野口勲さん「命をつなげないタネが世界で増え続けている!」― 197号
最新号197号で取材させていただいた野口のタネの野口勲氏が発信されていることは、今の日本のメディアからは知ることができません。
今、日本の野菜の多くが、子孫を残せないタネ、すなわち「雄性不稔」(ゆうせいふねん)のタネに変わりつつあるのだそうです。
「雄性不稔」とは、男性機能を失った植物のことを言います。
動物では無精子症と言い、植物では雄性不稔と言う男性機能を失う現象は、動物でも植物でも、細胞の中にあるミトコンドリア遺伝子の一部が異常になることによって起きると言います。
しかもこの、ミトコンドリア遺伝子の異常は、母系遺伝によってすべての子に遺伝していくのだそうです!
固定種の大根のタネはびっしりとついているが(右)、F1種はまったくと言っていいほどついていない(右)
だから、今、世界中で命をつなげないタネが、増え続けているのです。
私たち編集部も、野口勲氏に2年前の186号で取材するまでは、「雄性不稔」だとか「F1種」「固定種」などといった用語など、それまで耳にしたこともなかったですし、そもそも、日本の野菜がそんなことになっているなど知りもしませんでした。
2年前のインタビュー記事への読者からの反響は大きく、私たちもその後の状況が大変気になったので、今回、あらためて野口氏に取材させていただいた次第です。
やはり、状況はどんどん悪くなる一方だそうです。
命に直結する事柄でありながら、一般の私たちはほとんどその状況を知りません。
せめて、状況を正しく知った上で、自分の判断でどうすればよいかを考える材料を読者に提供したい、そう願っての取材でした。
2年前の186号と合わせて読んでいただければ、野口勲氏の生き様とともに、「知らなかった」ではすまされない、“情報”という選択肢を手にすることができます。
是非ご一読をおすすめします!