『道』201号 佐々木隆 連載「私たちは銀河のなかに生きている」
いちばん身近な天体ショーといえば、
月の満ち欠けでしょうか。
天候ともからんで、
雲と風と月の光は、一時も同じ状況はなく、
目をたのしませ、気持ちを和ませてくれます。
月齢の若い月に現われる「地球照(ちきゅうしょう)」が
今回の佐々木さんのテーマです。
三日月の、暗い部分をうっすらと浮かび上がらせるのは、
我らが地球がはね返した太陽の光。
月の地表の、光と影の境目には
ぼこぼことクレーターが浮かび上がっています。
壮大な反射の仕組みが
宇宙を立体的に感じさせ、
そこに佐々木さんの詩文が効いてきます。
佐々木さんのように、常に銀河に立つ人の目は、
自然・宇宙に創造され生かされていることを忘れた
私たちへの問いかけとなります。