羽ばたいている事が良く分かります。そのバイタリティ溢れる行動。その情熱は世界へ確実に広がっています。
アポなしで飛び込んだスーパーでスタッフに思いを伝えた所、涙を流してくれ、マネージャーとCEOに手渡すと言ってくれた事。海外の人達のほうが、今の世界の現状を良く知っている、日本はそれだけ情報統制されているのではと思ってしましました。今回の記事を見て、日本ではなく、世界と繋がっていくほうが速い、と。その使命が船橋さんはあるのではないかと思ってしまいました。これからも船橋さんの活動を微力ながらに応援していきたいと思います。
前島さんと国光さんの対談では実際の結果ではなく、科学的エビデンスでしか捉えられないという事があるという事に、この今の現状を物語っていると思いました。しかし、そのような事にスピードを止めず、実体験を集め、分かる人、当事者達で分かりあい、助け合っていく。そのほうが早い。それをすぐに行動にうつしていくその原動力は子供達を救いたい、その一心であると。それがお二人の対談から伝わってきました。イラストもとても良いイラスト。温かく、心が本当に和むような気がしました。
岩井さんの「今日一日を生きる」では薬物依存との戦い、戦ってはいけないのだと思います。認め、許し、信じる事。愛する事。その事をまさに行動、生き様をもって周りに示す岩井さんのお姿。九州ダルクの大江さんのお話では岩井さんや仲間の大きな愛によって徐々に心が満たされていき、前を向いて生きる、その過程にある様々な悩み、葛藤が書かれていて、その内容に自分などは言葉がありません。
「気づく、気づかせる」では世界中で起こっている「対立」個人間から国家間までに渡るこの構造に対する「答え」が示されている。それは文化のなかにあり、そこには「調和」がある、という事。だから国を問わず、人はその国の文化、を感じたり、見たりしたくなるのだと。そのように感じました。そしてその調和する為の日本の文化、がまさに危機的状況にあるのだという事。その事が本当に、分かり易く、理論だけでなく、実践をもって示されています。
ダーウィンの「強い者や賢い者が生き残るのではなく、変化するものが唯一、生き残る」という言葉に、まさに進化の本質、そしてこれからの混迷の時代にどのように生きればよいのかが表れていると感じます。
季刊『道』は、私の人生の原動力 福島 公務員 40代 男性
今号も素晴らしいエネルギーに満ち溢れた一冊でした。
白鵬関と宇城先生の対談は、極めた者同士が身体を通じて語り合う、まさに「体談」で、誌面から迫力がビンビン伝わってきました。白鵬関の「ご先祖様、両親というもの、そういう何か、目に見えないものに自分は守られている」という言葉。そして、白鵬関のオフィスに掛けられていた「チンギス・カン」の肖像画。日本の国技である相撲で、白鵬関のような大横綱が誕生したのは、才能や努力といったものより先に、モンゴル人としての民族的な生き様が根底にあるのではないかと感じました。
また、芸術家のオスカーさんのように、アルゼンチンに生まれながら、日本文化の素晴らしさに気づき、日本を深く愛する方がおられる一方で、我々日本人で、素晴らしい日本文化や歴史に対する誇り、日本人であることに対する自負を持っている人がどれだけいるのだろうかと考えてしまいました。
佐伯さんの自然栽培、ハニーさんのミツバチプロジェクト、前島さん・国光さんの食を通した発達障がい回復の取り組みは、人が作りだした不自然から抜け出し、自然に従うことこそ、生命本来のエネルギーを引き出すことができるという実践だと思いました。
こういった実践者の取り組みを知れば知るほど、我々の日常がいかに不自然なものに支配されているかを強く感じます。こういった実践者の取り組みを知ることがなければ、不自然さに気づくこともなく、その弊害をただ受け入れるだけの生き方になっていたかもしれません。
知ることは選択する道を得ること。そして、選択するには覚悟が、行動するにはエネルギーが必要です。
その「知」と「覚悟」と「エネルギー」を、実践者の方々の取り組みを通して得ることができる季刊『道』は、私の人生の原動力となっております。
いただいたものを自身の日常に活かし、少しでもこの世界に対する自分の生産性を高めたいと思いました。
ありがとうございました。