講座が始まる前に久しぶりに裸足になった。いつもは、靴下に覆われて足の裏の感覚を感じにくいがとても心地よかった
香川 保育士 女性 KH
私は、こども園で仕事をしているので、乳児から就学前のこども達に毎日会う。
純粋無垢なこどもたちの真剣な目や表情を見ると、おとなの自分の心の内を見透かされているようで、ドキッとすることがある。悪いことを言っているわけではないが、自分自身を顧みるよい機会をいただいている。
おもちゃの取り合いや口げんかなど、小さなころから、相手と自分のおもいのぶつかり合いや小競り合いはよくあるが、おとな同士のようにいつまでもズルズルと関係性が悪化することは少ない。さっきまで、片方が泣きながら叫んでいたのに、あれっ?もう手つないで何もなかったかのように静かにそこにいるふたり。たまには、自分のおもいや気持ちを思いっきり、言い合える場所と相手と時間も必要だと思い、素晴らしいお喧嘩だったね、と二人を抱きしめる。おとな同士のけんかでは、なかなかそうはいかない。つい、意地を張って意固地になったり、素直になれなかったりするものだ。
こどもたちは、「対立」が少ない。あるとしたら、それは、私たちおとながこどもに教えてしまっているのかもしれない。「教える」という意識よりも、こどもたちが「対立」してしまうような言葉がけや態度・行動を無意識のうちにしていることに気づいてない、という感覚に近いように感じる。
例えば、列に並ぶとき、保育者は早く並んでほしいために「誰が一番かな?早く来ないと置いていくよ」などと言う。すると、こどもたちは、我先にと、一番になりたくて急いできては、「一番」を争い始める。「一番」にこだわり始めるこどもが複数人いると、毎回、何かにつけて「一番」の取り合い合戦が起こり、おとなに叱られる。自分たちで仕向けておきながら、おとなは、勝手なのだ。
でも、悪いことばかりではないので、よかったことを最後に。
私は冷え性なので、真夏以外は、5本指靴下と先丸靴下の重ね履きをしている。講座が始まる前に久しぶりに裸足になった。いつもは、靴下に覆われて足の裏の感覚を感じにくいがとても心地よかった。足の裏を通して、何かとスキンシップしているような安心感のある感覚だった。翌日、さっそく園の砂場で裸足で、砂だらけでこどもたちと遊び、楽しい時間を過ごした。