20 11月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈広田奈津子 映画監督〉

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└◆ どう出版メルマガ  (2024年11月20日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 最新号『道』より―
◇  広田奈津子 映画監督

そして(アレックスは)
「そんなことより島を見せてあげるよ」と
いろいろ彼と島を回るうちに、
だんだん彼らの言葉を覚えていきました。

現地のテトゥン語という共通語では、
「あなた」のことを「イタ」と言い、
「私たち」のことも「イタ」と言います。

つまりあなたの子どもは
私たちの子どもというように見分けがない。

そして「あなたの過ちも私たちの過ち」
というようになっていく。

そういう言語感覚で生きている文化が
あることを知りました。

実際、ティモールの人たちはゲリラ戦を戦うのですが、
ゲリラ戦は土地を知っているからできることで、
隠れることが何より大事なのです。

でも、彼らはインドネシア兵を捕らえると、
ゲリラキャンプに連れてきて、兵士と対話をするのです。

そして無傷で帰していた。

それはすごくリスクがあることで、
その帰った兵士がゲリラキャンプの
場所を軍に教えれば、

山ごと焼かれるかもしれない危険な行為にもかかわらず、
それを続けた人々がいたのです。

(そういう活動を率いるリーダーが
いたのでしょうか)

私も最初カリスマがいて命令系統が
あったのかと思ったのですが、
調べるとどうも違うのです。

リーダーが現われては殺されていたし、
峠を超えれば違う言語だったり、
ちょっとずつ文化も風習も違っていて、
統一された運動ではなかったようです。

村で兵士を一人捕らえた、
「じゃあどうしようか」と3日3晩話し合いが行なわれて、
殺すのではなくて迎え入れようということを
それぞれの村が会議で決めていたようです。

一万岩ではないので、
いろいろなケースももちろんありますが、
多くの土地で聞いたのが、
敵兵と対話していくというものでした。

逆に言えば、それしか手段がなかった
とも言えると思います。

映画の中で大統領(シャナナ初代大統領 最後のリーダーで
独立の父とも言われた)も言っていましたが、
とにかく東ティモールには装備もない、武力もない。

まともに戦えないので
人に訴えていくという手段しかない。

時間はかかったけれども、次第に敵軍に味方が
増えていくという現象が起きていったのです。

そのベースにはやはり「私もあなたも分けられない」
という文化があったからだと思うのです。

これはティモールに限ったことではなく、
日本語でも相手のことを「おのれ」とか
「われ」とか言ったりしますよね。

北米や南米でも「あなたはもう一人の私です」
という挨拶があったりします。

ですから、「自他」が曖昧な文化というのは、
つい最近まで世界中にあったのではないかなと。

これはものすごく大きな
知恵でもあると思うのです。

なぜなら、そういった文化があったからこそ、
自分の家族を殺した相手や拷問した相手に対し、

一人の人間として対峙して
対話するということができたのだと。

ですから私の旅は、彼の歌の謎を
解いていく旅でもありました。



※次項もご覧ください!

*  *

「ねぇ仲間たち、ねぇ大人たち、
僕らの過ちを大地は知っているよ」

広田奈津子さんが23歳で初めて東ティモールに行った時、
素敵なメロディーに乗って聞こえてきたのが、
ある青年によるこの歌だった。

インドネシアから主権を取り戻すまでの24年間、
あらゆる攻撃・拷問にさらされ国民の3人に1人は
亡くなるという苦難を経た人々が言う「過ち」とは?

この歌が耳から離れなくなった広田さんは、その後
何度も現地を訪れ、人々と共に暮らし、
少しずつ言葉の本当の意味に触れていった。

深い悲しみを抱きながらも、誰かを排除するのではなく
「私とあなたは同じ」と伝えながら、明るくたくましく
生きる東ティモールの人々の姿を描きたいと映画制作を決意する。

広田さんの東ティモールの人々との出会いや想い、
現地の人や映画製作から得た様々な
「生きる」エネルギーについて語っていただいた。

<ロングインタビュー>
大丈夫! 湧き上がるものを信じて生きる
東ティモールの人たちが教えてくれたこと

季刊『道』222号
https://www.dou-shuppan.com/dou222-lp/
☆ 内容の一部をお読みいただけます。

◆◇ 季刊『道』に関わる映画を観る
◇  『カンタ!ティモール』〈11/27〉

季刊『道』222号のインタビューの一つ、
広田奈津子監督の『カンタ!ティモール』の上映会を行ないます。

広田監督の想いから生まれた出会いが導いた
運命の旅の記録。

「笑われた戦いだった」というほど
圧倒的武力格差のある相手と、
東ティモールの人々はどのように戦い、
占領から脱したのか。

取材に先立ち編集部で鑑賞いたしましたが
画面にあふれる子どもたちの笑顔・歓声とはうらはらに、
「戦争」の現実がまざまざと証言されています。

軸となる「青年アレックス」の歌をはじめ、
独立のために戦った市井の人々の言葉は重く、
真実、真理を語っています。

国は、誰でもない、
「私」が戦わなければ守られない。
しかもそれは武力に依らず、ということを
強烈に感じました。

ぜひ『道』のインタビューとともに、
この映画をご覧いただきたいです。

お申し込み、ご来場をお待ちしております。

●『カンタ!ティモール』上映会
2024年11月27日(水)
19:10~21:30(受付開始18:40)
町田市民ホール(第4会議室)

入場料:
『道』定期購読者  1,200円
一般(初回特別価格)1,200円
一般(2回目以降) 1,800円

詳細・お申し込み
https://www.dou-shuppan.com/movie_20241127/
電話 042-748-2423

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季刊『道』は
日本人の真の強さとその心の復活を願って発信する季刊誌です。
理屈抜きに「やってきた」方々の深みある人生や熱い思いが、
読者の皆さまの生きる原動力となることを願っています。

年4回発行
年間購読料: 5,000円(税込・送料無料)

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