2023年 大阪・B 第5回(2023.10.17)

優勝の報告

奈良 教員 60歳 男性 YO

先日は道塾でのご指導ありがとうございました。
おかげさまで先週行われました「奈良県新人野球大会」で優勝させていただきました。
この優勝で来年3月の静岡で行われます全国大会への出場が決まりました。ご指導ありがとうございました。
実はこの大会の予選が始まった9月に、選手の保護者が癌と診断されました。そのことを1回戦の直後に聞かされました。

その保護者はいつも息子さんの野球を熱心に応援し、チームのために協力してくださっていました。

3回戦ぐらいまではマスクをして、ほかの保護者と離れたところで応援してくださっていましたが、放射線治療が始まり、副反応がきつくて入院されました。Aさんは病気と診断される9月までは本当にお元気でいつも笑顔で野球を楽しんでいらっしゃいました。

診断結果を聞かされた時にAさんに、「必ず優勝して3月に静岡に行くから、一緒に静岡に行きましょう。」と伝えました。

その瞬間から自分の中で大きな使命ができました。Aさんの生きる希望になるためには「優勝しました。静岡に行きましょう。」か「がんばりました。でも負けてしまいました。」の2択ではなく、「優勝したよ。息子さんも活躍したよ。」の1択しかありませんでした。
そこから優勝までの長い2ヶ月が始まりました。

この大会は週末ごとに行われ9月の予選は5試合あります。3週間にわたって試合があり緊張の連続でした。

予選5試合では1点も取られることなく、守りの勝利でした。

そして本戦が10月から始まりました。予選突破からの3週間で部内でもインフルエンザが流行り、主力選手のケガもありました。

じつは田原本中学野球部は部員12人です。4人かけると棄権しなければいけない状況でした。その中での長期にわたる予選でしたので、試合に勝つこともですが病気・ケガとも戦わなければいけませんでした。写真をご覧くださればおわかりのように、決して圧倒的な力があるチームではありませんでした。むしろ、相手チームの方が人数も多くて、能力も高かったこともありました。

本戦では各予選を勝ち抜いたチームが集まり、そこから4回勝たなければ優勝できませんでした。3週間にわたる緊張の試合が始まりました。

準決勝の相手が私学の強豪チームで全国大会常連のチームでした。相手は人数も多く、能力の高い選手もいて、指導者もしっかりと戦術を練ってくることが予想されました。相手の作戦が気になり、力は五分五分ではありましたが、「絶対勝って前に進まなければいけない」というプレッシャーを感じ、戦い方に迷いがありました。

その試合の直前に10月の道塾がありました。ずっと心のなかでもやもやしたものがありながら、宇城先生のご講義を拝聴していました。

その中で先生が「2進法の考え方ではなくて、私は1進法の考え方で何事もやってきた。」とおっしゃいました。

「やるかやらないかではなくて、やる」「できるかできないかではなく、できる」その言葉で私ははっとしました。

この大会に限っては「勝つか負けるかではなくて、勝つ」「優勝して3月に静岡に行く」「バットエンドはなくてハッピーエンドしかない」ということに気付かされました。ともすれば、負ける言い訳を用意して「選手はよく頑張ったけど、運がなかった」という言葉でごまかしてしまいそうになる自分の弱い心に火をつけてくださいました。
さらに勝負における心構えで「相手の出方に左右されるのではなく、自信を持って正々堂々と前に出て戦う」ことも教えてくださいました。
自分はその時に相手の作戦に気を取られてその対処のことばかりを考えていました。なんとか相手の裏をかこうとばかり考えていました。
その考えが浅はかなのを先生の「気」を通して身体で理解させていただきました。

道塾が終わると自分の迷いがなくなり、真っ向勝負の腹がくくれました。道塾の帰り道は心晴れ晴れ、視界晴れ晴れでした。

準決勝は見事に相手の攻撃を封じることができて、チャンスを生かし、Aさんの息子がダメ押しの2点タイムリー3塁打を打ちました。

ピンチの場面ではユニホームの中に抱いていた先生のご著書『一人革命』に手を添え、マウンドの投手を見守りました。

見事に相手の強打者を抑えました。結果4対0の完勝でした。この勝利は道塾があのタイミングでなければありえなかったものだと感謝しています。

決勝戦は当日の朝にAさんの息子に「この試合はお父さんを喜ばす試合やぞ」と檄を飛ばし、みごとに彼は攻守にわたり活躍しました。

次の朝、彼はお父さんが「ナイスバッテイング」と喜んでくれましたと報告してくれました。「3月の全国大会ではもっと活躍する。だから楽しみにしててや」とお父さんに言いなさいと伝えました。

今年は自分自身に思うところがあり、毎月道塾に通わせていただいています。

そのことの確かさや素晴らしさ、そして宇城先生にご指導していただけるありがたさがあらためてよくわかります。

来年もAB両クラスで学ばさせていただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。感想文、大変遅くなり申し訳ございませんでした。

今回の感想文は絶対に先生の日頃のご指導に対して優勝の報告しかないと思っていました。