季刊 『道』 No.158 2008年秋号 (1,200円) [購入する] [読者の声]
日本再生のエネルギー
日本人が救われるには、日本人が誇りを持つ以外ありません。
[特集] 日本の自信と誇り「気」
宇城憲治師範の「気づく、気づかせる」 コロラド編
「人間が変わる、人間を変える、それが気の存在です。
自分のなかの気の存在がわかれば、
たったひとりでもやる、というエネルギーがわいてくる。
気は、不可を可とする実践性と同時に、思考の深さを創造します。
そこからスピードが生まれ、先が読めてくる。
平和の問題にしても、何が課題か見えてくるのです。」
「気」で「できる」を体験させる革命的指導法を各地で展開している宇城憲治師範。師範に接した人は、驚くほど急激に変化していきます。
変わる人は変わる、変わる人を変えていく ――
国境を越え、武術の原点「気」の真価を問うた、宇城師範の一週間を追いました。
[対談] 命の森の再生に生涯をかけて(前編)
日本熊森協会会長 森山まり子 VS UK実践塾代表 宇城憲治
やめたいと思ったことは一回もありません。
なぜなら深く決意をしているからです。
私たちしかいない。やろう。生涯かけてやろう。
もうすべてをかけよう。
困難が来たら、それはもう乗り越える対象でしかないわけです。 (森山)
人工林がいきすぎ、日本の森が急速に滅びている。
餌場を失った熊、猿、鹿などの野生動物たちが、ぞくぞくと里におり、有害獣として撃ち殺され、絶滅の危機に瀕している ――
中学の理科教師だった森山さんが、野生動物たちを絶滅から救おうと教え子たちと立ち上がって17年、その貫いてきた信念は、人を奮い立たさずにはおれない情熱に溢れていました。
今号と次号の2回にわけてお届けします。
もりやま まりこ
1948 年兵庫県尼崎市生まれ。1992年、尼崎市立武庫東中学校で理科教師をしている時に、兵庫県のツキノワグマが絶滅の危機に瀕していることを知り、生徒たちとともに保護活動に立ち上がる。日本熊森協会会長。
[会見] 人間をつくる食の力
教育・食育アドバイザー 大塚 貢
子供には、美しいものを大事にしたり、
命あるものを育むということを
身体を通していかに学んでいくか、
そういう教育がなされなければなりません。
校長として赴任した時は荒れに荒れていた中学校を、授業改善、米飯給食、花づくりの三本柱で、落ち着きのある活気に満ち溢れた学校に変えてしまった大塚貢先生。
その後、教育長としても取り組みを続け、目覚しい成果をあげてこられました。
徹底した調査と事実に裏打ちされたお話は、今、私たちをとりまく食の問題に正面から向き合わせ、同時に子供たちをはじめ人間の可能性を浮き彫りにしてくれるものでした。
[会見] 一隅を照らす
野田和樽職人 玉ノ井芳雄 取材 平田寛之(UK実践塾)
東武鉄道野田線にある野田市駅を降りると大豆のいい香りがします。
醤油会社の企業城下町として栄えたこの町には、全盛期で千五百人もの樽職人がいたそうです。
その伝統を受け継ぎ創作工芸までその技を昇華させた玉ノ井芳雄さん。
その樽職人としての人生についてお話を伺いました。
たまのい よしお
大正十五年 樽屋の子として生まれる。昭和十五年 野田小学校高等科卒業後、四月から家業に就く。現在、八十三歳にしてなお伝統の技を生かして創作工芸作品を作り続けている。
■躾の復活が日本を救う
― 宇城『道』塾 特別企画 ― 親子『道』塾 開催
【連 載】
■生き抜くための稽古
料理家 辰巳芳子
「自国の風土を知り、守る」
■剣と生きる
剣道範士八段 井上義彦
「自省自戒 ―― 高齢化社会」
■薬物依存症――子供たちと共に生きる
茨城ダルク代表 岩井喜代仁
「一つひとつ自分で気づいていく。その気づくことが“回復”なんです」
■あくなき向上心に学ぶ
なぎなた範士 澤田花江
「本物になるためには、自分で求めなくてはならない」
■伝承のともしび
合氣道スクールズオブ植芝主宰 アメリカフロリダ在住 五月女貢
「合氣苑における合氣道開祖との日々」
・木暮浩明 「うつくし、日本」 武道の日常効果
・佐々木望鳳馨 「先哲の教え」 古典『大学』
・井上強一「基本を守る」 楷書、行書、草書
・佐々木の将人 「なるほど」 八たの鏡と日本武道館
・野中日文 「思想としての剣」 「品格」の勝負
・黒田鉄山 「伝書に守られて」 切り離せない武道と日常生活
【NEWS トピックス】
・上総掘りを体験して 文・脇 紀彦
商品情報: dou158, A4判 84頁