20 8月

「地球を歩く」  写真家 野村哲也

季刊『道』で連載してくださっている野村哲也さんは、見る人を圧倒する、地球のエネルギー溢れる写真を世界中で撮っておられる写真家です。

179号(2014冬)でのインタビュー取材で初めて野村さんにお会いした時は、その迫力ある地声というか、あまりの声の大きさにびっくり。

ご自分の体験を身振り手振り、身体を大きく使って屈託なく語り、笑う。その底抜けの明るさにぐいぐい引き込まれていったことを今でも覚えています。

 

野村さんのお父様は、「何事も体験させる!」を信条にしていたそうで、「体験だけをつぎ込んでいったらどういう子になるんだろう?」と思い、末っ子の哲也さんをまさに実験台にして、とにかくありとあらゆることを体験させていったそうです。

野村さんはこのお父様の方針で10歳から一人旅を始め、18歳になる頃には、47都道府県は全部旅をしつくしたと言います。ですから18歳になった野村さんの目線は、もう日本ではなく、当然世界に向けられていました。

 

そんな子供時代を過ごした野村さんは、大人になりプロの写真家となった今も、世界各地で、いろいろな人との出会いとともに、たくさんの体験を重ねています。
連載「地球を歩く」では、そうした野村さんの旅先での出会いと体験を、写真とともに綴ってくだっています。

 

197号 野村哲也連載

 

最新号197号では、そんな野村さんが、ある大企業の「あなたの夢をかなえます」という企画に当選した若者の夢をかなえるツアーに、企業に依頼されて、撮影を教えながら同行している様子が描かれています。

かつての自分と同じように夢をいだいた若者とともに、南米ボリビアの写真ツアーを満喫するその興奮と感動がいきいきと伝わってきます。

野村さんはインタビュー(179号)でこんなふうに語っていました。

「人が変わる時は、必ず一つのことが働いていると思っています。

“感動”です。
“感動”が人を変えるのです。

僕の写真がそのきっかけのひとつになればいなと思っています。」

 

今回の記事は、まさにその感動を若者と共有した旅の軌跡が綴られています。

 

[道197号]