『新装版 武産合気道』 第1巻・第2巻をKindle版で出版しました

ご好評につき、完売から長く品切れとなっておりました斉藤守弘著 『新装版 武産合気道』 第1巻・第2巻を、このたびアマゾンの電子書籍「キンドル版」として出版いたしました。

Kindle端末のほか、パソコン、タブレット、スマートフォンで購入・閲覧ができます。
下記のリンクからご覧くださいませ。

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【Kindle版】
新装版 武産合気道 第1巻: 基本技術編
1,250円











キンドル版表紙第2巻
【Kindle版】
新装版 武産合気道 第2巻: 呼吸投げ・武器取り・二人取り編
1,250円













『新装版 武産合気道』 刊行にあたって

合気道史家・合気道ジャーナル編集長 スタンレー・プラニン


 合気道は、いまや世界主要国の文化の一つに組み込まれ、当然ながらさまざまな合気道解釈がなされています。合気道の起源に関する知識がないと、開祖植芝盛平が創始し、広めた本来の合気道を正しく見分けることはむずかしいと言えるかもしれません。
 開祖は戦後、茨城県岩間町で完成した武道を「武産合気道」と命名しました。この岩間の地で開祖に23年間つかえ、薫陶を受けられた斉藤守弘師範こそ、「武産合気道」を全世界に伝えるにふさわしい方であると私は思います。
 開祖が伝授された技の数々は日本の文化遺産といっても過言ではなく、この武道を開祖の理念に沿いながら広め、忠実に護っていく任にあたられた斉藤師範は、開祖の存命中は言うに及ばず、開祖亡き後も植芝家に献身的につくされ、また、いまや世界中の合気道家のメッカとなった茨城県岩間の合気神社を長年守護されてきました。

 本書『新装版 武産合気道』は、斉藤守弘師範の生前に編纂された『武産合気道 全五巻』を二分冊にまとめたものです。
 第一巻の基本技術編で、岩間スタイル合気道の基本技のうち相当数の技が収められています。合気道で最も重要な基本技である一教から四教までと、開祖植芝盛平の合気道の真髄である、四方投げ、小手返し、入り身投げ、さらに回転投げ、腰投げ、天地投げ、十字投げなどをとりあげ、これらの数多くの技と、その変化技を詳しく掲載しました。
 一教から四教については、これほどの技数と詳しい解説を提供したものは、本書が初めてだと思います。二教や三教については、いまはほとんど見られなくなった変化技も紹介しています。これらの技には、開祖植芝盛平翁が第二次世界大戦後、岩間での厳しい修行・練磨の結果修得された合気道が色濃く反映されています。

 現在までに相当数の合気道技術書が出版されていますので、この「武産合気道」技術書刊行に際しては、一つひとつを丁寧に、体術から武器技までの合気道技をできるだけ詳しく紹介できるよう心掛けました。具体的には、詳細な写真に加え、それぞれに段階を追った詳しい解説をつけたものとなっています。さらに、昭和13年に出版された開祖の技術書『武道』や昭和10年に野間道場で収録された開祖の演武写真を随所に加え、解説する技の重要ポイントを強調しています。

 なお、斉藤師範による技解説には、開祖の口伝が多く盛り込まれており、本書においては、この口伝および開祖の技術書『武道』からの引用箇所は、太字にして強調しています。

 以上、本書作成には完全を期すように努力いたしました。本書が合気道稽古生および指導者の方々にとり複雑かつ広大な合気道技を理解する一助となり、開祖植芝盛平の非凡さの再認識につながれば幸いです。
 この本で紹介されている多くの技を順序立てて演武してくださった、斉藤仁弘師範(岩間神信合氣修練会)に感謝を申し上げます。また、受けとしてご協力をいただいた、斉藤先生の熱心な弟子の方々にも御礼申し上げます。

2010年1月 ラスベガスにて
  (本書より)