読者の声| 季刊『道』 222号(2024年秋)
糸井さん言葉の表現がとてもユーモラスで面白く、対談の内容も相まって心が温かく元気になりました
鹿児島 男性
■宇城先生・糸井重里さん対談
対談の中での糸井さん言葉である「ブラックボックス」や「その人そのものを持ってこい」等の表現がとてもユーモラスで面白く、対談の内容も相まって心が温かく元気になりました。
特に「ブラックボックス」「間のところ」「プロセス」のお話を読んでいる時に、“生きるのが楽しいな”と感じられました。うまく言葉にできませんが“頑張って生きよう!”と前向きな気持ちになれました。
■広田奈津子監督インタビュー
私は東ティモールのことをほとんど知りませんでした。インドネシアが攻め込んだこと、そのインドネシアの軍事侵攻を支援していたのが日本であったことなど。外務省のHPを見ても日本がインドネシアを支援していたことについては書かれていませんでした。他にもネットで様々と検索をしてみてもなかなか情報が出てきません。
今回、広田監督のインタビューで初めて東ティモールで起こっていたことを知りました。このことは日本人がもっと深く知らなければならないことだと思います。これを機にもっと勉強したいと思いました。
■汐見稔幸先生インタビュー
汐見先生のインタビューを拝読し、主に1990年代に学生時代を過ごした私が受けてきた教育を思い返してみると、すべて見おいて“知る”までで終わってしまっていたと感じました。知ったその先の自分の意見や思考、そして行動に至るまでの力というか意思のようなものが抜け落ちているように思いました。小学校で環境問題について知るという授業があると、“知る”ことがメインになり、表面上では私たちに何ができるのかを考えさせられますが、最後に感想文を書いて終わった記憶があります。その後、どう行動したのか、どう実践したのかなどの発表する機会はなく、そこで終わりになってしまっていました。“行動”する方向に導いてもらえていなかったように感じます。(自分がダメだっただけかもしれませんが・・。)
やはり、子供たちが何かに興味を持ち、進んで学び行動することができる力を身につけられるように教育の仕組みを変えなければ、現状が変わらずにむしろ悪化して行くだけであると改めて感じました。
■愛の関わりと連携で、輝きを取り戻す子どもたち
農水省と環境省、そして文科省は同じ日本の組織であるにも関わらず、オーガニック給食が不登校や発達障害の問題解決につながるという情報が共有されていないのが不思議に思います。誰が、どんな人がそのつながりを遮断してしまっているのでしょうか。各自治体や国全体を動かすには、声を上げ続けなければならないと思います。次世代の子供たちのためにも、より良い環境・社会を残すために、勉強し続けたいと強く思います。
■塩から社会を見てみれば
現代医療(西洋医学)でも助かる命はとても多いし、お医者さんも人の命を救いたい、健康にしたいという想いを持っている方たちが多くいると思います。皆がオープンになり、志を共にする仲間として手を取り合い進歩する世の中になってほしいと願います。
■私たちは銀河のなかに生きている
夜空の写真を見ると、目にはていないけれども空にはこんなにも星があるのか・・・と驚かされます。ただ目にうつらないだけで、そこには存在している。大切なことを教えられている気がします。
■地球を歩く
ペルー旅のスタートから起こるトラブルに動じない野村さんの熟練の余裕が旅の仲間たちを安心させるのはもちろんのこと、トラブルがあっても信頼してついてきてくれる仲間との人間関係(信頼関係)を作っていることがとても素敵なことだと思いました。
マチュピチュの写真には圧倒されました。ぴっちりと左右対称になっていて、どうやったらこんなに美しく正確に作ることができるのだろうかとしみじみと考えてしまいます。古代の人たちはレベルが高かったのだなと感心します。
■きょうも、いい日
書道家として成功してすごいね。めでたしめでたし。では決してない現実。将来を見据えて決断されている姿がとても勉強になります。私もしっかりと現実の将来を見据えて決断をしていきたいと思いました。
遠いところに住んでいますが、機会があればぜひ喫茶店に訪れてみたいです。
■今日一日を生きる
依存症は本人だけではなく、家族も苦しめることになる。石井世津子さんの手記を拝読し、本人がなかなか回復に向かわなくても、家族が自分の生き方を取り戻すために家族会が如何に大切な場であるかがとても良く理解できたような気がします。「私は私で明るく幸せにいきていく。」という一文には、石井さんの優しさと強さを感じました。
■気づく、気づかせる
今回の『気づく、気づかせる』を拝読し、現在起こっているイスラエルによるガザ地区への進攻について思ったことがありました。イスラエルの進攻によってガザ地区の人々の多くが命を落としています。過去にナチスドイツの下で行われたユダヤ人迫害の歴史から、ユダヤの人々は大切なことを学ばなければならなかったのではないかと思えてなりません。ナチスが行った迫害のように残酷なことを繰り返してはいけないと学ばなければならなかったのではないかと。宇城先生の教えは、やられたらやり返すという負の連鎖を断ち切る次元の高い崇高な教えであると思います。宇城先生の教えを守り、勉強し、広げていくことこそ世の中を平和にする唯一の方法であると思います。
■日常の奇跡
自転車屋のご主人とのエピソードから、安藤さんが人とのつながりを大切にされていることがとても伝わってきました。様々な人、物、すべてに対しての感謝を感じる素敵な裏表紙でした。
以上です。
次号も楽しみにしております。
糸井氏の今後のますますの「ほらね」の活躍を期待し、楽しみにしたい
宮城 会社員 60代 男性
「巻頭対談 宇城憲治VS糸井重里」は、糸井氏の持ち味たる明るく柔らかい雰囲気が存分に出ていて、とても楽しく読めました。
社会のなかで企業のトップという同じ役割を演じてきているお二人が語られる中身は、豊富な経験からくる臨場感に溢れたやり取りだったと思います。「よく僕も『なんでそういうことをするんですか』、と質問されるのですが、『やりたいからやってるんじゃないですか』と(笑)。それにかなう答えはないんじゃないかなと思います」。これは理屈ではない、心から糸井さんが今の事業をやっていることを言葉で示しているように思えました。宇城先生の言葉に対しては、「『刀が刀を呼ぶ』話は本当だなと思うんです」という反応、あるいは、信じ込む自分の中に実は真実がある、に対する、「わかります。その“関係”なんですよね」というすぐの応答、これらは、現在進行形で、糸井氏が「刀」となって仲間をどんどん巻き込んでいるが故の言葉であり、また、曇りのない“関係”の経験が氏の中でどっしりと在ることを示しているようです。
「いつも途中、途中にいる気がしているのです」と。これはプロセスを楽しんでいるからこその言葉だと思いました。同時にそれは、「いろんなことをやっているのは『プロセスの中に生き生きしたものがあるかどうか』なんです」「やっている人間がまず一番楽しそうにみえるかどうかという時に、『やっぱりこっちだったんだよね』って言われてみたいじゃないですか。」として、楽しさや面白さを求める姿勢の中に、事業を「憎まれるくらいのところに育」てようとしている覚悟の思いが感じられました。
自分の中での糸井氏は、言葉を操るコピーライターとしてのイメージが強かったのですが、この対談を読んで、経営という現場においてその言葉通りの柔らかく、面白く、プロセスを楽しむ姿勢を、社長としてトップ自らが見せている実践の人、というイメージに変わりました。株主総会の楽しいエピソードは、その姿を象徴的に表しています。
「だから結局やってみせるしかないんですよね。『ほらね』っていうことの連続ですね。」「『ほらね』の積み重ねは面白いですよね」と言う姿は、宇城先生が今号に寄せた記事「気づく、気づかせる」の中での言葉、「実際やってみせているという実証は、多くの塾生たちにとって驚きそのもののようですが、やってみせる私からすると、それは楽しくもあり愉快でもあるのです」とそのまま重なるように思えました。
糸井氏の今後のますますの「ほらね」の活躍を期待し、楽しみにしたいと思います。
汐見さんのお話は誰もが身体でスッと感じる事の出来ることばかりで、これが実生活とはかけ離れてしまっている、それが今の日本の異常性だと思います
静岡 農業 40代 男性
今回の巻頭対談で糸井さんが入力と出力の間にあるブラックボックスが人間の塊だという事を言われていますが、そのような所に人間の可能性が秘められており、またそこが一番人間を成長させるものだと思いました。
宇城先生のシリコンバレーでの実績が無いからこそやる、というお話や、工場のラインで流れている製品を観ると昔やっていたな、という位に感じるくらいの技術開発のお話などはまさに糸井さんの言う人間の塊、可能性の幅のお話だと思いました。
広田さんのお話では、東ティモールの「私もあなたも分けられない」という感性が非常に印象に残っていて、それのような考え、精神性があるから、敵国のフィリピンの兵士とも対話が出来、人間として、自分と同じ人間として、会話する事が出来、それが軍隊を持たなくても独立する事が出来た事に繋がったのだと思いました。また日本語にも相手の事をおのれ、われ、という言葉で表したりという文化があったのだと。英語だと完全に相手と自分は切り離されており、これは人間を古典力学、固体力学、要素還元主義で捉えているという事であり、自分と相手を同じ存在としている文化は量子学的であると感じました。
まただからこそ、戦争という最大の衝突の中から、独立する事が出来たのだと思います。
友人のお話では相手兵士が怯えているだけだというものがありました。これも相手の心を理解する事が相手の安心となり、怯えが消えるのだと。それには山奥の村でのお話にあったように、こちらが誠実でなければならないと思います。
シャナナ大統領やアレックスが「平和の為に何が出来ますか」との問いに対して「貴方の社会を良くして下さい。」と言った事、それは自分の命がワクワクする事、魂が約束したような仕事をする、という事だと。それが巻頭対談の宇城先生と糸井さんの対話には溢れているのと感じました。周りの大人や社会が自分に求めている事と自分の命のワクワクが一致していれば良いのですが、そのような事はほとんど無いと思います。特に今の日本は自ら考える能力を失わせて、生きる活力までも奪う教育を行っていると感じます。それは自分の内側から沸き起こるものを打ち消し、結果、無関心にもなりますし、悲劇を助長する事に必ずなると思います。それを汐見さんのお話ではまさに言われていて、そこには自然の中で遊び、生きる事や、知識ではなく、行動する事、が語られています。そしてまさに子供達が「どうしてだろう」「不思議だなあ」と自分の中から沸き起こる事が育たない社会になっている、それが若者の自死に繋がっているのではと感じます。
汐見さんのお話は誰もが身体でスッと感じる事の出来ることばかりで、これが実生活とはかけ離れてしまっている、それが今の日本の異常性だと思います。
学歴、知識偏重で自然との繋がりを絶たれてしまい、社会で本当に必要となる非認知能力が育たない環境に置かれた子供達、そして我々大人は、何が正しい情報であるのか、何を信じればいいのかを感じ取る能力が無くなってしまっていると思います。
そのような日本社会で、『道』のように何を信じればいいのか。その指針となる情報を得られる本はありません。
今の社会からは外されてしまった子供達に自然と関わる真の人間としての教育、育つ環境を創り活動していく前島さんはまさに実践者であると思います。
今の日本では「減塩」などと健康を害するものの様に言われる「塩」の重要性を教えてくれる工藤さん、治療はまさにエネルギーである事、元素のエネルギーを体に取り入れる事で身体となり、そのエネルギーを高める事が健康回復の基本だというお言葉も、現代の日本の医療が薬漬けとなり、寿命は延びても寝たきりの人間が増えた事と関係があると思います。だからこそ監視員みたいな話になるのだと思います。
金澤翔子さんも喫茶店を始めるとの事で、これも本当に様々な人たちに対しての希望となる事だと思います。これもまさに実践だと思います。今、必要なのは幾万もの美辞麗句ではなく、金澤さんのような実践をして、自分の大切なものを守る力、エネルギーを身に付ける事だと思います。
今の常識、今の自分のレールに乗り人生の時間を進めていけば、日本、世界が混迷している中で、個人の低迷ぶりは目に余るものになると思います。日本の政治も腐り切り、その弊害が子供達をこれでもかと苦しめています。そこに目を向け、守る為に、そこを変える為に実践、行動する大人、人間、その活動、心を『道』は我々に届けてくれます。
対立や衝突、競争、破壊の古典物理学、ではなく、その先を取る、人間の真の可能性を発揮する事を「気づく、気づかせる」では語られており、フランクルの二種類の人間、品格のある人間がそうでない人間か、は自らもその品格のある人間になるには、気づき、学び、悟り、自らの人間としての可能性を追求し続けていくしかないと思いました。
お二人の話をお聞きしますと新しい物を作る事、できた達成感などとてもワクワクするという事が伝わってきます
福島 会社員 40代 男性
最初に宇城先生より、ほぼ日社員の方への言葉がすごいと思い、一社会人として自分を反省したいと思います。
糸井氏の入力と出力の間に人間というブラックボックスがあるというお話がとても面白いと感じました。
商品を作る過程において技術が設計・開発をし、それがベルトに流れ商品になる。
それを行うのは人であり、その人間性により、想像以上の物ができたり、ダメだったりと結果がでてくる。
また、その工程を行うのが人である以上感情や気持ちが必ずついてくる。宇城先生がたまにお話される『心を一つにする。』という事が規模が大きくなると、とても難しい事だと感じました。
お二人の話をお聞きしますと新しい物を作る事、できた達成感などとてもワクワクするという事が伝わってきます。
お話の中で出た製品の売上をあげる。という事もそうですが経費削減、マニュアル化など組織の上層部が管理をしやすい為にやる事はそのワクワク感を削っていくと感じます。
糸井さんの思いついた事をすぐに実行して形にしていく。その過程で予想外の面白さ、驚きが出てくる感じが文章から読み取る事ができました。自分は会社員としてしか社会を経験しておりませんので、感じとれない部分もありましたがワクワクを感じる事ができました。つまらないと思っていた日常の作業に面白さで満たせる生き方をしてみたいと思います。
素晴らしいお話をありがとうございました。
今号もエネルギーに満ち溢れた一冊
福島 公務員 50代 男性
今号もエネルギーに満ち溢れた一冊をありがとうございました。読み終えて本当に元気になりました。自分もこの世界のために行動しなければという気持ちが沸々と沸き上がってきます。
今号のテーマは「寄り添い、つながる力」
毎号驚かされるのは、巻頭対談からロングインタビュー、多くの連載がひとつのテーマでつながっていることです。
これは、実践者の方々の行動が「世界の理」に則っている現れだと思いますが、季刊『道』を読むことは、実践者の方々の生き様を自分に照らし合わせ、世界の理から乖離している己に気付かせてもらえる、そして真の幸せとは何か、そこに至るためにはどう行動すべきかを学ぶことができる、まさに人としての修行であると感じます。
読んでいて「人はそんなに苦しんで生きなくていいんだよ。つまらない欲を手放して、人に寄り添い、命を生み出してくれた自然と繋がれば幸せになれるんだよ。」そんな温かい愛に満ちたメッセージが伝わってきて、胸が震え、熱くなり、しがらみから解き放たれ心が軽くなります。これは季刊『道』という紙の本から私にエネルギーが伝わり、実生活における行動のエネルギーに変換されたということだと思います。糸井重里さんと宇城先生の対談でも、広田監督・汐見先生のロングインタビューでも、前島さん・工藤さん・佐々木さん・野村さん・金澤泰子さん・山元さん・岩井さん・宇城先生・安藤さんの連載でも、同じ言葉や異なる言葉で、人の持つ調和力、目に見えないつながり、そこから生み出される正のエネルギーについて語られています。このエネルギーは科学 では証明できないと思いますが、実践者の方々が自ら行動で示している「実践が先」であり、そのエネルギーを紙面から受け取った我々も今この時から実生活における生産性を高めていかなければならないと強く感じました。
自分も家族も、私に関わる多くの人々も幸せにしたい。そのために、己自身のエネルギー清く高く保ち、目に見えないつながりを大切にして日々行動したいと思います。
本当に素晴らしい一冊をありがとうございました。
次号も楽しみにしています。