「自分の身を犠牲にして相手を引き立てる」 電子版 16名の武道家の貴重なインタビュー集
大正、昭和、平成をかけぬけた
剣道、弓道、なぎなたの、16名の先生方へのインタビュー集
生き方も、武に対する思いも、厳しさが違う。
その言葉の数々に背筋が正される思いです。
今回は、なぎなた範士の先生方の言葉を紹介します。
【なぎなた編】
澤田花江 なぎなた範士
「攻防一体という言葉がありますが、自分の正面を防いでて、攻めていかねばなりません。
自分のほうから攻めていかないとできない。合わしていてはだめ。
防いでいるからそのまま ぱっと入れる。形は自然にそうなっているの。
形も引っぱられて、格好だけになったらだめ。
相手のなかに入っていかなければ、仕事にならないのよ」
松尾綾子 なぎなた範士
「自分の身を犠牲にして相手を引き立ててやるというふうにして、はじめてその子が生きてくる。
そういうふうな指導を今の人が、どれだけしているかと思うんですよ。
『この子を育ててやろう』と思ったらそれをやらんと、ほんとうの気合のかかった人間性は出てこない。
心でひっぱっていかなければ」
池嶋和子 なぎなた範士
「時代の流れの中で西洋の考え方に流されて変えられてしまったものもある。ですから、西洋の考え方
の体育の先生と、武道の先生とではだいぶ考え方が違うと思いますね。
武道には上には上があり、答えはなんぼでもある。それがある時期に来たときに『あ、このことか』
とわかる。それがいつかわからないから難しいんです」
電子版『人間をつくる 武の道、武の心』
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