■ 読者の声
今をこれからをしっかりと歩んでいきます 大阪 介護福祉士 57歳 男性
今の子供はかわいそう、ではなく今の大人(親)が悪いのであって、学校の先生も一生懸命やっている。昔のように虫を捕まえたり、ナメクジに塩をかけたりすることはないでしょうし(私は塩をかけました) 。
今になって初めて聞いたことや、知らないことを教えて頂きました。
私も小さい頃はあのように純粋な子供だったのかな?今は健常病にしっかりとかっかています。部分体ではなく、統一体、対立ではなく調和。自分が変われば周りが変わるの思いで今をこれからをしっかりと歩んでいきます。
本当の説得力で伝わってきます 福島 団体職員 30代 男性
無着成恭先生の『おっぱい教育論』を読ませて頂きました。
一言で言って、これを教育に関わるすべての方に熟読して頂きたいと感じました。特に、文科省や教育委員会など、国の教育方針を決める立場にある方は特に、熟読し、今の子供達、学校の問題が何所からきているのか、それを充分に勉強して頂きたいと思います。
無着成恭さんのお言葉が文章になっても、その子供達に真摯に接してこられたという経験、人生、実力から、本当の説得力というものが出てこられ、それが、こちらに伝わってきます。
お母さんの出産後の母乳の話、免疫の話などは読んでいて何か身体で納得するというか、とても不思議と腑に落ちる感じがしました。おそらく、真実だからだと思います。それが粉ミルクというものでも要は商業(お金)の為に、歪められてしまっているのだと思います。
結果、本にもあるように、免疫力が弱かったり、集中力の無い子供に育ってしまうのだと思います。この国の制度が、そのようにさせてしまっている、子供達を守り切れていないのだと思います。
人間を支えてきたのは競争を原理とした点数主義でもなければもうけ主義でもないという事、エリートコースにのっかった人間は非常によくできるけど、自分のやっていることが、日本民族にどう影響を与えるかということが、わかっていないのです。というくだりなど、まさに今の日本政府、俗にいう社会的地位の高いといわれる人間達に噛み締めて頂きたいと、本当にそう思います。
今の日本は子供達にとってはどのように見えているのでしょう。
強い衝撃を受けた一冊 福島 公務員 40代 男性
「これが本当に38年も前に行われた講演会録なのか!」と強い衝撃を受けた一冊でした。
読み進める中で、お話の内容が現代社会の抱える様々な問題と重なることばかりで、まったく古臭く感じないことから、最近行われた講演ではないのかと幾度も錯覚してしまいました。古臭く感じないということは、時代の推移の中で、社会構造や文化、人々の生活が変化しても情報が劣化しないで伝わってくる、それは、人という生命の理、人が生かされている自然の摂理に近いお話だからではないかと強く思いました。
無着先生は、胎内での生命誕生の神秘、母乳の重要性、授乳を通しての赤ちゃんの精神的・肉体的成長、そして文明の発展と自然の摂理からの乖離する人類の生命体としての危機に至るまで、わかりやすくお話しされております。読んでいて、まるで自分が講演会の会場にいるかのように引き込まれてしまいました。
母乳の重要性の点では、私も粉ミルクで育ったので、小さな頃からアレルギーが多くすぐ熱を出していたこと、様々な病気をしたことを思い出しました。また、大人になってからも、地区の活動などで高齢の方々と一緒に作業をしていると、若いはずの我々の方が肉体的にも精神的にもスタミナがないことを実感しました。そして、我々の年代に子どもが出来にくい体質の方が多い事実も、こういった背景があるのではないかと感じました。
世の中は、特にマスコミは、一つの特徴的な事象を取り上げて、これが全ての元凶だと、複雑な構造をシンプル化し、大衆にわかりやすく伝え、世論を盛り上げようとします。そこには根本的改善ではなく、目の前の対処しか考えていない姿勢がありありと見て取れます。また、大衆もこういった与えられる世論操作に慣れてしまったのか、麻痺しているのか、かつては熱しやすく冷めやすいだったのが、ここ最近は熱しもしないという状況に陥っています。
こういった世の中だからこそ、人知を超えた自然の摂理の中で生きる人間の生命の意味を、様々な身近な事象をもって説いていただける無着先生のような方は人類の宝だと思います。もしかすると、こういった方が昔はもっともっと多くおられたのかもしれません。しかし、科学の進歩とともに、全体ではなく部分の解析を追究し、本質を失った学問ばかりが重要視され、その空論を操る学者が、その席を奪ってしまったのではないかと思います。だから、学校の教育はペーパーテストができる子ばかりを育成し、考える力を醸成しようとしない。その結果、子どもたちが実社会に出た時、実践に対応できず、職を転々とする、引きこもりになる。この日本では本当の意味での教育、人間を育てる教育が行われていない。そう強く感じます。
この状況を一朝一夕で変化させることは不可能です。このままでは、人はどんどん力を失い、人の世界の終焉も近いのではないかと希望を失いそうになります。しかし、人類が滅亡したとしても、自然の営みは延々と続いて行きます。ならば、人がこの自然の中で生きている、生かされている意味を謙虚に考えるべきなのだと思いました。そして、より良く生きる方法を考える、その方法を「教育」にする。こういった素晴らしい本を読んで学ぶこと、自分の家族に伝えること、家族の中で実践すること、そして、その輪を地域や職場にも少しずつ広げていくことが、草の根ではありますが、ボトムアップで世の中を変えていく方法ではないかと思いました。
素晴らしい本をありがとうございました。