2024年8月21日(水)、2回目となる季刊『道』にまつわる映画上映会を、町田市民ホール(東京都)にて開催いたしました。
今回の上映は、7月末発刊の『道』221号にインタビュー掲載させていただいた、映画監督・ジャーナリスト 三上智恵監督の『沖縄スパイ戦史』(共同監督 大矢英代)。
『道』購読者を中心に50名を超えるご来場をいただき、また『道』で毎号巻頭対談と連載をもってくださっている宇城憲治先生にも鑑賞いただきました。
戦争になれば、否応なく市民も戦争に巻き込まれ、被害者になるだけでなく加害者にもなっていく…… 先の戦争で沖縄で起きたことは昔話ではなく、今まさに私たちもその道を歩んでいるのではないか?……
体験者への膨大かつていねいなインタビューと取材・資料で編まれたドキュメンタリーに、そんな思いが湧き上がりました。
この映画制作への三上監督の想いは、『道』インタビューで語ってくださった通りです。
終了後、来場者に向けて宇城憲治先生がメッセージをくださいました。
―― この映画で描かれたことが今起きている。平和を求め、守り続けなければならない。それは思うだけではなく、行動に移さなければならない。まずは、活動し続ける三上監督にさらに元気になって発信を続けてもらえるように、皆さん感想を送りましょう――
以下に、参加者の感想をご紹介いたします。
●神奈川 公務員 50代 女性
体験された方やその子孫のつらさを少しでも共有できるように観ました。
なぜ戦争になるのか、また、繰り返されるのか?
一人の人間として何ができるか、考えさせられました。
●神奈川 公務員 50代 男性
これまで知られていなかった沖縄戦について知ることができ、とても勉強になりました。ありがとうございました。
●東京 看護助手 50代 女性
貴重な話を聞かせていただき、感謝です。
ていねいな取材で、しっかり伝えてくださっていると思いました。
体験された方の話を聞けるのは、本当に大切なことでした。
●東京 50代 女性
2011年の原発への国の対応を見て、幼い甥姪の健康が不安になり、沖縄へ2012年に移住しました。以前より沖縄や基地問題にも注目していたため、当時アナウンサーでありながら様々な問題を掘り下げて映像や映画にされることを周囲に語られていた三上さんとお話しする機会がありました。10年後に彼女の作品がこうして全国でつながれていることに光を感じます。
「平和は求め続けなければならない」と私も感じています。
ウクライナ、シリア、ガザ…… 戦争や内紛地域では『はだしのゲン』に力を得ている人が多いそうです。中沢先生が著作権を翻訳ボランティアに解放して下さっていることを、沖縄で上映されたドキュメンタリー映画後のお話し会で知りました。今、ギリシャの友人たちとギリシャ語翻訳をするという形で「平和をつなぐ、求める」ことを手伝っています。
前の席にいらした4人家族のぼうず頭の男の子たちのパパが、残忍なシーンでは必ず子どもたちを見ていらしたことが、今日心に残りました。
ありがとうございました。
●東京 自営業 70代 女性
人間という動物は、ほんとにしょうもない動物なのだと。
古代よりずーっと戦いつづけてきている。
今も世界でいくつもの戦いがある。このリーダーの多くは、と言うかほとんどが男社会の上で動いている。そろそろ女性がリーダーになればどうかと思う。
凄惨な事柄の連続だけれど、三上監督の語る音声の明瞭な響きに、事柄の問題の深さを思わされた。
●東京 主婦 70代 女性
事実を知らないことは罪だと思いました。
事実を知らないことはおごりだと気づきました。
悲しい現実を知りました。
私は、戦争への道を歩まないために、何を行動していけばよいのか考えます。
子どもたちを守らなくてはという思いが強いです。
●神奈川 パート 40代 女性
沖縄戦について全く無知だった事を痛感しました。
70年以上昔の事が形を変えてまた世界の中で同じ悲劇をくり返していると思うと胸がつまります。
このつらい気持ちを取材した制作の方々のご苦労に感謝します。
●東京 児童養護員 50代 女性
同じ国同士の人たちが探り合いをして、明日自分が差し出されるか、殺されるのは誰なのか、自分を差し出したのは誰か……
少年たちのご遺体と同じくらい恐ろしく、怖かったです。ずっと怖かったです。
ここでサラサラと書けない程です。
母は朝鮮戦争の中で生き抜きました。母を抱きしめようと思いました。大事な生き証人の母から、吐き出したい想いを、私が聞いて受け止め孫へ伝えます。
●静岡 農業 40代 男性
この映画には事実というエネルギーがありました。そのまま受け取るしかない、現実だと思います。自衛隊の考え方が、沖縄戦当時から変わっていない事に、今また自衛隊基地に配備が進んでいる先島諸島で同じ事が繰り返されるのは確信となりました。また、日本軍は沖縄で行われた民間人を利用した戦い方を本土でも同様に行おうとしていた事に戦争とはそういうものである事、民間人が敵にも自軍にも蹂躙され一番苦しむものである事を肌で感じる事が出来ました。
戦争に、なったら終わり、誰もが殺し、殺される状況、お互いにスパイではと疑心暗鬼、が日常になる事が戦争なのだと。その最前列には兵隊、その次が民間人、戦争すると決めた政治家や、軍の上層部は戦後ものうのうと生きているのだという事。最前列の兵隊だって民間人からの徴兵であり、またそれは、働き盛りで、これからの国の未来を担っていくはずの若い世代の男、そして学徒、少年兵、また女性までも。
戦争は民衆の敗北であり、生き残り、得をするのは政治家、権力者、軍部の一部。これをはっきりと理解しなければいけないと思います。
この「沖縄スパイ戦史」のようなものを平和教育で使わなければならない。国は戦争する、させる側であり、やろうとしないので我々民間が勉強しなければならないのだと。そうして賢い、戦争を国にさせない国民がいる事で、また良い国になっていくのだと強く思いました。
●神奈川 公務員 40代
東京実践塾で、宇城先生から教えを受けさせていただいている者です。
稽古の際に、沖縄スパイ戦史というリーフレットを受け取り、アメリカ兵と少年兵の写真が何故か気になり、普段はあまりドキュメンタリー映画を観に行くことはないのですが、これは観なければいけない気がしました。
全体を通しての感想は、とにかく、「戦争」が一番悪いのだと思いました。
少年や地元の方を国のために利用する、そのことに対して戦後も一言も詫びることもない人間、同じ地元の者を売る人間、人間の悲しい醜い部分ばかりが現れる。
しかし、どちらも言い分があり、一概にその行為を責めるわけにもいかない。
とにかく「戦争」という存在が悪であり、それを起こさせないことしかないと思いました。
この映画を観て、宇城先生が「勉強しなければならない。何事にも関心を持つこと。」とおっしゃっている意味が、やっとわかった気がしました。
無知は罪なり、無関心は罪なり、だと思いました。
この映画は沢山の人に観てもらうべきだと思います。
DVDを購入しましたので、私の知り合いや、子供にも観させようと思います。
貴重な機会をありがとうございました。
●埼玉 教員 40代 男性
映画の内容は、これまで全く知らなかったことばかりでした。
こんなことがあったのかと驚きました。
徹底した取材から多くの人の証言を取られていて、圧倒的な説得力がありました。
国や自衛隊は民衆を守るものではないこと、戦争は身内をも敵としてしまうこと、誰も幸せにしないこと、戦争が始まってからでは遅いことなど心の底から痛感しました。
1人ひとりの気付きは大切なことですが、気付いた者同士が繋がっていくことがもっと大事なことだと思います。 三上さんの映画を通してその輪が広がっていくことを願っています。
他の映画も観させていただきます。
●東京 会社役員 60代 男性
沖縄では戦争で住民も巻き込んで沢山の方々が亡くなり、アメリカ兵の捕虜になるのを恐れて民衆も自殺したり自決されたりした悲惨さは知っておりましたが、 この映画を見て、あどけない子供達が陸軍中野学校出身の青年将校から訓練を受けて、「護郷隊」としてゲリア活動やスパイ活動に駆り出された事。魔女狩りの如く、スパイ容疑者が密告され殺害された事。スパイ容疑者とはスパイではなく機密情報などに触れた情報漏洩を防ぐ為だけの口実で、無実の人達が沢山殺された事。一方的にマラリアが蔓延する場所に避難させられ、多くの住民がマラリアで亡くなられた事など、すべて実際に体験された人達の証言に基づいた事実であり、自分は全く知りませんでした。
軍は民衆を守らないばかりか、軍の都合で一方的に民衆をコントロールする事が事実であり、その様な体質については現在も何も変わっていないと言われている事がとても印象に残りました。
過去の事ではなく、現在進行形なのだと。
先日も台湾有事になった時の沖縄住民の避難経路や避難先の検討がされているというニュースも見ました。台湾有事になれば、日本はまた同じ事を繰り返すのでしょうか。
この映画を見て改めて一番感じた事は、戦争を決して起こしてはならないという事です。戦争は多くの罪もない人達の命を奪うだけでなく、生き残った人達にも深い傷を残してしまいます。今の日本の状況では、この国自体が立ち行かなる様な大きな被害を受け、場合によっては中国やロシアなどの属国となってしまうかもしれないです。
戦争が起こらない様に自分達が出来る事は、沖縄の事も政治や外交の事も無関心にならず、事実に目を背けない事が大切だと思います。関心を持ち勉強していきたいです。
●東京 会社役員 50代 男性
「沖縄スパイ戦史」を作られた三上智恵監督の信念に敬意を表します。
ここまでパワフルな映画を私は見たことがありません。わずか79年前の沖縄で
このような惨劇があったことに衝撃を受けました。このような事実を知らなか
った自分、知ろうとする行動を起こさなかった自分を恥じるばかりです。この
ような機会を与えてくれたどう出版の皆さまに感謝いたします。
私の叔父は陸軍士官学校を出て、戦争に行きました。30年程前に病気で亡くな
ったのですがある日、仏壇の奥に銀杯がありました。叔母に聞いたところ1991年
に日本政府からシベリア抑留者への銀杯の授与があったそうです。そこで初めて
叔父がシベリアで6年近く捕虜生活を送っていたことを知りました。叔父は大工
仕事、山登りなどなんでもできる素敵な叔父でした。小学校の時に毎年、夏休み
を叔父と過ごすことが楽しみでした。なんでも話してくれる叔父でしたが、
戦争のことは全く話してくれませんでした。シベリア抑留の話も、親戚の間で
も話すことはタブーだったようです。「食べ物が無くて食料品の倉庫に盗みに
入ったらロシア兵に捕まってひどい目にあった」、これが唯一、親戚が聞いた
戦争体験です。本当にたいへんだったことは思い出すことすら、つらかったの
だと思います。
三上監督が当事者の方々から悲惨な戦争体験を引き出されたことは、想像がで
きないほど困難だったと思います。三上監督の情熱で皆さんの心が開いたのだ
と思います。「沖縄スパイ戦史」を見たことをきっかけに、戦争のこと、沖縄
のことをもっと勉強します。この映画を見て「知らないことは罪」だと強く思
いました。日本の現状は、もう着物に火が付いている状況です。切羽詰まって
いる状況を直視して行動しないと手遅れになることをこの映画から教えていた
だきました。三上監督の元にはいろいろな圧力がかかっているとお聞きしてい
ます。いざというときには盾となる覚悟です。
「沖縄スパイ戦史」を見て改めて、映画の持つ無限の力を感じました。この映画
を見たすべての人が団結すればなんでもできる気がしました。
ありがとうございました。
●東京 教員 50代 女性
宇城先生のご紹介、どう出版のチラシで三上監督の「戦雲」を知り映画館に観に行きました。平和のために人生をかけて闘ってくれている沖縄に住む人々を知り感動しました。
今回の「沖縄スパイ戦史」は、1944年中野陸軍学校で学んだ軍人が国の命令とし沖縄の少年達を教育し戦争の道具とした恐ろしい真実を描いたドキュメンタリーで衝撃を受けました。
平和こそが大事で、戦争をして良いことは何も無いと知っているのに、何故戦争をするのか。命の大切さを知らない者はいないのに、何故戦争をするのか。歴史は繰り返される、いま既に有事で日本人は再び過ちを繰り返そうとしている。緊急事態条項の危険性もその一つである。食料難も目の前にある。
東京空襲や広島、長崎に原爆を落とされた日本人だから言える事や行動出来る事を今こそ実践にうつし、今度こそ子どもを守りたい。後悔しない人生にしなければと映画を観て感じました。
●神奈川 会社員 40代 男性
戦争の本や資料、映画などを、定期的に調べたりはしていたのですが、護郷隊の存在についてはこの度の三上監督の作品で初めて知りました。
映画では、護郷隊の発足前から解散までと、その周り全ての人に様ざまな不幸をもたらした事が大変にわかりやすく中立的、客観的に描かれていました。
また、戦後もその悲惨さは続き、再び同じ悲劇が日本で繰り返される可能性があることも教えていただきました。
友達の埋葬をひたすら繰り返す子供、友達の腕を遺骨として持ち帰る子供、家族の埋葬を頼みにいき断られる子供。
映画で描かれた悲惨さは、平和ボケした私たちからは想像を絶する光景でした。
映画を見て、近代から現代の戦争には戦時国際法など存在しない事を改めて感じました。
戦国時代の戦は、民間人のいない、関が原などの戦場で戦い、民間人には危害を与えないのが原則でした。
しかし、今の戦争は、民間人に対し、拉致、監禁、監視、殺害、戦争利用などを当然のように行なっています。
今のガザ紛争やウクライナ戦争でも、民間人を人間の盾として使い、当たり前のように民間人のいる学校や病院の地下に軍事施設を作っています。
近代までの戦も悲惨であり、民衆に多大な損害を出していたと思いますが、民間人を利用し、殺戮するほどの非人道的さは近代以降特にひどく感じます。
大本営が沖縄戦を決定した時点で、沖縄が民間人を巻き込む悲惨な状況になることは決定されたのだと思います。
大本営が米軍の上陸前に降伏していれば避けられたのかもしれませんが、原爆を落とすまでは日本の降伏を認めないようにアメリカが工作していたという説もあります。
映画では、中野学校の工作員は、沖縄だけではなく本土決戦に向け全国に派遣されていた、とありました。
映画「日本のいちばん長い日」にあるように、昭和天皇のご聖断が無ければ、間違いなく日本は本土決選に突入し、日本全土で『沖縄スパイ戦史』の悲劇が起こったと思うと戦慄します。
本土決戦を強く主張した阿南大臣は、ご聖断後、軍の暴発を止めるため自決しました。
映画を見て、指導者層の戦後の生き方は様ざまであると思いました。
特に対照的に感じたのが、村上治夫氏と山下虎雄氏です。
村上氏は戦後も隊員の弔いを続け、最後は慰霊碑の前で号泣した。
一方、山下氏は島民の証言とは全く違う話を平然とし、電話ごしに笑っていました。
以前、映画「陸軍中野学校」を見ました。
これは、フィクション作品ではありますが、村上氏のお話を聞いて、「陸軍中野学校」の主人公と重なるところがありました。
主人公の次郎は、一般的な人生を送り婚約者と結婚する予定でしたが、中野学校にスカウトされ、スパイ養成後に婚約者を自ら殺害します。
沖縄スパイ戦史のパンフレットを拝読すると、村上氏は中学校の生物教師になりたかったけれど、スパイにスカウトされて中野学校を卒業したとありました。
村上氏は様ざまな人から恨まれ、同じ日本人すら殺害したかもしれません。
しかし、村上氏が本来望んでいた人生は、沖縄で平和に暮らしていた人達と何も変わらなかったのだと思いました。
戦争が起これば、人が人を殺し、憎しみ合う地獄の惨状は決して避けられないのだと深く感じました。
戦争が起こってからでは手遅れです。必ず地獄の惨状が繰り返されます。
戦争を起こさないためにはひたすら勉強し、歴史の事実を頭に叩き込むしかないと思いました。
二度と戦争の悲劇を起こさないためには、戦争に至った経緯から、戦争の裏の裏まで全てを学ばなければならないと思います。
しかし、今の日本の教育は、「戦争反対」のスローガンだけを叩き込み、正確な現代史を教えません。
小中高学校の歴史の授業では、近代までの内容に比較し、戦争のあった現代史をごく簡単にしか教えません。
国や軍は国民を守らないことを映画を見て改めて痛感しました。
国は教育の責任も果たしていません。
『沖縄スパイ戦史』を見て、国民自らが勉強し、歴史を学び、自分と家族と仲間を守らなければならないことを強く感じました。
素晴らしい映画を作っていただき本当にありがとうございました。
三上監督のますますのご活躍をこれからも応援させていただきます。
●東京 教員 60代 男性
護郷隊の少年兵一人一人に寄り添うように制作された映像に、戦争の真実を伝える気迫を感じました。
ひめゆり学徒隊は知っていましたが、陸軍中野学校で養成された若者によって北部で組織された護郷隊や波照間島の平和な暮らしをマラリア地獄に変えた西表島への移住のことは全く知りませんでした。
「ヌーがヤーが生キトーが生キトーが」
今映像を思い起こしていて、彼らの若々しく躍動する姿(戦前の映像)と母親の愛しみの声が聞こえてきて、目頭が熱くなっています。
「桜咲く少年兵の笑顔かな」
山笑う季節に少年兵たちの魂を鎮める心のこもった名句だと思います。語り伝える永遠の映像を残していいただきました。
戦争は権力者が作り出し、彼らから遠いところの若者(差別)を死ぬまで戦わせるだけで国民の命を守るものではないこと。戦争が起こらないように日々権力者の動向に気をつけて生きること。戦争で亡くなった若者の無念を若い人にこの映像を通して永遠に伝えていくこと。
残念ながらもう始まっている、人工DNAワクチンによる健康ビジネス戦争、中国人移住による日本乗っ取り(超限戦、Chain becomes the world)の阻止に今は全力を注ぎます。
ありがとうございました。世の中のためにできることがひとつ増えました。
●東京 会社役員 40代 男性
先日映画館で見た「戦雲」に続き今回拝見した「沖縄スパイ戦史」は胸が引き裂かれそうな思いになりました。島の住民の人々がお互いを監視し合う。捕虜になると機密が明るみになるので、味方同士で殺していく。少年に弾薬を持たせて捕まるふりをして自爆攻撃させる。なんとも醜く酷い話であると背筋が凍りました。
インタビューの中で強烈な言葉がありました。「軍は、民衆を守らない。軍が守るのは基地と国と権力者。今の自衛隊も根っこは同じ」リアルな現実だと思います。そのことを踏まえて現実を直視しなければならないと思います。南西諸島の島々が軍事要塞化され、今日本は戦争の準備をしています。映像にもありましたが、今止めなければ再び悲惨な沖縄戦を繰り返してしまう。
私の父が宮古島出身、母が石垣島出身。親戚が多くほとんどが、島にいます。何が自分にできるだろうと繰り返し問いかけながら映画を見ていました。今年90代の父方の祖父が亡くなりました。生前、絶対に戦争はしてはいかんと何度も言っていたことを思い返しています。
今回の上映会を通じてこれからの人生の方向性がより明確になった気がします。ありがとうございました。
●東京 中学1年生 男子
自分と同じ年ぐらいの子供が銃を持って映っていたが、みんな眼が死んでいた。
軍はみんなを守ってくれないことかわかった。
●千葉 会社員 50代 男性
見ていて本当に胸が苦しくなる映画でした。
当時を振り返り淡々と話すお爺が「生まれて来なければ良かった」と絞り出す声に心が破れそうになり、途中何度も目頭を抑え、見終わってからしばらくは受けとめる思いが溢れて気持ちの整理がつきませんでした。少年や住民を戦争の道具とし、都合が悪くなれば処分する。
疑心暗鬼になり、自分を守る為に仲間を売る。
殺さなければ自分たちが殺される。あの時あの場にいれば誰でもそう考えたんだ。
恐ろしい狂気に巻き込まれていく戦争で、仲間を殺すのはアメリカでは無く、壊れていく私たちの「心」でした。
国も軍も国民を守らない。
いったい何の為に戦うのか。
思いがぐるぐる回ります。
アメリカに誘導され誰も責任を取らない政治とそれを容認する日本人。
目の前で起こっているカウントダウンに気づかないふりをすれば同じ道を進んでしまいます。「戦争は絶対起こしてはならない!」この映画でその思いを強くしました。
「命どぅ宝」という沖縄の言葉が様々な思いと共に突き刺さり、繰り返さぬ為に何が出来るのか考えさせられました。証言された皆さんと、辛い取材を続け映画として下さった三上監督、上映の機会を作っていただいたどう出版に感謝いたします。
本当にありがとうございました。
●東京 会社員 40代 女性
この度は、「沖縄スパイ戦史」上映会を開催いただき、
観る機会を与えてくださり、感謝申し上げます。
上映後、パンフレットも拝読いたしました。
映画を観た感覚を鮮明に再現できる内容になっていました。
今回の映画を観て、戦争はもう始まっていることが腑に落ちる感じがしました。
そして、国は我々を守ってくれるものではないことへの
後半に向けて、理解へ導いてくれる構造になっていて、それは深く入りました。
人は戦争というと過去、歴史のことで、
そこから学び、二度と起こさないように、と思っています。
しかし実際に起きたら、止められるのか。
もう始まっているのに、止められているのか。
止められないなら、止める気がないなら、もう始まっているんです。
映画の中の人たちのことは、他人事じゃない。
時間軸でも、過去や歴史ではなく、今起きている自分事ですし、
地理的にも、沖縄や離島も本土も別はないことです。
●東京 中学校教諭 20代 男性
三上監督の作品を通して自分がこれまで考えもしなかった戦争の新たな一面について学ぶことができました。
この映画を見るまで、戦争は相手となった国の兵士によって侵略や殺戮が行われるものとばかり思っていました。 しかし、戦況が悪化する中で、遊撃隊の編成や国民を戦争のコマの一部として利用する国の戦略として決められているなど自分の国で国民に対して行われることの方が問題なのではないかと感じました。
護郷隊という遊撃隊の編成のため動員された同郷の青少年たち。何色にも染まりやすい純粋な青少年を戦争に巻き込んで利用し、沖縄全体を戦争の足手纏いにならないよう管理することが計画的・組織的に行われたこと。 陸軍中野学校を卒業した青年が各地で黙々と与えられた任務をこなし、波照間島のように日本全国で戦争の準備が行われていたこと。 どれも今の自分には想像を絶することでしたが、一番残念なのは、過去の過ちを振り返らず、それを繰り返そうとしている国の現状があることです。
映像の中で、「戦争を生き残ったものとして伝える責任がある。」という言葉がとても印象に残っています。 今を生きる1人の人間として、過去について学び、同じ事を繰り返さないよう準備することが自分にできることだと思いました。
一人一人の一歩は決して大きくはないかもしれませんが、着実に前に進み続ければ、未来を変えられる大きな力になることを肝に銘じ、学び続けていきたいと思いました。
●東京 会社員 60代 男性
本当に衝撃的でショッキングな内容の映画でした。監督の三上智恵氏については、季刊『道』の記事で知り、著書の『戦雲』を拝読させていただく中で、戦時中の沖縄の実情や現在の先島諸島要塞化の状況など、今まで持っていた認識を覆される想いでしたが、今回の映画では、それ以上に戦争が人間を悪魔に変えてしまう現実をまざまざと見せつけられ、戦争とは本当に恐ろしいという実感を持ちました。
三上監督にあっては、これだけの当事者を掘り起こし、取材やインタビューを行い、また当時の膨大な資料を紐解くなど、数々の「事実」を積み重ねてドキュメンタリー映画としてまとめ上げた力は凄いことだと感銘を受けました。恐らく制作過程においては様々なご苦労があり、妨害などもあったのではと想像しております。
沖縄戦のさなか、年端もいかぬ少年達をゲリラ兵として養成し、様々な破壊工作を行わせたことを初めて知りました。しかもその多くが戦死し、その内幾人も同胞に殺されていたという事実には驚愕しました。また20数年前に波照間島を舞台にしたテレビドラマがあり、波照間島はのどかで平和な島というイメージを抱いておりましたが、戦時中に島民のほとんどが西表島に強制的に移住させられ、その多くがマラリアに罹って亡くなっていたという事実も今回初めて知りました。西表島はマラリアの巣であることが事前に分かっていながら島民の安全も顧みず移住を強制させていたこともショックでした。「私たちは何も事実を知らされていない」「いざとなったら国は国民を見捨てる」これが正直な実感でした。
国が事実を隠蔽捏造し、かつ国民を顧みないということは、今でもコロナワクチンの薬害や度重なる災害の復興支援状況など散見され、戦前の体質は全く変わっていないと思います。
最近の日本は、頻繁に米軍や西側諸国との共同訓練を行い、NATOの事務局を東京に置くなどしています。逆に周辺国にとっては、先島諸島の軍事基地化や共同訓練などは脅威でしかなく、一触即発の状況です。まさにウクライナ戦争前夜とそっくりです。さらに先月米軍と自衛隊の連携強化の名目で「統合司令部」の設置が決定しました。これは有事の際は自衛隊を先兵として扱うという米軍の意志の現れで、いよいよ有事の準備が整えられ非常にヤバい状況だと感じております。
なのでこの映画は、もっともっと多くの人に見てもらって戦争の本当の悲惨さや、私たちは有事の時は守ってもらえないことなど危機感を認識し、共有することが必要なのだとつくづく思いました。
●東京 グラフィックデザイナー 50代 男性
果たして自分はこの沖縄の密告する人の立場になった場合、そして陸軍中野学校から派遣されてきた密命を帯びて来た人間になった場合、こうせずにいられただろうかと身につまされました。
それを戒めてくれるのが宇城先生がおっしゃられるように気品気位なのだと思います。
しかし、それは今の自分には実力不足だと思いました。
戦争が始まってしまえば今の自分では抗うことはできないのではないかとも感じます。
だからこそ戦争は始まったら終わりなのです。
始まってからの対処ではなく、始まる前に終わらせておかなければ始まってしまっては遅いのです。
そのためにも自分に実力をつけること、先に動くことが大事だと気付かさせていただきました。
この時よりも今はもっときついことがもう起きていると宇城先生がおっしゃておられたように他人事ではなく自分はその真っ只中にいます。
自分の息子、そしてそれに続く子孫を守るためにも自分に動き出し、実力をつけなければいけないと痛感しております。
貴重な機会をいただきありがとうございました。
●60歳 女性
誰の為の何の為の戦争だったのか。自国を守る為、そして国民を守る為のものと考えていましたが、最後には国民の人々までも信じてもらう事がなかった。
これが『戦争』というものなのか、どう考えても答えがでることはないと思いました。
上映会でこの映画を見た事で、今まで戦争というものに恐怖で目を背けてしまっていた事から『逃げない』という何か強いものが私の中で生まれたように思います。
宇城先生の言われた、生かされている→生きる→生ききるこのすべてを心においておく事で戦争で過酷な時代を生き抜いてこられた人に少しでも寄り添えればと思います。
●60歳 男性
軍命とはいえまだ10代の少年が戦争に駆り出され、また平和だったら時代をリードするような優秀な若者が戦争が終わってもなお今、心を痛めている。
私達が、もっと勉強をして行動することで、同じ過ちを絶対に起こさないという、和を広げて行く事だと強く思いました。
●大学生 女性
『沖縄スパイ戦史』を観て、自分の中の戦争に対するイメージが打ち砕かれたような感覚でした。当時起きた惨劇や現在に残る爪痕、もう始まっていて将来に待ち構えている一連の出来事を観て、漠然と戦争を良くないこと、昔起きた他所ごとだと思っていたことに気付かされました。
この映画を見てから長くは経っていませんが、これ以降あらゆるニュースや報道が目に止まるたびこの映画のことを思い出します。映像中、士官の監視を始め島民同士が疑いあっていた事実を、その状況になればそうなってしまうと話していた姿を見て、いざ命を狩られる局面に遭った時に自分はどうするだろうかと考えさせられました。
しかしそれと対をなすように、日本兵に食事を分け与えてきた女性とその母親の「真心ある人が殺せるか」という毅然とした態度、言葉こそ、疑い合い孤立していく人々の心から消えてしまった強さなのではないかと感じました。怯えて逃げ出さず、相手の思いを信じる。どうしようと考える時点で、自分は未だ未熟なのだと感じさせられました。
その後、その親子はスパイの容疑から外すよう兵士による抗議がされましたが、それは気が通った人から周囲に伝播し守り守られる空間が広がったのだと思います。現在の自衛隊に日本軍の体制が引き継がれていながら、三上監督の自衛隊の人にこそこの映画を見て欲しいという思いには誰かをせめぎ立てるのでは無く、この惨劇に巻き込まれる恐ろしさを伝えたい真心があるように感じました。敵を作り過ちを責め立てるのでは無く相手を想い守るための行動をとる。この映画で語られた事実以上に、この映画にかけられた思いを忘れてはならないと、胸に刻み込む思いです。
この度は素晴らしい映画を鑑賞するご機会を賜りまして、誠にありがとうございました。
●埼玉 飲食業 50代 男性
この度は素晴らしい映画を見る機会を頂き誠に有難うございました。
強く感じたのは今でも同じ状況が続いてると思いました。何も知らずにに平和ボケして過ごしている。ジワジワと首を絞められているのに利権や外的圧力や恐喝によってワクチンや基地建設を推進していく。国は推奨するが責任はとらない。自分の身は自分で守っていかなくてはならないと強く感じました。
しかし、我々庶民の大概の人はマスコミや無能な政治家の言葉を鵜呑みにしていると思います。
何の為に勉強しなくてはいけないか!何の為に真実を見抜く力をつけなくてはいけないかを改めて強く考えるきっかけとなる1日でした。
ありがとうございました。
● 目をそむけたくなる画像、耳をふさぎたくなるお話しがたくさん出てきましたが、これはきっと見ておかなければいけないこと、知っておかなければいけないこと…と思い、じっと映像を見ていました。
沖縄は「太平洋戦争で、唯一地上戦が行われた場所」くらいしか知らなかったので、初めて知る衝撃的な内容ばかりでした。映画を見て、戦争は人を人ではなくしてしまう本当に恐ろしいものなのだと感じました。
今、世界で起きている戦争で、民間人を攻撃した、と非難されるのをよく聞きますが、戦争になってしまったら軍人も民間人も関係なくなってしまう…国がそういう方法を取り、また現在でも法でそのようにできることになっている、というのはみんな自分事としては思っていないところではないかと思います。私も全然知りませんでした。過去にあったことも現在のことも、もっと本当のことを知らなくてはいけない、ということを強く感じました。
●60歳 女性
誰の為の何の為の戦争だったのか。
自国を守る為、そして国民を守る為のものと考えていましたが、最後には国民の人々までも信じてもらう事がなかった。
これが『戦争』というものなのか、どう考えても答えがでることはないと思いました。
上映会でこの映画を見た事で、今まで戦争というものに恐怖で目を背けてしまっていた事から『逃げない』という
何か強いものが私の中で生まれたように思います。
先生の言われた
生かされている→生きる→生ききるこのすべてを心においておく事で戦争で過酷な時代を生き抜いてこられた人に少しでも寄り添えればと思います。
●60歳 男性
軍命とはいえまだ10代の少年が戦争に駆り出され、
また平和だったら時代をリードするような優秀な若者が戦争が終わってもなお今、
心を痛めている。
私達が、もっと勉強をして行動することで、同じ過ちを絶対に起こさないという、
和を広げて行く事だと強く思いました。
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感想を寄せてくださった皆様、ありがとうございます。
次回は、11月27日(水)に広田奈津子監督の『カンタ!ティモール』を上映予定です。
広田奈津子監督には、10月発刊の『道』でインタビューさせていただきます。
『カンタ!ティモール』予告編
https://youtu.be/vQ-e_RNEOoI?si=bSA4dQ1sn1HYuJ9I
準備が整い次第、お申し込み受付を開始いたします。
たくさんのご参加をお待ちしております。