『道』202号 巻頭対談 横綱白鵬・宇城憲治「“体談” で語り合う、目に見えない内面の世界」
2019年10月発行の季刊『道』202号の巻頭対談に登場いただいたのは、
去る11月の九州場所で43回目の優勝を果たした、横綱白鵬関です。
対談取材をしたのは8月末、まだ夏真っ盛りの暑い日でした。
朝9時半に宮城野部屋に稽古の見学にお邪魔すると、宮城野部屋親方が、対談相手の宇城憲治氏を一目見るや、
ご自分の隣に招き、稽古の間中、取り組みや稽古の内容をずっと解説してくださいました。
10時半頃に稽古場に白鵬関は姿を現わすと、場の雰囲気が一転。
その場が、ピーンとはりつめた緊張感ある空間に変わっていきました。
その白鵬関の圧倒的存在感がとても印象的でした。
稽古後、白鵬関の事務所に場所を移して始まった対談は、しかし、始終ニコニコ顔。
お二人がこの日初めて顔を合わせたとは思えない和やかな雰囲気になりました。
お二人がレコーダーの前に座って話していただいた時間よりも、
身体を通して、やりとりしていた時間のほうが長く、まさに対談ならぬ、“体談”。
「分かる人じゃないとわからないですね」
これは白鵬関が対談の中で、しみじみ言われた言葉です。
対談からは言葉以上に身体でかわしたお二人の会話を感じていただけるのでは
ないかと思います。