「自分の『我』が成長の邪魔をする」 電子版 16名の武道家の貴重なインタビュー集
2005年から2012年までの7年間に、季刊『道』で取材してきた
剣道、弓道、なぎなたの、16名の先生方へのインタビューを一つにまとめた電子書籍。
武道から培われた言葉は、私たちの日常にすべて通じます。
先生方の印象に残った言葉をご紹介します。
今回は弓道の先生方5名のお言葉です。
【弓道編】
大沢万治 弓道範士
「的を狙うなという言葉を使う先生も多いんですが、本来の意味は、的の芯を狙え
ということなんです。『そこだ』というところを狙えということ。
『的を狙うな』という言葉を誤解しちゃならないと思います」
池田正一郎 梅路見鸞門人
「梅路先生がしょっちゅう言われたのは『本物には奇跡が起こる』と。常識じゃないことが起こる。
それが本物なんだと。それを『奇跡のようなこと』とつくって見せて、『俺はすごいぞ』と威張ってみせたんじゃ
だめなんです。それは偽物。それはよく言われました」
浦上博子 弓道範士
「ひとつのことに集中して他がわからなくなるのではなく、集中すればするほど周り全部が見えるようになる。
自分がやらなくてはいけないことがはっきりわかるような状態になる。そういう状態に自分をもっていくのです」
リアム・オブライエン 弓道教士
「私達は、『わがまま』な社会に住んでいます。とくに戦後は個人主義がいきすぎている感があります。
自分の『我』が自分の成長の邪魔をするんです。自分勝手になってしまう。いつも自己中心の生き方をしていると
幸せになりません。我をなくすほうが幸せになる。
それは人との関係においても同じです。武道は、この個々の人格を越えたところ、つまり、自己超越につながる
修行ですから。難行ですが、価値ある人生をもたらしてくれる崇高なものです」
岡﨑廣志 弓道範士
「武道というのは、わからないこと、できないことに対して果敢に取り組むのが”武”なんですよ。踏襲するだけ
では武ではないんですね。『武』とは『矛をもって足を使って前進する』という意味ですから、前に進む、技術革新
をしていかなかったら、衰退の道を辿ることになります。ダーウィンが言う、『変わらなければ』生き残れません」
電子版『人間をつくる 武の道、武の心』
https://www.dou-shuppan.com/ebook/bunomichi/