18 11月

『道』206号 連載 金澤泰子「きょうも、いい日」

「幸せを運ぶ、翔子のダイエット」

娘の翔子さんが一人暮らしを始めて2年。
10キロ以上も増えてしまった体重を減らすべく、ダイエットに取り組み、翔子さん流の、友人知人に体重報告をする「公開ダイエット」をはじめ、
最近では、コロナ自粛でできた時間で、母子で取り組むダイエットの日々をつづってくれました。

毎日、雨の日も出かけた散歩では、流行りの「パプリカ」のダンスを一緒に踊るのだと言います。
娘がダウン症でなければ、35歳の娘と手をつないで散歩し、踊ることはなかっただろう、これも翔子の魔法だ――と。

母子の間に流れる優しい時間を、母泰子さんの文章から感じ取ってください。

パプリカを踊る翔子さん「パプリカ」を踊る翔子さん

 

[季刊『道』206号]

 

17 11月

『道』206号 連載 船橋康貴「ハニーさんの、ミツバチが教えてくれること」

「地球に起きていることは、すべて自分ごと」

八ヶ岳で、自然の中で生きものたちの姿を見ているハニーさん。
自然界は、環境の変化に必死に備えていると言います。

それでも、急激すぎる自然環境の変化についていけない生きものたちに起きている異変。
人間は、もういいかげんに生き方を変えるべきだということを諭していきます。

新型コロナウイルスについては、世界が共通の問題として扱っています。
これを機に、地球に起こることすべてを自分の問題として捉えることを呼びかけています。

 

 

[季刊『道』206号]

16 11月

『道』206号 連載 佐々木隆「私たちは銀河のなかに生きている」

「ある修学旅行 教師が伝えたかったもの」

朽ちそうな木の鳥居と湖、夜空には星。
用見れば、湖の中にも、半分水に沈んだ鳥居が見えます。

佐々木さんが小学生の修学旅行で訪れた、会津での記憶。

詩で語られる、磐梯山の噴火により土砂でふさがれた川がつくった湖に沈む村と、白虎隊の史実の衝撃。

写真から、その時の佐々木少年の気持ちが伝わってくるようです。

 

[季刊『道』206号]

 

13 11月

『道』206号 連載 野村哲也「地球を歩く」

「愛の島(パラオ共和国)」

写真家 野村哲也さんの今回のテーマはパラオ共和国。
南の海のエメラルドグリーンと島の森の濃い緑が印象的な写真に、かわいらしいクラゲが空を舞っているかのような写真も添えられて、最初のページでは楽園がイメージされます。

しかし「愛の島」のゆえんはその楽園のイメージの部分ではなく、次のページで語られる第二次世界大戦のペリリュー島での出来事にありました。野村さんは、実際の戦跡を訪ね、自分の眼で確かめたかったのだそうです。

大激戦区であったペリリュー島では、島民の死亡者ゼロという奇跡の戦場。

その物語を、戦跡を訪ねながら、紹介してくれました。

そしてもう一つ、野村さんが島で感じた「温かい存在」について。
ぜひ本誌でお読みください。

道206号 野村哲也

 

[季刊『道』206号]

 

 

12 11月

『道』206号 連載 山元加津子「ありのままの私たち」

「湧き上がる思いを物語に込めて」

なんでも自分でつくってしまい、家一軒を自らの手でリノベーションしてしまうほどの山元加津子さんですが、今度は出版社をつくってしまいました。

それは、どうしても伝えたいメッセージがあったから。

新型コロナが世界で猛威をふるう中、分子生物学の村上和雄先生から

「新型コロナウイルスも、サムシング・グレートがくださった愛。人が変われるチャンス」

というメッセージを受け取った加津子さん。
そのことを、誰でも読める物語にして、イラストも装丁も、編集から校正、印刷の手配まですべて自分一人で行なって、素敵な本を世の中に送り出しました。

その本『リト』への思いをつづってくれました。

 

[季刊『道』206号]

 

 

12 11月

『道』206号 連載 岩井喜代仁「今日一日を生きる」

「新体制で動き始めた 広島ダルク」

岩井さんが全国につくってきた薬物依存回復施設を一つずつ紹介しつつ、薬物問題や社会の課題を問いかける連載、今回は稼働したばかりの広島ダルクについて。

ほとんどのダルクが、まずは施設となる建物の確保の苦労からはじまりますが、今回は、形としてはあるが本格的には稼働していなかった「広島ダルク」を岩井さんが譲り受け、施設長を育てる過程が語られています。

施設長の手記には、薬物にはまった経緯やダルクとつながり回復の道を歩む中での葛藤や、失敗などが赤裸々に語られています。
ダルクで実施される薬物依存回復プログラムの基本は、「自分の無力を認めること」「正直になること」「仲間を信じること」。

それは、薬物依存者にかかわらず、私たちが社会で円滑に生きていくために必要なことばかりです。

自分自身の失敗や課題をさらけ出し、岩井さんを信じて前に進む姿を、応援せずにはいられません。

 

[季刊『道』206号]

10 11月

『道』206号 連載 前島由美「愛の関わりと連携で、輝きを取り戻す子どもたち」

「愛ある厳しさで子どもを守る 親子を幸せにする」

『輝きを取り戻す”発達障がい”と呼ばれ子どもたち』で紹介された、愛ある関わりと食の環境の改善で回復していった子どもたちの実例に、大変な反響が寄せられていますが、本連載では引き続き、回復と幸せの方向へ向かっている、ゆめの森の子どもたちや親御さんの実例を紹介しています。

本号で紹介されている、シングルマザーのお母さんと多動で衝動性のあるリュウセイ君の実践エピソードには、どんな子も、どんな親御さんも、一度関わったならば「何があっても守り抜く」という、前島さんの覚悟、愛情深さがにじみ出ています。

 

前島由美著『輝きを取り戻す”発達障がい”と呼ばれ子どもたち』

[季刊『道』206号]

 

09 11月

『道』206号 連載 安藤誠「日常の奇跡」

「Nature’s Best Photography Asia 2020」

写真家で、ネイチャーガイドの安藤誠さんが、
毎号素敵な写真とエッセイを届けてくださる裏表紙の連載。

今年二つの国際写真コンテストで見事受賞した安藤さんが、「Nature’s Best Photography Asia 2020」で受賞した動画作品のひとコマとともに、自然保護と啓蒙活動への思いを熱く語ります。

道206号 安藤誠

 

今月5日、安藤誠さんの新刊『日常の奇跡 ― 安藤誠の世界 ―』が発売となりました。

クマに魅了され「森や動物を守る仕事がしたい」と願った幼年時代、自転車やバイクで旅を重ねた少年~青年時代。子供たちの絶大な信頼を得た塾講師時代や、ギタリストとしての活躍、ヒッコリーウィンドの建設、アラスカの人々との固い絆、動物写真家そしてプロガイドとしての矜持。
安藤誠さんの人生をたどると、そこには必ず人を幸せにしたいと願う哲学と美学があります。

現在は日本熊森協会の顧問としても活躍している安藤さんの、人間が自然の一部であることを振り返り、日常を丁寧に生きることを思い出させてくれる1冊を是非お読みいただけたらと思います!

安藤誠著「日常の奇跡」

『日常の奇跡 ― 安藤誠の世界 ―』
ご購入は【こちら】です。

「出版記念 安藤誠 講演会」が開催されました。[レポート・感想]

 

[季刊『道』206号]

 

 

 

06 11月

「安藤誠 講演会」が開催されました

2020年11月5日(木)19時より、町田市文化交流センターにて「安藤誠 講演会 日常の奇跡」が開催されました。

本講演会は、世界的フォトコンテスト Wildlife photographer of the year 56 (2020) の受賞を受けて、受賞記念として企画したものですが、それに合わせて、季刊『道』インタビューに収めきれなかったエピソードをすべて入れた、安藤さん自伝エッセイの出版を企画。さらに、Nature's Best Photography Asia 2020 の受賞が続き、3つの嬉しい出来事を記念する講演会となりました。
当日はおよそ60人が来場、安藤さんのプロネイチャーガイド、プロカメラマンとしての実践に基づく講演に耳を傾けました。


 

 

安藤さんの2人の弟子、山田佳奈さんと小川浩司さんによる前座では、弟子として師匠の安藤さんに学ぶ思いの詰まった山田さんのプロモーションビデオと、白鳥をモチーフにした優美にしてユーモラスな小川さんの動画が放映されました。

安藤さんの講演は、コロナという今ならではの話題から始まりました。
コロナ感染をまったく気にせず「自由」をかざして生きるのも、徹底的に排除しコロナを怖れて生きるのも、どちらもその先は滅亡しかないこと。すべてはバランスで、感染防止の観点を持ちつつ生活を楽しむこと、相手への配慮、気持ちのよいコミュニケーション。そういった心掛けで、コロナとともに生きる術(すべ)が語られました。

次に Nature's Best Photography Asia 2020 の受賞作品の動画が放映されました。音楽も重要な要素であるという安藤さんの言葉通り、北海道の野生動物たちのいのちの躍動と音楽がピタリと一致し、3分という時間の中に、安藤さんの思いがぎゅっとつめられています。(【こちら】でご覧いただけます)
さらにそれを、1シーンずつ追いながら、その意味や背景、撮影秘話、動物たちの気持ちまでが解説され、会場からは感嘆の声が起きました。

なかでも、昨今の日本のクマたちが置かれた状況――見つけ次第、捕まえ次第射殺という現状に対し、マスコミ報道のあり方への疑問、怒りが語られました。
テレビで流される、市街地に入り込んだクマの気持ち。安藤さんのお話からは、私たちと何ら変わらない喜怒哀楽を持ち懸命に生きるクマの姿が浮かびあがり、毎年5,000頭ものクマが殺されていることの理不尽さが一気に迫ってきます。

すでに日本で絶滅してしまったオオカミの例を挙げ、なぜ、どのように絶滅に追い込まれたかが詳しく解説され、クマについても同じような過ちを繰り返すのかと、厳しい問いかけがありました。

そしてそのクマたちを守るために、狩猟免許を持つ覚悟をしたこと。狩猟ができることで、自分の責任においてクマを追い払い、捕まえ、しかるべきところに放すなど、むやみに殺すことのない関わり方ができることを、熱を込めて語られました。

プロガイドとして、野生動物を相手に顧客の希望を必ずかなえるための心構えやテクニック
40年ぶりの自転車旅と親友への感謝、物に魂を込めること
「北海道」という名前に込められた意味、土地への愛着、尊敬について
上梓した自伝エッセイ『日常の奇跡』に込めた思い

笑いあり、涙あり、気づきと学びがいっぱいの講演はあっという間に終演時間を迎え、最後に、安藤さんの動画作品「Ordinary miracle」が放映されました。
厳しい自然の中でいのちを輝かせる動物たちの姿と音楽。「何気ない日常こそ、宝物であり奇跡である」というメッセージが、会場いっぱいに広がっていきました。

講演終了後、多くの人が新刊『日常の奇跡』を手にして、安藤さんのサインをいただいていました。

参加者の感想を、ほんの一部ですが紹介します。

<参加者の感想>

●東京 自営業 33歳 MT
自然、動物に対するリスペクト、そして撮影に対する姿勢に刺激をいただきました。また話の中にユーモアがあり、非常に楽しい時間となりました。

●東京 主婦 77歳 NS
動物に対する愛情が深くてやさしくて男らしくて安藤さんは素晴らしいお方です。熊のことがこんなにやさしい動物とは知りませんでした。

●東京 自営業 58歳 UK
美しい映像、軽快でありながら真実に迫ったトークに感動しました。『道』の連載で、「よくこんな瞬間をとらえるものだ」と写真を見ながらいつも感心しておりましたが、お話を伺って、なるほど、と納得するばかりでした。

お父様のお話もぐっとくるものがありました。
熊についての認識が180度変わりました。今までいかにマスコミに騙されていたか。家族にも今日のお話を伝えたいと思います。そしていつか冬に北海道で安藤さんのガイドを受けたいです。

●神奈川 看護師 YK
熊さんたちを含む野生動物たちについて間違った情報が流れている事には前々から憤りを感じていました。日本中に正しい熊さんの生態を広げなければならないと改めて思いました。野生動物を絶滅させることは、人間のことも追い詰めると言うことをもっと大勢の人達に知ってもらいたいです。

●神奈川 心理師 55歳 KL
本当に面白かったです。この純粋さを変わることなく持ち続けている生き方があることに心から感動します。熊の話には暗澹たる思いになりました。本当に彼らに申し訳ない。安藤さんの写真や動画が訴える力を持っているのは、それがただ美しいからではなく、そこに写る生き物たちの日常に安藤さんが心を寄せ、彼らと心を通わせているからだと思いました。

●神奈川
ユーモアも交えてとても力強く自然の動物のすばらしさを語ってくださいました。素晴らしかったです。企画してくださって感謝です。

●神奈川 主婦 40歳 S
美しい自然にとても感動しました。知らなかった真実を知れてよかったです。ありがとうございました。

●神奈川 50代 男性 RK
講演会、とても楽しく参加させて頂きました。写真の美しさに驚きました。
動物の生き生きとした姿に引き込まれました。フクロウやクマの事を「この子達」とか「この人たち」と安藤さんが言うのが違和感が無くて面白いな・・・と感じました。

ツアーガイドというビジネスの視点も入っているので自然との距離感というか、バランス感覚が良くて聞いていてスッキリと話に入っていけました。

CO2の問題、海水のマイクロプラスチックの問題、放射能汚染。全てが絶滅の方向に向かっているのにコロナで産業のスピードが抑えられてよい方向へ向かっていることなど、納得のお話でした。あっという間の2時間でしたが、良い雰囲気で楽しかったです。

安藤誠著 『日常の奇跡 ― 安藤誠の世界 ―』 ご購入は【こちら】です。

 

05 11月

『道』206号 連載 宇城憲治「気づく 気づかせる」

「気づく 気づかせる」第52回 UK実践塾代表 宇城憲治

「目に見えない正と負のエネルギー
   ― コロナ禍で見えてきたもの ―」

コロナ禍を生き抜くには、政治や国やまわりに頼るだけでなく、何より自分自身のエネルギーを高め、身を守ることが求められます。宇城氏によると、それはすなわち、正のエネルギーを自分の中に取り込むことだと言います。

エネルギーを取り込むことで、私たちが普段いる世界、すなわち時計の時間をベースにした客観的な時間の世界(3次元)から、好きな人といる時間では時間感覚が異なるといった、主体的な時間の世界(4次元)に変化していきます。そしてこの主観的な時間にGすなわち重力が加わった世界が、その次の段階の5次元の世界で、まさにそこは、本来の人間の正のエネルギーが取り込まれている世界です。

本連載では、呼吸法や物のエネルギー(今回は著書)でそうした次元への変化の一端を体感する検証方法や、そこへ向き合う姿勢など、実践とともに展開されています。

道206号 気づく気づかせる

[季刊『道』206号]