宇城空手の極意「型」と気

宇城空手の極意「型」と気

― 潜在力を引き出し、エネルギーを生み出す ―

 

宇城空手道 創心館館長 宇城憲治

 

B5判並製 208頁
定価(本体2,800円+税)

ISBN:  978-4-910001-44-9

2024年6月17日発売

従来の対立・衝突の空手ではなく、
  調和・融合する空手 ―― 宇城空手

それは、江戸時代の無刀の極意である戦わずして勝つを実現する「術」と
相手を無力化して先を取る「術」を体現するだけでなく、
そこから生み出された「気」と理合はすべてと溶け込むエネルギーとなって
現在ある様々な課題の答えを示唆し、平和への道に導く。


調和・融合により「戦わずして勝つ」を実現する宇城空手。
本書では、武術の絶対条件に至るための深層意識領域にある潜在力を引き出すプロセスとメソッドを豊富な写真解説とともに著わしています。
型稽古での身体の「ニュートラル化」、分解組手での相手との「ゼロ化」を創出する宇城空手のプロセスとメソッドは、現代の教育や常識で蓋をされた潜在力を発掘し、開花させる。それは空手修業者のみならず、初心者、武術に縁のない人にも、自己変革と成長の大きな導きとなることでしょう。

宇城空手の極意「型」と気 本文見本

五つの型とその分解を写真で詳細に解説

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著者メッセージ

新刊『宇城空手の極意「型」と気』は、豊富な写真を掲載した空手技術書として書いていますが、書く上での第一の視点は「空手を何のためにするのか」ということです。そしてその事は「人間は何のために生きるのか」に発展させています。「空手」のための「空手(の稽古)」では単なるテクニック的な技術書となり、自己の狭い世界になります。それは仕事でも同じです。「仕事」のための「仕事(の勉強)」では発展がありません。
そのような状況に陥らないよう、より大きな視点を持って、という思いで本書を手掛けました。大きな視点とはすなわち、過去、現在、未来という時間の流れのなかで、「過去」とは歴史観であり、「現在」とは未来を希望あるものにする進行形の場であるとするあり方です。

その中で最も重要な点は、人間の潜在力とその可能性を引き出すプロセスとメソッドが、すなわち身体と心の「事理一致」の理論と実践が、「型と分解組手」という具体的な実践を通して記されているということです。

「型と気」に寄せて(図)

武術は自分の身を守る最高の実践術です。本書は、昨今に見るような実践・行動のない理論・理屈の「技述書」ではなく、実際に使える「技術書」です。人間が生きている仕組みは、心臓をはじめあらゆる臓器が助け合っているからこそであり、その心臓や臓器は私たちの意識ではどうにもなりません。すなわち私たちはまさに「生かされている」ということです。この「生かされている」に立ってこそ、本来の「生きる」も生まれてくると言えます。
その「生きる」を本書は説いています。
従って本書は、空手をする、しないに関係なく、あるいは逆に、していないからこそ、参考になると思います。

著者 宇城憲治

目 次

はじめに

 

【序 章】宇城空手の特徴

型の継承と創意工夫/型は美しく、技は心で/気の発動/人間の潜在力を引き出す

 

【第1章】宇城空手の知と実践

型とは何か
型はどのように形成されたか/「型」の本質/型から形へ/形化して初めて型の本質が見えてくる/型は身体と心の癖を直す/少ない型から多くの技を生み出す/調和・融合の空手/武術の「実践」/武術の勝敗/武術の上達/武術の奥伝と奥義/宇城空手の稽古システム

≪写真解説≫
宇城空手の基本稽古
基 本
天の型
地の型
三本移動
三本移動組手
〈分解組手〉天の型
〈分解組手〉地の型
宇城空手の受け身
基本の受けのゼロ化
突きの威力 その(1)
突きの威力 その(2)

 

【第2章】宇城空手の原点「型」  ― 身心をニュートラル化する ―

型とは
型を学ぶ姿勢/型の修得によって得られる認識/第1段階 外形を作る ―型の修得と「ニュートラル化」―/第2段階 内形を作る ―分解組手による「ゼロ化」―/第3段階 外形・内形の合一をはかる/「型」から「形」「術」へのシステム/相手の二の手(連続攻撃)を封じる攻防/型は進化のモノサシ/型を通しての稽古には壁に当たるということがない

≪写真解説≫
【第1段階】型を通して正しい外形を作る
【第2段階】基本分解組手を通して内形を作る
【第3段階】外形・内形の合一をはかる(変化分解組手)
【第4段階】型からの変化応用分解組手

≪写真解説≫ サンチンの型
サンチンの型
サンチンの型の分解
サンチンの型 (腕受けからの投げ)

≪写真解説≫ ナイファンチンの型
ナイファンチンの型
ナイファンチンの型の分解

≪写真解説≫ クーサンクーの型
クーサンクーの型
クーサンクーの型の分解

≪写真解説≫ パッサイの型
パッサイの型
パッサイの型の分解
パッサイの型の分解(演武:座波仁吉・宇城憲治)

≪写真解説≫ セイサンの型
セイサンの型
セイサンの型の分解
セイサンの型の分解(演武:座波仁吉・宇城憲治)
宇城空手の裏分解

 (演武)
 サンチン、セイサン 宇城憲治 館長
 ナイファンチン、クーサンクー、パッサイ 榎本麻子 師範

 

【第3章】呼吸力

呼 吸
武術における呼吸とは/呼吸の実践/腹筋・背筋から腹力・背力へ/無から有へ、有から無へ

 

【第4章】宇城空手の特徴「ゼロの力」

ゼロの力
三つの「ゼロの力」/相手のゼロ化、自分のゼロ化/沖縄空手の突き「当破」と「入り込み」/「ゼロの力」の創出/部分と全体/三つのステップとフィードバック/術としてのレベル/型からの形/無力化のプロセスと事例/空手の蹴り

≪写真解説≫
ゼロ化の事例 ① 組手におけるゼロ化
ゼロ化の事例 ② いろいろなゼロ化
ゼロ化の事例 ③ 剣(木刀)におけるゼロ化
ゼロ化の事例 ④ 時空のゼロ化

 

【第5章】空手と居合と気 ― 拳と剣と気の融合 ―

空手と居合の融合を可にした「気」

 

【第6章】高次元時空を生み出す「宇城空手」 ― 「気」とは ―

エネルギーを生み出す稽古法 ――5次元時空に結びつく型
型のエネルギーを実証する「気」/意識、無意識、深層意識/平和への道

〈参考〉  気とは
気はどこに働きかけるか/統一体とは/身体の呼吸とは/大地とつながる力「重力」を取り込む/質の悪い力と質の良い力

著者プロフィール

宇城憲治

 ◎ 宇城憲治 (うしろ けんじ)

㈱UK実践塾 代表取締役
宇城塾総本部道場 創心館館長
潜在能力開発研究所 所長

創心館空手道 範士九段
全剣連居合道 教士七段(無双直伝英信流)

1949年 宮崎県小林市生まれ。
エレクトロニクス分野の技術者として、ビデオ機器はじめ衛星携帯電話などの電源や数々の新技術開発に携わり、数多くの特許を取得。また、経営者としても国内外のビジネス界第一線で活躍。一方で、厳しい武道修業に専念し、まさに文武両道の日々を送る。
現在は徹底した文武両道の生き様と武術の究極「気」によって人々の潜在力を開発する指導に専念。空手実践塾、宇城道塾、教師塾、各企業・学校講演、プロ・アマ スポーツ塾などで、「学ぶ・教える」から「気づく・気づかせる」の指導を展開中。著書・DVD多数

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