宇城憲治氏 空手書の決定版2冊の発行について
どう出版 編集部より
この度、宇城憲治氏の空手書3冊『武道の原点』(2000年刊)、『武術空手の知と実践』(2001年刊)、『武術空手への道』(2003年刊)の3冊を、再編集の上ひとつにまとめ、宇城氏に新たに詳しく加筆、推敲いただいた「宇城空手」の決定版『武術空手の実践哲学 宇城空手』を発刊することとなりました。
この3冊は発刊当初から、あらゆる流儀・会派の空手道修業者のみでなく、他武道の修業者や武道の経験のない一般の方々にも熱心に読まれてきましたが、それは、その内容が、一流儀・会派の内容にとどまらず、本来の武術とは何か、師とは何か、修業とは何かという武術修業の本質を一貫して伝えるものだからであり、
加えて、そこには何より、企業トップとして、またエレクトロニクス分野における最先端の技術者として、第一線で活躍してきた宇城氏の、幅広い経験と視野からくる日常のあり方、人としてのあり方、リーダーとしてのあり方、ひいては人間どう生きるべきかにつながる人生における「実践哲学」が貫かれているからです。
すでに3冊の内の2冊『武術空手の知と実践』『武術空手への道』は在庫切れで、これらの増刷は難しい状況にあるなか、以前よりずっと心に温めていた、3冊を一つにまとめて、宇城氏の武術からくる実践哲学を「人生の指南書として残していきたい」という思いが強くなり、今回、氏のご承諾をいただき、発刊を目指すこととなりました。
宇城氏は、宇城空手の「決定版」発刊にあたり、本当に丹念に、そして思いを込めて推敲をしてくださいました。
まさに現在の宇城氏の「気」の指導につながる原点が「ここにあり!」と断言できる本であり、氏の生き方そのものが本書に映し出されています。
新たに執筆していただいた「それからの宇城空手」(第七章)には、未来を含めた武術の実践哲学の意味が説かれています。
空手修業者にはもちろんのこと、空手をしておられない方もぜひ、人生の指南書として手元に置き、日々に活かしていただきたいと願っています。
さらに、この『武術の実践哲学 宇城空手』と同時に発刊を目指している本があります。それは、宇城氏と、氏の空手の師匠である座波仁吉先生との座談録です。
題して
『空手談義 型は美しく技は心で ― 座波仁吉・宇城憲治 ― 座談録』です。
この座談録は同じく上記3冊に掲載された、座波仁吉先生と宇城憲治氏との座談録を一つにまとめたものです。
取材は1993年から2002年までの6回にわたって行なわれたもので、初回は座波先生78歳、宇城氏44歳、最後の座談会では座波先生88歳、宇城氏53歳と、実に10年近い歳月のなかで、その時々の空手への熱い思いを語り合っていただいた、歴史的にも大変貴重な記録です。
今、通して読んでみますと、そこには、全くゆらぐことのない宇城氏と座波先生との師弟間の深い愛情と信頼が伝わってきます。
と同時に、空手の歴史、沖縄の歴史、武術空手とは、師に学ぶとは、弟子を育てるとは、ひいては人間としてどうあるべきか等々、空手にとどまらない、人間としての生き方、あり方への、多くの示唆に富む内容が展開されています。
グラビアページには座波先生と宇城氏との貴重な記録写真を掲載しています。また、本文中にも、これまでに発表されたことのない写真をちりばめました。
本書は、『武術の実践哲学 宇城空手』とあわせて、武道・武術だけでなく、すべての学びに通じる貴重な人生の指南書となっています。
発売は2020年6月末です。