18 10月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈【対談】安藤誠 写真家・ネイチャーガイド 宇城憲治 UK実践塾代表〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年10月18日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 季刊『道』より―
◇ 【対談】安藤誠 写真家・ネイチャーガイド
◆      宇城憲治 UK実践塾代表

【宇城】
科学者は理論で理屈をつける。
目に見えない世界は言語で表現すると消えてしまう。

感性が大事なんですね。

断片化の最強の武器は言語なんですね。
目に見えないものをしゃべっても意味がない。

心は見えないけれども、
行動によって見えるということです。

【安藤】
僕もガイドの講座をやっていますけど
「しゃべるな」と言います。

普通のガイドはしゃべっていないと
お金を貰えないからとずっと説明しているのですが、
「もうやめなさい」と。

お客さんに感じてもらうことが
大事だと言っています。

【宇城】
そうですね。
私は、集団登校は20年くらい前から
やめたほうがいいと言っているのです。

集団登校だとみんなでいることで安心して
気を遣わない。

気を遣わないと、そこに「気」がないから、
スマホを見ながら運転しているような
気の抜けた車が吸い込まれ、
突っ込んだりするのです。

それは安藤さんの
クマの鈴の話と一緒ですね。

【安藤】
全くその通りです。

普段はクマ避けの鈴を
つけるなと言っています。

なぜなら鈴をつけると
「鈴をつけて音が鳴っているから私は大丈夫だ」
と安心して「気」を張り巡らせなくなるからです。

「気」がない状態でクマに出会えば、
当然襲われてしまいます。

ではどんな時につけるかというと、
雨が降っていて音が聞こえないとか、
風が強くてお互いに臭いのチェックが
できないような時ですね。

気の抜けた集団は格好の標的ですね。
逆に気の入った集団は強いですよ。




*  *

私たち人間は宇宙に生かされている存在として、
大自然には畏敬の念を持って接していかなければならない。
それほど大自然は偉大である。

環境保護が叫ばれて久しいが、今を含め、
ますます悪化していく環境。大自然には嘘がない。
すべて真実である。一方虚構に満ちた人間社会。
そんな今、大自然の一員である私たちが生き残るためには、
本気に大自然に向き合う必要があるのではないか。

それにはまず私たち一人ひとりが自然をよく知ることである。
まさにその自然と人間を繋ぐ実践をされているのが安藤さんだ。
見た目は強面だが、安藤さんが撮るクマや鳥をはじめとする
数々の野生動物や自然の写真や動画、エッセイはユーモアに満ち、
私たちに安らぎを与え、大自然の偉大さと共に共存のあり方に
気づかせてくれる。

「人間が生きていくということは、大自然の中で調和し、
境界を取り去り、解け込むこと。そこに私たちの未来はある」
――そう語る宇城氏との対談は、私たちが今まさに直面している
課題と希望への道筋となるものとなった。

<巻頭対談>
子どもたちに伝えたい
嘘のない自然が見せる真実の世界

季刊『道』215号
https://www.dou-shuppan.com/dou215-lp/
☆ 内容の一部をお読みいただけます。

※次項もご覧ください!

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平日夜、お仕事帰りにぜひ
自然との関わりや、いのちのことに
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●講演会「安藤誠の世界」
2024年11月6日(水) 19:00~ (開場18:30)
町田市民ホール (第4会議室)
入場料:3000円

詳細・お申し込み
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18 10月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈安藤誠著 『原野から』〉

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└◆ どう出版メルマガ  (2024年10月17日)

本書 紹介動画
https://youtu.be/Q3vJWt6Vpnc

◆◇ 今、届けたい言葉 ― どう出版の本より ―
◇  安藤誠著 『原野から』

クマがいなくなれば
植林する者がいなくなるので、

緑の砂漠と言われるような、
人間の経済活動にしか使えないスギやヒノキしか
ない山になってしまうわけです。

たぶんクマが植林しているという
概念を持つ人は少ないと思います。

しかし存在する生き物には
必ず役目があるのです。

存在する意味や価値を理解できなければ、
当然価値がないと思ってしまいます。

単に「人に危害を加えるクマなどいなくていい」
という人がいるから、
クマが年間何千頭と殺されてしまうのです。

同じ例が北海道のアイヌ民族と共存してい
たオオカミの撲滅です。

明治の当時、アメリカから来日した畜産家が
牧場内の家畜を襲う狼害に悩まされ、

アイヌ民族の意向を無視して
毒薬のストリキニーネを使って
オオカミを皆殺しにしてしまったのです。

先住民の意向を無視した撲滅は
アメリカでも行なわれました。

ところがアメリカは1980年代になり、
やはりオオカミという生き物を復活させないと
生態系がダメになると、

オオカミの再導入をイエローストーンでやり、
その結果、川の流れも変わるなど
生態系が正常な状態に戻ったのです。

ですから、そもそもなぜクマが存在していたのか、
その意味、価値を伝えることは
とても重要であると思っています。

またクマにも多様性があることを
伝えたいと思っています。

クマが10頭いたら10頭
全部個性が違うわけです。

気立てのよいクマもいますが、
すごくシャイなクマもいる。
喧嘩早いクマもいれば、
すごく優しいクマもいる。

クマについていろいろ
理解してもらいたいと思っています。

――― 第2章 クマと生きる より

最新刊 安藤誠著『原野から』
https://www.dou-shuppan.com/books/ando02/

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16 10月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈原田要 最後の零戦パイロット〉

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└◆ どう出版メルマガ  (2024年10月16日)

『命の伝言』紹介動画
https://youtu.be/-HjCs5NdDyw

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 電子『命の伝言』より ―
◇  原田要 最後の零戦パイロット

戦場ですから、あちこちでたくさんの兵隊さんを
看取ってきましたが、その最後の言葉はみんな
「おっかさんに私の最期の話をしてくれ」というものでした。

ですから、いかに母親という存在は
大きいものかと思ってね。

幼稚園を始めてからも、
よく感心したことがあります。

普通女性は人前で肌を出すのを嫌がりますが、
背中の子供がおっぱいがほしいと泣き出せば、

若いお母さんがどこでも構わずぱっと広げて
おっぱいをあげて、「いっぱい飲んで大きくなるんだよ」と、
愛情の眼で子供を見ている。

恥ずかしいも何もない。

信頼している親子のあれほどきれいな美しい、
神々しい姿ほど、感激したことはないです。

ああやっぱり私の母親も
こうだったんだなと思ったんです。

だから最終的に自分が一番弱くなった時には
母親のところへ行くんだなと、つくづくそう思いました。

ですから私は幼稚園の先生にも言うのですが、
「我々が教育をするなんて大げさなことを
考えてはいけないよ。我々はお母さん方の
お手伝いをしているんだ」と。

皆一生懸命そういう気持ちで
やってくれています。

これは又聞きで聞いた話ですが、
「マレーの虎」と言われ世界中から恐れられた
山下奉文という大将が、戦争犯罪で戦後現地で
服役していたのですが、

その山下将軍に付いていた宣教師が
「山下さん、いよいよ明日絞首刑で
断頭台に上がらなければなりませんが、
何か日本のために言い残す事はないですか」
と聞いたそうです。

その時山下さんは
「私は日本のために与えられた仕事を
精一杯やりましたので、今さら何も言うことはありません。
ちゃんと覚悟は出来ています」と言われたそうです。

宣教師が
「あなたくらいの立場の人が、何かひとこと
日本のために言っておくことがあるのではないですか?」
とさらに聞くと、山下将軍は、

「私も戦争ほどむごい事はないとは思っていたし、
その戦争に負けて自分は絞首刑になるので
何も言えませんが、

ただ、日本がこれから良くなるも悪くなるも、
日本の母親の両肩にかかっているという事だけは
伝えていただきたい」と言われたそうです。

それを私は聞いて、
ああ、やはり、そうかと。

あのように優れた人でも、
最後は、おっかさんに感謝していたのだな
と思いました。



――― 原田要 最後の零戦パイロット
「命をかけた 平和を守り抜くために」

*  *

戦禍を生き抜かれた方々が語る
戦争の理不尽さ、悲惨さ、命の尊さ。

大切な生かされた命だからこそ、
伝えたい思いがある。

季刊『道』で丁寧に聞き取ってきた
貴重な証言インタビュー集です。

今、このような時だからこそ、
受け取っていただきたいメッセージです。

KindleやKoboなど電子書籍販売サイトで
ご購入いただけます。
amazonでは紙本もあります。

販売サイト・内容紹介ページ
https://www.dou-shuppan.com/ebook/inochi/

どう出版の電子書籍
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15 10月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈三上智恵 ジャーナリスト/映画監督〉

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└◆ どう出版メルマガ  (2024年10月15日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 最新号『道』より―
◇  三上智恵 ジャーナリスト/映画監督

私のこれまでの映画は
「過激な反対運動を描いている」と
レッテルを貼られている面もあって、

私はそうは思わないけれども、そのイメージは
簡単には払拭できないとも思っています。

私は報道畑を歩いてきたので、
映画監督として修行を積んでいないし
映画を作るチャンスなんてそうそうないだろう、
と思うとつい、あれもこれも詰め込んでしまう。

だからと言ってあれも知ってほしい、
これも分かってほしいと「どうかこの
熱い鉄の球を受け取って!」と投げても、

みんな「火傷するぅ!」となって、
避ける、受け取ってもらえない(笑)。

ちゃんと触れる温度にして渡さなくてはと
分かっていても、つい暑苦しい球を
投げてきたのかもしれませんね。

(それは沖縄の基地問題が
待ったなしの状況になっているというところが
あってでしょうか)

そうですね。
全国の人は沖縄で起きていることを知らなさすぎるので、
これを伝えないとあれが理解できないだろうとか、

「それはお前独自の説だ」と言われないために
資料を提示するとか、理論武装や説明が
多くなりがちな面があります。

前作から6年、7年空いたのは、正直言って
もう作りたくなかったのです。

作ったって無駄、ドキュメンタリーで
世の中を変えられない、戦争を止められない
みたいな敗北感の塊でした。

しかし映像はずっと撮っていました。

その撮ってきたものを、昨年
「スピンオフ作品」として無償で貸し出しました。

できれば3~5人と少人数でいいので
見てくださいということを、
最後の社会実験ぐらいのつもりでやったのです。

少なくとも100件は申し込んでくれるかな
と思っていたら、上映会は最終的に
1300件になり、のべ3万人が観てくれたのです。

やっぱり待ってくれている人は
ちゃんといたんだ、と。

映画に編集する前の動画素材を私は
「野菜の乱切り」という言い方をするのですが、

まだ料理する前の何の味もついていない野菜を転がして、
先に渡すから、それを塩コショウして
隣の人に渡してねと言ったら、
「よっしゃーっ!」と受け止めて渡してくれた。

「中国が……」と言っているような人には、
「あんかけとかカレールーをかけてでも
食べさせてね」とお願いしてきました(笑)。



*  *

軍事要塞化が加速する沖縄の現状を長きにわたって
取材してきた三上智恵監督は、12歳で初めて沖縄に訪れた時、
旧平和祈念資料館の展示資料に衝撃を受け、
この沖縄の歴史的事実を自分が伝えていかなければと思ったという。

アナウンサーとして、現在はフリーのジャーナリスト、映画監督として
ほとんどの本土メディアが伝えてこなかった沖縄の現状を
動画で記録し、抗っても抗っても強行され翻弄されていく、
その絶望でしかない生の記録を、
4本のドキュメンタリー映画にして伝えてきた。

そして今年、6年ぶりに5本目の『戦雲』の制作公開に踏み切った
三上監督。
映画には「戦争を止めるために一緒に走れる人が集まり直してほしい」
という熱い思いを込めた。
これまでに至る軌跡、そして映画制作への思いを語っていただいた。

<ロングインタビュー>
戦争に至る究極の道筋を突き詰めない限り、戦争は止められません
映画(ドキュメンタリー)に平和への思いを託して

季刊『道』221号
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11 10月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈『日常の奇跡 ―安藤誠の世界―』〉

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◆◇ 今、届けたい言葉 ― どう出版の本より ―
◇  『日常の奇跡 ―安藤誠の世界―』

自然はごまかさないし、嘘がない。

自然を見ていれば
とにかく胡散臭い人は絶対分かります。

悪い人間は悪いオーラを出しますから、
どんなに善人ぶって話が上手だったりしても分かる。

それが分かるようになるには、
やはり自然、森や海や空、雲を見て
感性を鍛えておくことが大事です。

たとえば虫が他の動物に捕まって食べられている。
そういう自然の事実を知らないと、

権力者が言っていることが
本当に自分たちのためのものであるかが分からないし、
実は裏ではこういうことをしている
ということなども見抜けなくなる。

今はインターネットの時代で検閲がないので、
出した者勝ちで、誰かが何かを言った、
それが嘘であっても真実と同列に並んでしまう。

本や雑誌だったら編集者の校正が入るし、
間違いは直されて世に出ますが、

今の若い子たちはインターネットを使って検索し、
どうしようもない情報にヒットしたり
ましてお金の力で操作されている情報だったとしても
そのまま「そうなんだ」と簡単に信じてしまう。

それはテレビでも同じ。
そこを見抜ける力をつけるには、
自然しかないということです。

みんな私みたいに山で暮らしなさい、
と言っているわけではありません。

ここへ来てもらって、本当のクマの姿を見て
その解説を聞くというのも一つの重要な学びです。

先日ガイドをしていると、クマに石を投げつける
というとんでもない人を見ました。

石を投げつけた人間は最悪ですが、
その事実を見ることが偶然できたということは、
ある意味感謝しなければいけない。

なぜなら、それを見た私たちは今後
どうしていかなければならないかを
問われるからです。



『日常の奇跡 ―安藤誠の世界―』
https://www.dou-shuppan.com/books/ando01/

☆ 次項もご覧ください ☆

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11 10月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈 【対談】 山極壽一 総合地球環境学研究所所長/霊長類学・人類学者 宇城憲治 UK実践塾代表〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年10月10日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 最新号『道』より―
◇ 【対談】 山極壽一 総合地球環境学研究所所長/霊長類学・人類学者
◆      宇城憲治 UK実践塾代表

【宇城】
今の量子力学で説明すると分かりやすいと思うのですが、
目に見える物質も、その最小単位になると
目に見えない量子の世界であり、

それがいろいろなエネルギーを創り出していて、
気はまさにそのエネルギーとも言える。

また人間には意識領域と無意識領域があって、
この無意識領域、すなわち潜在意識に
「気」が働きかけることによって
事の起こりを押さえることが可能となります。

これは非常に動物的かもしれません。

ゴリラの「守る」原点も
そこにあるような気がするんですよね。

【山極】
そうなんですよ。
ゴリラはまさに「戦わずして」ということなんです。

仲裁者が入るのは、戦ったあとではなくて
戦う前なのです。

戦いが起こりそうになった時に、咄嗟に
メスや子どもや若い個体が入ってきて
「まあまあ」とやる。

一頭だけではなく複数の個体が
入る場合も結構あるのです。

それを一番力の強いはずの背中の白い
成熟したオス ―― シルバーバックと言うのですが ――
がちゃんと聞くわけですよ。

これがやはり
ゴリラの社会の基本かなと思います。

その原則を今我々は
忘れているのではないかなと。

戦わずして治めるためには、
そこに第三者が入ってきて、
「この戦いは不幸になりますよ」ということを
身をもって知らせ、

思いを改めて、戦う前の精神に戻ろう
というようにならないといけないんですね。

その抑制という意味では、
人間はゴリラに劣ると思っているわけですよ(笑)。

【宇城】
まさにそうですね(笑)。



*  *

40年以上ゴリラ研究に携わり、その第一人者として、
また霊長類学者として、ゴリラ社会のあり方から
人間のあるべき姿を見つめてきた山極壽一先生。

長年の観察研究で気づかされたことは、ゴリラの中に見る、
人との共通祖先の姿にこそ、本来の人間らしさが
あるのではないかということだ。

終わりの見えない戦争や、新たな衝突の危機に晒されている今、
ゴリラが実践する闘いの平和的仲裁のあり方や
相手の立場を尊重する共存の仕組みに学び、人間が忘れつつある
気概、気構えを取り戻すことが急務だと語る。

ゴリラが示す「勝ちをつくらない」生き方と、
江戸時代の剣聖が示し宇城憲治氏が体現する「戦わずして勝つ」
のあり方をベースに、今私たちがかかえる課題について
縦横に語り合っていただいた。

<巻頭対談>
ゴリラに学ぶ喧嘩の極意
― 負けず、勝ちをつくらず、共存する社会 ―

季刊『道』221号
https://www.dou-shuppan.com/dou221-lp/
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09 10月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈木村秋則・宇城憲治共著 『農業再生 人間再生』〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年10月9日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― どう出版の本より ―
◇  木村秋則・宇城憲治共著 『農業再生 人間再生』

【宇城】
昭和時代にあった刑務所の話ですが、
看守の人が囚人に赤飯を持っていった。

その囚人は意味が分からないでいる時、看守さんが、
「今日はお前の誕生日だったね」と。

そうしたら、その囚人は、ぼろぼろ泣いて、
やっぱり食べられなかったそうです。
こういう涙が更正につながるんですよね。

【木村】
やっぱり心ですよ。
小さな思いやりかもしれないけれども、心ですよ。

【宇城】
本当にそうですよね。
日本の文化の漢字にしてもよくできていると思うんですが、

たとえば心に相手を乗せると、「想う」になる。
心に自分を乗せると「息」となる。
心に刃を乗せると「忍」となる。

今、日本に欠けつつあるのが、
この「心」の部分だと思うんです。

それにしてもリンゴの自然栽培という
未知の分野を切り開いていった木村さんのエネルギーや心が
どこから生まれたのか、木村さんのように、

馬鹿になり、自分を捨てる、というのは
一体どういうことなのかと。
本日はそれを勉強にきました。

【木村】
私も、今のような状況に置かれることになるとは
夢にも思っていなかったんです。

とにかく農薬に苦しむ女房が畑で安心して
リンゴづくりができたらいいなと思った。

そしてそのリンゴを買う人が誰もいなければ、
自分で売りに歩けば、誰かがきっと
買ってくれるだろうと考えていたんです。

でも、あまりにもリンゴがならなかったので、
お米や野菜づくりもやりました。

これがまたうまくいくわけですよ。

どうしたら稲や野菜が薬や肥料などを使わずに育つか、
コップを使って土をいろいろ調べる試験を繰り返したのです。

当時、ワンカップ大関という日本酒がはやっていて、
酒屋のゴミ箱にその瓶が山とありました。

酒屋さんに頼んで全部もらってきたんです。
200個くらいはありました。

そのワンカップにいろいろな土を入れて
箸でかきまぜて、どういう土であれば、生育が良いかを
調べていったのです。

そして稲だと、荒く耕してよく乾いた土、
湿気のある土、細かく耕した土……さまざまやって、
いちばん稲の生育が良かったのは、
いちばん粗末にした土だった。

これを田んぼでやってみたら
すごく良い稲ができたのです。

その方法を今、あちこちで教えているんですよ。

【宇城】
いろいろな組み合わせ条件から
「これがいちばん良い」という実践根拠がある。
だからしっかり伝えられるのですね。



―――「第2章 〈対談〉木村秋則・宇城憲治」より

『農業再生 人間再生 ― 大切にしたい目に見えないもの ― 』
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08 10月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈野村哲也 写真家〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年10月8日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 最新号『道』より―
◇  野村哲也 写真家

まだ地球上に、
こんな聖域が隠されていたなんて……。

マヤ文明のはるか以前に建てられたT遺跡、
ここはまるでメキシコのマチュピチュ、
いや壮大な氣の鍛錬場だった。

小さな田舎町からピラミッド型の山へ急登すると、
突然現れた第一神殿に度肝を抜かれる。

ゼロ地場……なのはもちろん、
何かが変だ。

近づいてみると、何と
次元の扉になっていた。

今まで世界中の聖域に足を踏み入れてきたが、
ゼロ地場と次元の扉が一点に重なる場所を、
僕は知らない。

おそるおそる祭壇へ立つと、
天地の氣は拮抗してゼロに、
四方からエネルギーが寄り集まって融合した。

古代の人は一体ここで
どのような儀礼をしていたのだろう。

ゼロ=空(くう)となり、
次元を軽々と越え、何を見出していたのか?

ここはアステカ、マヤ以前から
崇拝される聖域。

さぁ、遺跡内の探検を始めよう。



*  *

古代の息遣いを感じて旅する野村さんの写真は、
ぜひ本誌でご覧ください。

<連載>
地球を歩く
「ユカタン半島~遺跡のちから~」

季刊『道』221号
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07 10月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈16人の武道家会見集 『人間をつくる 武の道、武の心』〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年10月7日)

本書 紹介動画
https://youtu.be/BRvxOWwUMpg

◆◇ 今、届けたい言葉 ― どう出版の電子書籍より ―
◇  16人の武道家会見集 『人間をつくる 武の道、武の心』

日本は平和憲法だなんて言ってみたって、
それじゃ戦後60年も経って
国連に加盟している百数十ヶ国のなかで、

日本の平和憲法を真似した国がありますか、
どこもないじゃないですか。

戦争のない日本というのは、必ずしもそういう
憲法があったから平和なのではなくて、
ひとつの幸運に恵まれての平和である。

しかも今の平和と豊かさというのは、
あくまでもそういう平和を守ろうとして
犠牲になった多くの若い人たちのおかげで成り立っている。

戦争では青春真っ盛りの青少年が
特攻などで逝きました。

私の友人も少年航空兵として
17歳で太平洋の海につっこんで亡くなっています。

そこをしっかりと踏まえていけば、
今みたいな勝手放題なことができるわけがないんです。

今生きている私たちが資料をつくり
記録を残さないと伝説になる。

あるいは証拠もないと
伝説すらもなくなってしまう。

ですから心も残して引き継いでいかないと
世の中良くなりません。

ただ平和平和と叫んでみたって
そんなものは薄い氷の上、
いつ割れて落ちてしまうかわからない。

武道の「武」の字を、
門外漢の方は荒っぽいものと思われるかもしれませんが、

「武」という字は
「戈を止める」ということなんですね。

それは戦わない、争わない
ということを示しています。

このように「武」という文字の表わすところは、
争うことではなく平和を尊ぶことですが、
平和を守るには力が必要。

「国大なりといえども戦さを好めば必ず滅び
国豊なりといえども戦さを忘れば危ふし」です。



――― 芳根鋭蔵 剣道範士
「剣は、実社会に通じて、はじめて『道』になるのです」

*  *

大正、昭和の厳しい時代に武道修行を積まれてきた、
剣道、弓道、なぎなた界の師範方に、

自らの修行の様子、武道のあり方、指導者としての心得など、
じっくりお話しいただきました。

今求められる社会のリーダーとは。人間をつくるとは。
そのあり方のヒントにつながるインタビュー集です。

本書は電子書籍です。
Kindle、Koboなど電子ブックストアで購入いただけます。

詳細はこちらです。
https://www.dou-shuppan.com/ebook/bunomichi/

amazonでは【紙本】もあります。
https://www.amazon.co.jp/dp/4910001158/

どう出版の 電子書籍
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04 10月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈【対談】宮崎正志 大阪産業大学野球部監督 宇城憲治 UK実践塾代表〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年10月4日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 季刊『道』より―
◇ 【対談】宮崎正志 大阪産業大学野球部監督
◆      宇城憲治 UK実践塾代表

【宇城】
今、宮崎監督の大学野球部員は200名くらいですかね。
全部員に監督の言葉が伝わるのは
信頼関係ができているからだと思います。

監督が試合に勝つことばかりを講じていたら、
試合に出られるほんの一部の部員、そこだけになる。

しかし「気づかせる、気づく」のあり方は、
全体の部員のやりがいになり、一人一人の活力や
スピードが速くなってくる。そこは大事ですね。

【宮崎】
はい。
うまくいく、いかないじゃなくて、
やはりスピードが大事だと思います。

たとえば、梅雨になったら雨が多くなって、
ちょっと気持ちも落ち込み気味になりますが、

そういう時、雨を晴れにはできなくても、
日常の中で自分の行動は変えることはできます。

たとえば提出物を「出しなさい」と言われた日に
合わせて出すのではなく、

いつでも自分のスタート(一歩)は自らの意志で
踏み出せるようにしておく必要がある。

練習となるとメニューがあり、
笛が鳴ってから走る、言われて動く、人と比較する、
競争する、周りの目に捉われることが多くなりがちですが、

自ら動く、自分の感覚でいち早く動き出すことが
大事だと思います。

特に大学生の場合は、就職活動が始まると
それが顕著に出ます。

内定をもらう学生は、動き出しが早い。
人に合わせたり、言われてから動いたり、
頭で分かっていても動きが遅い学生は
決まるのが遅れていきます。

だから走るのも同じで、スタートの手前の自分が
どういう自分であるかが大事だと思います。

それはやはり野球ではなく「日常」の
自分自身のあり方、生き方にあると思います。

【宇城】
それが武術で言えば、
まさに「先を取る」ということですね。

【宮崎】
だから技術が上がるよりも、
やることが早くなった学生は
どんどん変わっていく感じがします。

挨拶にしても自分からサッと自然体でできる。
無意識にゴミを拾う。

理屈ではなくて、身体でできるというのが
すごく大切だと思いますね。




*  *

高校の野球部コーチ、監督を長年務めたのち、
2002年より大阪産業大学野球部コーチ・監督として
20年以上学生指導にかかわってきた宮崎正志氏。

2004年、宇城憲治氏を師と仰いでからは、
スポーツのあり方を根本的に見つめ直し、
勝ち負けではなく、学生たちの成長、真の幸せ、生き方、
そして何より社会に役立つ人材の育成に力を注いできた。

また大学の体育会のあり方も含め、何のために
スポーツ(野球)をやるのか。その意味とは。

今求められる真のスポーツのあり方を、
宮崎監督の実践から具体的に語っていただいた。

<巻頭対談>
気づく、気づかせる指導の実践
スポーツからスポーツ道へ

季刊『道』217号
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