宇城憲治師直伝「調和」の身体論
武術に学ぶスポーツ進化論
四六判並製 200頁
定価(本体1,600円+税)
ISBN: 978-4-910001-49-4
2024年12月4日発売
〈 スポーツ人必読の書 〉
岡田武史監督(サッカー)、小久保裕紀選手、緒方孝市選手(野球)、北島康介選手、古賀淳也選手(水泳)躍進の影に、宇城憲治師の指導があった。現場に立ち合い、選手たちの劇的変化を目撃してきたスポーツライターが明かす、宇城師の実践指導と哲学。
昨今のスポーツにまつわる事故や不正、
「スポーツマンシップ」を唱えるにもかかわらず、首を傾げるような事態がスポーツの現場で起こっている。
スポーツは本当に人生を豊かにするのか。
子どもたちの身心への影響は……?
そこに、長く武術家・宇城憲治師に学んできたスポーツライター・作家の小林信也が一石を投じる。
長年、スポーツの素晴らしさだけでなく、不祥事や金銭トラブルといった実態など、その表裏両面を、スポーツを愛する一人としてまっすぐ見つめ、発信してきた小林氏が、武術家宇城憲治師に学ぶ「調和」の身体論をベースに、
目先の勝負よりも、人間形成につながるスポーツとの向き合い方、
より進化したスポーツのあり方を語る。
スポーツを愛する人にこそ読んでいただきたい一冊。
目 次
はじめに
【第一章】スポーツに「基準」はあるか
いつでも戻れる原点の大切さ
キャッチボールの「基本」とは何か
胸のライトを照らす
質の違う力の発動
投げる前に、ボールを持って走る
スポーツ空手の課題
瞬発力の実体
構えた位置からインパクトまでの瞬間移動
パワーの源泉はエネルギーだ
一度調子を崩したら、元に戻れない
基準がないから「依存症」が生まれる
「フィード・フォワード」にしか意味はない
[宇城憲治師語録] 未来は「今」の中にある
【第二章】内面を変える
目に見えない力こそ魅力的な潜在力だ
欧米スポーツ科学への憧れと疑問
宇城憲治師範との出会い
「内面を変える、腕が伸び縮みする」
「遅い動きのほうが速い」不思議
身体の重さが瞬時に変わる
人間の取り扱い説明書
人の肌はくっつく
普段の生活とスポーツがつながる
人には「目に見えない力」が宿っている
アメリカが畏れた日本人の神秘的な力
【第三章】心が人を動かす
行動の根源にある深層無意識の領域
人を動かすエンジンはどこにあるのか?
エネルギーは「心のあり方」で満たされる
頭の命令で動くのは「遅いし、弱い」
「自転車に乗る」という次元
危険を察知して回避するメカニズム
誰もが持つ「深層無意識」の領域
柔道の受け身は「有名無実」
「考える悪い癖」は現代人の病気
「鏡を見て素振りをしても意味がない」
アインシュタインが予言した《愛》の力
[宇城憲治師語録] 心の発動
【第四章】身体をひとつにする「身体脳」
地球と「調和」する発想
「人間の筋力」より「地球の重力」のほうが強大だ
サンチンの型で地球とつながる
バットの芯に心技体のエネルギーが結集する
眼が生きる
故障の危険も軽減する
「入る・入られる」という次元
部分体から統一体へ
身体知による記憶
ユング心理学における「健康」と「病気」の概念
[宇城憲治師語録] 未来を変える統一体
【第五章】絶対と相対を知る
真剣勝負から生まれた心技体の体系
武術は絶対、スポーツは相対
「ゆっくり手をかいたほうが速い」北島康介の実感
日常生活にある「絶対」の境地
絶対の稽古から生まれた「気」のエネルギー
「高い山」に登る
いま登っている山を「すぐ下りる」勇気
宇城師の《気》は《量子力学》の体現
5次元の世界と往来できる唯一のエネルギーが重力
[宇城憲治師語録]細胞に聞け
【第六章】熱狂に踊らされる日本人
勝利至上主義と商業主義に翻弄される病弊
「すごさ」で人を惹きつけてはいけない
熱狂は歓迎すべき現象なのか?
言葉を失ったパリ五輪の出来事
何のためにスポーツをするのか?
物言わぬ「幻の金メダリスト」
感動は人を動かすが、やり遂げる力にはならない
日本社会が希望ある変化を遂げるために
【第七章】「戦わずして勝つ」 文・宇城憲治
武術が平和に貢献する道
他尊自信
先を取る
「戦わずして勝つ」の根源「真心」
【エピローグ】スポーツの目的は何か
勝ち負けの先にある喜び
「平和を実現する力」
アインシュタインからの伝言
著者プロフィール
◎ 小林信也 (こばやし のぶや)
作家・スポーツライター。1956年新潟県長岡市生まれ。慶応義塾大学法学部卒。高校では野球部の投手、新潟県大会優勝。大学ではフリスビーの国際大会で活躍。大学3年の時、『ポパイ』誌スタッフライターとなり、卒業後は『ナンバー』誌のスタッフを経てフリーランスのスポーツライターに。2000年、宇城憲治先生と出会い師事。著書に『長嶋茂雄 夢をかなえたホームラン』『高校野球が危ない!』『子どもにスポーツをさせるな』『宇城憲治師に学ぶ 心技体の鍛え方』など多数。
◎ 宇城憲治 (うしろ けんじ)
㈱UK実践塾 代表取締役
宇城塾総本部道場 創心館館長
潜在能力開発研究所 所長
創心館空手道 範士九段
全剣連居合道 教士七段(無双直伝英信流)
1949年 宮崎県小林市生まれ。
エレクトロニクス分野の技術者として、ビデオ機器はじめ衛星携帯電話などの電源や数々の新技術開発に携わり、数多くの特許を取得。また、経営者としても国内外のビジネス界第一線で活躍。一方で、厳しい武道修業に専念し、まさに文武両道の日々を送る。
現在は徹底した文武両道の生き様と武術の究極「気」によって人々の潜在力を開発する指導に専念。空手実践塾、宇城道塾、教師塾、各企業・学校講演、プロ・アマ スポーツ塾などで、「学ぶ・教える」から「気づく・気づかせる」の指導を展開中。著書・DVD多数。