故郷が人を育てる
時代を生き抜く発想の力
スカイラインGT―R チューニングスペシャリスト
緑整備センター 代表 内永 豊
VS UK実践塾代表 宇城憲治
整備というのは“整えて備える”ということ。
ただ修理するのではなくて、
整えて備えるというのが、うちの趣旨なんです。
すなわち、車両の性能を最大限に発揮できるようにするということです。
うちでは『きれいにする』ことを大事にしているから、
雑な仕事をしたことがありません。
だから、来店されるユーザー様もみな自分の車をきれいにしています。
内永豊氏と宇城憲治氏は宮崎県小林の田舎で育ち、小学、中学の同級生だ。
二人は戦後間もない1948年、1949年(昭和23年、24年)の生まれ。
貧しい時代であったが勢いがあり、希望に満ち、何よりも心が豊かな時代であった。
内永氏は高校を一年で中退し、17歳で兄たちが経営していた横浜の星モータースに就職。2年後には当時最もレベルの高かった二級自動車整備士の国家資格を取得した。車をこよなく愛し、徹底的に追求し続け、今やスカイラインGT―Rという最強の名車のチューニングスペシャリストとして活躍する。
偶然にも宇城氏は、スカイラインGT―Rの生みの親、故櫻井眞一郎氏と2005年にNHK国際ラジオ放送で対談しており、本対談では、その時のエピソードも含めながら、内永氏の今に至る道のりを語り合っていただいた。
ロングインタビュー
微生物が教える共生する生き方
研究・実験・活用 常に最善の道を行く
EM開発者・農学博士・琉球大学名誉教授 比嘉照夫
僕は昔から勘で研究するところがあって、
それはこれまで狂ったことはないんです。
「これがいい」と思ったら
過去のどんなに良かった成果も捨てて、
常に現実のベストを取る。
それと、観察力。
ものすごくたくさんの状況証拠の中で鍛えられているんです。
「EMの技術を活用して大宇宙に恥ずかしくない地球にしたい」
そう語るのは、EMの開発者で琉球大学名誉教授の比嘉照夫先生だ。
子供の頃から農業の指導者を志していた比嘉先生は、高校、大学、大学院と、沖縄農業の合理化と発展を目指し徹底的に近代農業を研究実践してきた。しかし自ら農薬中毒症になり挫折。
その体験から「原理はすべて自然にある」と、一転、それまでサイドワークにしていた微生物研究に徹し、農地や水環境の改善を促す光合成細菌や乳酸菌、酵母菌を主力とする善玉菌の集合体、有用微生物群EMの開発にたどり着いた。
このEMは、農業はもとより河川浄化や環境、健康、建設、放射能対策などの分野で応用が進み、現在150ヵ国以上で利用されている。
現在の活動に至る比嘉教授の思いと歩みを語っていただいた。
写真が照らす家族の絆
父 影山光洋が刻んだ昭和の記録
写真家 影山智洋
戦後というと食糧事情ももちろん大変だったのですが、
その中には人間の生活があって、笑いもあった。
苦しい中にも日本人というのはちゃんと生活していたんだということを、
「昭和」という形で記録しておこうと、
父は家族をテーマに写真を撮ったのだと思うのです。
報道写真家として時代を切り取ってきた影山光洋氏。戦前、戦中、戦後と撮られてきた写真は、社会の記録だけでなく、人間の営みそのものに目を向けており、時代の空気を感じさせる。
家族をテーマにした光洋氏のアルバム「芋っ子ヨッチャンの一生」は、わずか5歳2か月で亡くなった三男を記録したもの。写真からは、あふれんばかりの家族愛と、貧しくも豊かだった昭和という時代が浮かび上がる。写真家で光洋氏の次男である智洋氏に、父への思いとその足跡を語っていただいた。
連 載
【新連載】◆ゆめの森こども園代表 前島由美
連載『愛の関わりと連携で、輝きを取り戻す子どもたち』
「お母さんの心がほどけたことで変わっていったリュウくん」
療育支援施設「ゆめの森こども園」で、生き辛さを抱えている子どもたちに向き合う前島由美さん。愛情いっぱいの関わりと、親御さんや学校・地域と丁寧に連携によって本来の輝きを取り戻していく子どもたちの実例を紹介していきます。
◆写真家・ネイチャーガイド 安藤誠 連載『日常の奇跡』
「Wildlife Photographer Of The Year 2020」
ネイチャーガイドとして自然と向き合う安藤氏。
目に見えないものを見、声なき声を聞くプロフェッショナルとして、私たちが見過ごしている「日常の奇跡」を、一瞬を切り取った写真とともに届けます。
◆一般社団法人ハニーファーム代表 船橋康貴 連載『ミツバチが教えてくれること』
「手作りで生まれた『清里みんなの学校』」
ミツバチ絶滅の危機は人類滅亡の危機
私たちが生きていくための環境維持に欠かせないミツバチの存在を伝え、守ろうと東奔西走する船橋氏。
その活動の「今」を伝える。
◆銀河浴写真家 佐々木隆 連載『私たちは銀河のなかに生きている』
「地球と太陽の芸術」
生かされていることに気づけば、人生はもっと豊かになる。
銀河を舞台に生命の息吹を写しとる、佐々木隆氏の銀河浴写真。
◆写真家 野村哲也 連載『地球を歩く ~知られざる絶景を求めて~』
「熊の王国(アメリカ合衆国アラスカ州 カトマイ国立公園)」
世界に飛び出し旅するからこそ見える、日本のこと、自分自身のこと。
秘境と絶景を求めて 150ヵ国以上を旅してきた写真家 野村哲也氏の連載。
◆作家 山元加津子 連載『ありのままの私たち』
「相手の心は自分の鏡」
人と違っていても、障がいがあっても、人はみな素晴らしい力を持っている。
植物も動物も人間も、みんなでひとつの命を一緒に生きている――。
長く特別支援学校で子供たちと接してきた山元加津子さんが伝える、生きる上で大切なこと。
◆金澤泰子 連載『きょうも、いい日』
「翔子の不思議なカラクリ」
ダウン症の書家として活躍し、また生活面でも独り立ちをはじめた娘、翔子さん。その成長の日々を、母金澤泰子氏が綴ります。
母娘の絆に、胸が熱くなります。
◆茨城ダルク代表 岩井喜代仁 連載『今日一日を生きる』
「反対運動を乗り越え、地域との連携を図る ―― 新潟ダルク」
薬物依存者が社会復帰を目指すリハビリ施設として、薬物依存回復の確立した方法論を持つダルク。まだまだ課題はあるものの、行政との連携も進み、認知度も高くなった。それは、全国にダルクの数が増えたことも大きく影響しているだろう。
ダルクと出合って27年、自らも薬物依存回復の道を歩みながら、一人でも多くの仲間の回復を求めて各地にダルクを開設してきた岩井喜代仁氏に、各施設の開設と現在に至る道のりを聞くとともに、施設責任者の手記を紹介する。
◆編集部コラム 『心の奥の取材ノート』
「ねむの木学園園長 宮城まり子さんのこと」
交わした言葉、ちょっとした仕草、振る舞い ――
今もありありと思い出す、取材で出会った人たちの思い出を綴ります。