【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈三上智恵 ジャーナリスト/映画監督〉
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└◆ どう出版メルマガ (2024年8月20日)
明日、『沖縄スパイ戦史』上映会です。
末尾をご覧ください。
◆◇ 今、届けたい言葉 ― 最新号『道』より―
◇ 三上智恵 ジャーナリスト/映画監督
私が映画を制作する究極の目的は、
「戦争を止めたい」ということなんです。
でもそれは簡単ではない。
たとえば左翼的な思考の人たちが
安倍さんを悪の権化のように言いますが、
安倍さんがいなくなっても安倍的な政治は全く変わらない。
そういう政治家を選び続けてきた有権者が
多いという事実が変わっていないからです。
今、国防の名の下に国民を新たな戦争に
引きずり込むようなリーダーたちが
この国を引っ張っているわけですが、
彼らを選び続けてきた日本人の意識の低さ、
民主主義への理解のなさ、その不断の努力のしなさ加減
というものが全部戦争を呼んでいるんだと思っています。
そこには、多数派でいたい、自分がいるグループが
「いじめられるグループではない」ということに
安心したいという集団心理が働いていると私は思っています。
逆に沖縄県民はいつも
多数派ではない側にいます。
『戦雲』のシーンで、
「多少の犠牲は仕方ないよね、の多少の中に
私たちは含まれているよね?」
と宮古島の女性が叫ぶ場面があります。
多数派には、多少の犠牲は仕方ないという
残酷な考えがあるんです。
それは群れの生き物だからです。
たとえば百頭の羊がいて、狼に囲まれて危機に陥った時、
一斉に逃げ、3頭の犠牲なら、97%が生き残ったのだから、
これで危機を脱したと考える。
でもそれは、その3、4頭に
自分は入らないという前提なんです。
群れの生き物である私たちはそういう
「多少の犠牲は仕方ない」という考え方から
絶対自由じゃない。
けれどもいつも同じ地域の人に
犠牲を負わせているとしたら、平等ではないし
民主主義は機能していない。
人として想像力があって情報収集力があるのに、
それをやるというのは悪ですよね。
だからそういう群れの生き物の思考の欠陥を
究極に突き詰めていかないとならないのです。
『沖縄スパイ戦史』で描いたように、
沖縄戦の末期には、敵から攻撃を受けたわけでも
餓死したわけでも、病死したわけでもなく、
自国の軍隊によって殺されるとか、
集落の人が同じ集落の人を殺すという
地獄が出現したのですが、
その末路に至る集団心理は
どのように生まれてくるのかが分からないと、
自民党を倒しても、アメリカを非難しても、
戦争の悲劇の再来は止められないんですよ。
だから、すごく大きなテーマに聞こえますが、
「なんで人間はいじめがやめられないのかな」というのと、
「なんで人間は戦争をやめられないのかな」というのとは、
全く一緒のことだと思うんですよ。
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軍事要塞化が加速する沖縄の現状を長きにわたって
取材してきた三上智恵監督は、12歳で初めて沖縄に訪れた時、
旧平和祈念資料館の展示資料に衝撃を受け、
この沖縄の歴史的事実を自分が伝えていかなければと思ったという。
アナウンサーとして、現在はフリーのジャーナリスト、映画監督として
ほとんどの本土メディアが伝えてこなかった沖縄の現状を
動画で記録し、抗っても抗っても強行され翻弄されていく、
その絶望でしかない生の記録を、
4本のドキュメンタリー映画にして伝えてきた。
そして今年、6年ぶりに5本目の『戦雲』の制作公開に踏み切った
三上監督。
映画には「戦争を止めるために一緒に走れる人が集まり直してほしい」
という熱い思いを込めた。
これまでに至る軌跡、そして映画制作への思いを語っていただいた。
<ロングインタビュー>
戦争に至る究極の道筋を突き詰めない限り、戦争は止められません
映画(ドキュメンタリー)に平和への思いを託して
季刊『道』221号
https://www.dou-shuppan.com/dou221-lp/
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◆◇ 季刊『道』に関わる映画を観る
◇ 映画上映会〈8/21〉『沖縄スパイ戦史』
前項、三上智恵監督インタビューでも触れられた
『沖縄スパイ戦史』の上映会を行ないます。
この映画は「国が戦場になったら私たちの身に何が起きるか」
を、包み隠さず伝えています。
「知らないうちに加害者になってしまう
怖さを知ってほしい」
という三上監督のメッセージを
受け取っていただきたいです。
●『沖縄スパイ戦史』上映会
2024年8月21日(水)
19:10~21:30(受付開始18:40)
町田市民ホール(第4会議室)
入場料:
『道』定期購読者 1,200円
一般(初回特別価格)1,200円
一般(2回目以降) 1,800円
詳細・お申し込み
https://www.dou-shuppan.com/movie_20240821/
電話 042-748-2423
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