25 2月

前島由美 出版記念講演会が開催されました

2020年2月24日(月祝)、東京・町田市文化交流センターにて、ゆめの森こども園代表の前島由美さんによる『輝きを取り戻す“発達障がい”と呼ばれる子どもたち』出版記念講演会を開催いたしました。


第一部 前島由美さん講演

ゆめの森こども園を立ち上げるに至った経緯から、国光美佳さんの著書『食べなきゃ、危険!』との出合いをきっかけに、感覚過敏に苦しむ子どもたちを「救える」と確信を持ち、次々と実例を上げていかれたこと。

活動を広げる中で知った、ミツバチが置かれている絶滅の危機。このミツバチたちの苦しみと、子どもたちの苦しみの根は同じであること。
この危機を回避するためには、食=農業をいのちに負担のかからないものに変えていくことが語られていきました。

最後には、著書に収録された子どもの回復実例の一部を、実際の写真を映しながら紹介くださいました。
暴言を吐いて暴れていた子が、食の改善と愛ある関わりによって兄弟や友だちと楽しそうにしている様子は本当に微笑ましいものでした。


第二部 国光美佳さん講演

本書に「はじめに」と「ミネラル補給レシピ」を寄稿くださった国光美佳さんには、前島さんとの出会いから始まり、ゆめの森こども園に通う子どもたち・お母さんたちとの二人三脚で事例をあげていったこと、そして、私たちが今ふうつに摂る食事からミネラル成分が抜け落ちてしまっている現実を詳しく解説いただき、その「ミネラル欠乏」に対し、簡単にできるミネラル補給法も紹介いただきました。

また、「発達障がい」と診断される子どもたちが処方される薬についても触れ、向精神薬の増加率と発達障がいとされる子どもの増加率を照らし合わせ、疑問を投げかけられました。

化学物質を身体に入れるリスクを問いかけた最後に、季刊『道』203号のインタビューでもご紹介いただいた、化学物質過敏症の小学生の男の子「りんちゃん」の「地球をよごさないで」という作文朗読動画でしめくくっていただきました。


第三部 質問コーナー

まずは、前島さんから講演の補足として、現在国光さんとともに推進している、保育園・幼稚園の食を変えていく取り組み「フーズフォーチルドレン」についてお話がありました。感覚過敏や化学物質に苦しむ子どもがいなくなるために、その足掛かりとして、まずは自園に給食室を持つ保育園・幼稚園から、食材を有機無農薬や自然栽培のものに変えていこう、というもの。
この活動はマスコミを遠ざけ、市民の草の根で進めていること。この取り組みへの協力と、さらにはこの流れを一気に加速させるために、あらゆる壁を取り外していく手助けとして、学校給食をまず米飯にする希望を各地で起こしてほしい、と参加者に呼びかけました。

その後、参加者から事前に寄せていただいた質問に、両氏に丁寧かつ具体的に答えていただきました。多くの実践を積み重ねてこられた両氏の回答はとても説得力があり、「必ず出口はある」という希望を持てるものでした。

終了時間を越えて、なお伝えたいことがある。
両氏の情熱に、参加された皆さんが感化された3時間でありました。

 

 

 

感想もたくさんお寄せいただきました。
皆さん、「まずは自分からやってみよう」「身の回りから少しずつ」と、今から変えていこうという気持ちを書いてくださっているのが印象的です。
一部ですが、ご紹介させていただきます。

 

〈参加者の感想〉

●東京 26歳 女性
お二人は、科学者でも医者でもありませんが、そんなものよりよっぽど説得力がありました。
それは、現場の真実をしっかり見つめていらっしゃるからですね。マスコミを使わず、自らの足で丁寧自分の言葉で伝えていく。時には自腹で。筋が通っているというか「誠」だなぁと思いました。
今の日本は意外に、世界でもかなり食に無頓着です。一人一人が出来ることから、一歩ずつ変わっていくしかないので、「私」から意識、行動していきます。今日はありがとうございました。

●神奈川 健康指導 56歳 男性
ミネラル補給の重要性に加え、地球環境維持が人類の未来と子どもたち、そして自分たちを守るためにいかに必要かがよくわかりました。

●長野 主婦 女性
食の基本、現代の食の裏側に隠されている怖さを、改めて知る機会をいただきました。これから障がい者の就労支援施設事業所でボランティア活動をしていこうと思っている時に、何かできることがあるのではないか、伝えられることがある、伝えていきたいと思います。
“めげずに”“楽しそうに”ですね! ありがとうございました。

●東京 60代 女性
七代前の祖先に感謝しつつ、七代先のファミリーに今のこの思いを伝えられるよう、努めたいと心から思いました。
食は大事! 痛感しました。
子どもたちの子をしっかり聞かないといけない!!

●東京 会社員 47歳 男性
前島さんの静かな語りの中に、熱い思い、情熱と覚悟をひしひしと感じました。そして、それを実際に行動に移していらっしゃることに頭が下がります。
一人ひとりの子どもたちと向き合い、全力で取り組んでいらっしゃる姿に感動しました。
子どもたちの変化していく様子を映像で拝見し、あらためて食の大切さを認識し、その早い効果に驚きました。
益々のご活躍を祈念するとともに、応援させていただきたいと思いました。私自身も何ができるか考えて、実践していきたいと思います。
国光さんの講演では、食がすべてにつながっているんだということに気づかされました。
まずはミネラルをしっかり摂ることから始めないといけないんだ!
3つのステップによるミネラル補給法はとても実践的だと思いますので、周りの人達におすすめしたいと思います。
まずは自分の食改善から初めて、友人にも広めていきたいと思います。

●東京 保育士 26歳 女性
すごく勉強になる、為になる時間でした。
現在、保育士として働いており、年長クラスの担任をしています。
クラスにはスペクトラムのお子様や、グレーゾーンのお子様が多く、日々どのように関わったら良いのか悩んでおりました。
お話を聞いて「食」がこんなにもつながっているものだと分かり、驚きました。
保育士として私に何ができるか分かりませんが、まずは小さなことから周りの人たちから始めていけたらと思っております。自分自信の食生活も変えていきたいと思いました。

●大阪 教員 36歳 女性
前島先生、国光先生、エネルギーあふれるお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
まずは自分がやってみること。そして、少しずつ自分の周りの人たちに広げていくことを実践していきます。
食が大地とつながり、地球に生かされていることに気づくことができれば、今の世の中の生き辛さが変わっていくのではないかと希望が見えました。
本当にありがとうございました。

●東京 区立小学校介添員 56歳 女性
講演でうかがった薬を服薬している子が多く、どれだけ影響が出ているのだろう……と、改めて恐さを感じました。
小学校の給食はなかなかさわれない……とのことでしたが、少しずつでも変われるような動きができたら……と思いました。
また、ミネラルを少しでも豊富にとれるように、日常から摂取していきたい、伝えていきたい、と思います。
ありがとうございました!

●東京 会社員 29歳 男
ありがとうございました。
食によって子どもたちが本来持っている力を引き出していらっしゃることは、とても尊い活動と感じました。
クスリや添加物が当たり前となっている今の社会は、絶対に何かおかしいです。
正しく知ること、知ったら自分の行動を変えていくことで草の根の小さな一本の草として微力ながら活動に貢献したいと思います。
帰り道でにぼしを買って早速食べたいと思います。
引き続き応援しております。

●長野 会社員 52歳 男性
食の危険性、化学物質による子どもたち、人への影響の怖さを感じました。
また、日本だけでなく正解、地球レベルで危機的状況にあり、今、なんとかしなくては未来はない、今いる私たちで食い止めなければいけないと感じました。

●東京 会社員 40代 女性
前島さんの著書を、子どもの通う保育園の先生に紹介されて読みました。食生活の改善は、ほんとうにおっしゃる通りだと思います。素材が分かる物を食べさせていこう、添加物を口に入れることを極力避けていこうと思います。
食もそうですが、印象的だったのは前島先生の愛を感じる言葉の数々です。子どもを信じ、愛して愛して過ごしていきたいと思います。

●長野 教員 44歳 女性
著書やインタビュー記事等拝読させていただいていましたが、前島先生、国光先生のお話を直接聞くことができ、熱意をそのまま受け取ることができて、とても幸せな時間でした。
ミネラル食品、まずは自分から試してみようと思いました。そして大切な人へ、まず一歩、伝えていこうと思います。今日は本当にありがとうございました。

●神奈川 事務職 32歳 女性
元々保育士をしていました。10年間の保育士生活の間でも発達障がいと呼ばれる子どもがどんどん増えているのでは、と感覚的にではありますが、思っていました。医者にADHDと診断され、向精神薬を飲んでいる子もいました。
私たち保育士はその診断にも薬を飲んでいることにも何の疑いもなく、どう対応していけばいいか、社会に出た時に困らないように……と、その病気に向き合うことばかり考えていました。
こちらの本を拝読し、お話を拝聴し、本当に目からウロコでいた。食で改善できる、という全く別の観点から、しかも実証もされており、自分の腹にスッと落ちていきました。
「あの子にもこの子にも、これを実践していれば……」と後悔ばかりです。私の周りにもまだまだこういった子どもの暴言・乱暴に悩んでいる母親がたくさんいます。早くこのことを教えてあげたい!! と本当に思いました。
「知らない」は罪だな……子どもたちに謝りたいです。でも今ここで気づけて本当に良かったです。ありがとうございます。ここまでたいへんご苦労されたかと思います。改めて感謝申し上げます。応援しています。

●東京 私学職員 53歳 男性
本日はお話をお聞きして、たいへん勇気をいただきました。
未来を担う子どもたちが健やかに大人へ成長できる環境をつくっていくのは、我々大人の責任であることを改めて痛感いたしました。
子どもたちの笑顔、素敵でした。
愛情と食、両面の実践があってこそだと思いました。
ありがとうございました。

●東京 会社役員 57歳 男性
今回の講演会で学んだことは、天と大地と人に優しくすることでした。子どもの発達障がいは、食を変えるだけで変化が表われることにあらためて考えさせられました。
日本だけではなく、世界で本気で取り組む大きなプロジェクトだと思いました。まずは家庭ごとに食の見直しができるように、拡散していくことが重要なことに気づきました。貴重な講演会を実施していただき、感謝いたします。

●東京 看護師 40代 女性
前島さんの講演会、ありがとうございました。
誘った友人は途中で帰らなければならなかったのですが、「来て良かった」「こんなに濃い内容だと思わなかった」「最後まで聴きたかった」と言っていました。

お子さんが発達障がいと診断されていて、
「コンサータ飲ませてるんだ……」
「副作用知ってるけど……」
「飲んでた時のほうが、学校での生活が良かったって先生に言われて……」と。

副作用をよく知っている看護師の友人でさえ、服用の選択をしてしまう環境が学校にあることを、恐いと思いました。

「子どもの受診、進級を前に講演を聴けて、本当に良かった」とも言っていたので、声をかけて本当に本当に良かったと思いました。

また、前島さんが質問の返答で、
「今は、医療が一番上の社会」
「本当は農業が一番上の社会」とお答えされていて、本当にそう思いました。

急を要する外科的な治療では、医療が必要な場合もあると思いますが、本来は、自然の営みの中で、自然とともに人間が生かされ、心も身体も健康であることが一番。
化学薬品重視の医療が一番であるはずがないと、心から思います。

子ども全員、絶対に幸せであってほしい。
身近にできることから、私も実行します。
本当にありがとうございました。

 

18 2月

『道』203号 連載 宇城憲治「気づく、気づかせる」

「人間本来のあり方を問う ― 『事理一致』の教育 ―」

AIの人口知能の時代に突入している今、日本の労働人口の49パーセントの職業が10年~20年後にはAIにとって代わられ不要になると言われています。医学の世界でも血液一滴で遺伝子問題を含めあらゆる病気の要因を分析する、チェスの世界でも名人が太刀打ちできなくなっています。

そんな状況の中、我々人間が人間らしく存続していくために今どうすればいいのか。

「今までのように、理屈だけ、頭だけの世界では前に進めません。なぜならそれらの世界は人口知能のAIにとって代わられていくからです。これからは理論、理屈ではなく、剣禅一如に見るような、身体を通した実践の『事』と、誠の心のあり方を通しての『理』、すなわち人間修業のあり方を示す『道』として『事理一致』の学びが必要となってくるのです」

それはつまり、自分の中に眠る力に気づき、引き出していくということ。
本来我々人間が持っている力を引き出すということ。

今号連載は、教育システムも含め、今私たちが向かうべき方向、人間がどうあるべきかについて示唆に富むものとなりました。

 

[季刊『道』203号]

17 2月

『道』203号ミニインタビュー アドリアン・イレッシュ「自転車で世界一周 僕の人生の旅」

今号ではカッシャイさんのほかに、ハンガリーでもう一人取材をしました。
世界をまたにかけて自転車で旅するハンガリー青年、アドリアン・イレッシュ氏です。

偶然の出会いから取材になったのですが、そのきっかけは、

「旅の途中で体験した一つひとつの経験が、たいへんであればあるほど、
 その度に感謝の気持ちが湧き起りました。
 死にそうな目にあった時も、翌日、自分が生きていることに感謝しました。
 だからこそ僕は今、人生は素晴らしいと思えるのです」

という言葉。

理屈抜きに自分の人生を自分の足で目で耳で、生きているアドリアン氏に
世界をめぐった冒険について語ってもらいました。

[季刊『道』203号]

10 2月

『道』203号ロングインタビュー 白鳥哲 「見返りを求めない心で地球を救う」

奪い合う経済から与え合う経済へ、人は与えることで豊かになる――

映画監督・俳優・声優
地球蘇生プロジェクト代表の白鳥哲氏にインタビューしました。

白鳥監督は、『祈り ~サムシンググレートとの対話~』『魂の教育』『蘇生Ⅱ』など、
人間の生き方を根本的に問いかける映画をいくつも世に送り出してきた映画監督であり、また俳優、声優でもあります。

インタビューでは、

小学生の頃からの夢だったという映画製作に向かって、
文学座修業時代、俳優、声優時代、さらに
脳腫瘍の発病という命の危機を経て、
白鳥監督がどのように現在の「地球蘇生プロジェクト」の活動に至ったか、
その軌跡を詳細に語っていただきました。

「人は与えられると分かち合うようになっていきます。
対立が和解に、恐怖が愛に、不安が喜びに変わっていきます。

みんなが分かち合っていったほうが、どれだけ豊かでどれだけ波動が広がって
どれだけ全体にとってプラスになっていくかということなんですね。

それを経済の面でも示していきたい。
教育の面、医療の面、様々な面。

それをビジョン化して行動しているのです。
そしてこのビジョンに沿って私は映像を作っているのです」

見返りを求めず、誰もが幸せに生きるビジョンで行動したら、世界は変わる。

監督は映画を通し、今こそ私たち人間が意識改革を目指すべき時が来ている
ことを粘り強く伝えています。

監督の最新作『蘇生Ⅱ』をぜひご覧ください。
全国の上映スケジュールはこちらです。
[白鳥哲監督 上映講演会スケジュール]

[季刊『道』203号]

07 2月

『道』203号ロングインタビュー 国光美佳 「子どもたちに健やかな未来を」

新刊『輝きを取り戻す“発達障がい”と呼ばれる子供たち』(前島由美著)にも登場いただいた、食学ミネラルアドバイザーの国光美佳氏にお話を伺いました。

「簡単で便利で安い」と、コンビニ食やできあいのお惣菜、インスタント食品、レトルト食品などの加工品がますます食卓に上がることが増えています。

『食べなきゃ、危険! 食卓はミネラル不足』の共著者国光美佳さんは、そうした手軽さや見た目の良さに隠れ、現代食からは、人間にとって重要な栄養素であるミネラルが大きく抜け落ち、かつての日本には考えられないような心身の不調を引き起こす要因となっていると指摘しています。

栄養士も、教師も、医者も、親も知らない実態があること。

様々な活動で、理屈だけでは人は動かないことを思い知らされた国光さんは、
とにかく実践先にありきの人。

現在は、実測データをもって、ミネラルを補足する食に変えることで、大人のみならず、発達障がいと診断された子どもたちの心身の健康の大きな改善につながっている実践を自ら全国で伝え歩いています。

「子どもたちが、これだけのメッセージを私たちに投げてきてくれているんです。それを私は無駄にできない。これをここで止めたらバチがあたる。この子たちが味わった苦悩を思ったら、私、何でもしなくてはと思ってしまうのです」

「ぜったいに子供たちを守る!」

その、熱き想いを聞きました。

国光美佳さんには、『輝きを取り戻す“発達障がい”と呼ばれる子供たち』 前島由美 出版記念講演会でもご登壇いただきます。
ミネラルが私たちの身体でどのような働きをしているか、欠乏しないためにどのような食事をこころがけるか、ご講演いただきます。

[季刊『道』203号]

[2/24 前島由美 出版記念講演会]

04 2月

『道』203号 巻頭対談 カッシャイ・ラヨシュ 宇城憲治 「先哲の教えを今に活かす 生と死の伝統武術が伝えるもの」

『道』203号の巻頭対談に登場くださったのは、ハンガリーの乗馬アーチェリーの名手カッシャイ・ラヨシュ氏です。

カッシャイ氏は、祖先の遊牧騎馬民族から受け継いできた伝統武術である乗馬アーチェリーを今に復活させ、さらに古代遊牧民の伝説的な弓を現代の素材で再現したことで知られています。

カッシャイ氏の、馬上から矢を射るスピードと的を射抜く正確性はずば抜けていて、とくに、動いている的を馬上から射ることができるのは、世界でカッシャイ氏一人だと言います。

そんなカッシャイ氏の、理屈抜きの見事な演武のあとに行なわれた対談だけに、内容はスケールの大きい臨場感あるものとなりました。

伝統というのは、実際に「やってみせる」人、できる人が継承していくのだということを、まざまざと見せられたように思います。

「乗馬アーチェリーはあくまでもゴールではなく、私の人生において、なくてはならないものです。自分の成長のため、先祖から受け継いだものを継承するためのものだと思っています」

カッシャイ氏によると、ハンガリーのフン族の祖先は、約1000年前にアジアからヨーロッパにたどりつき、アジアのスピリットと心を持っているとのこと。

カッシャイ氏が語る言葉に、まさに日本の侍スピリットと迫力を感じる読者も多いのではないでしょうか。

それだけに、武術空手を通じて世界に日本の文化と心を伝えている宇城憲治氏との対談は、伝統とは何か、生きるとは何かを問いかけてくるものとなりました。

 

▽ カッシャイ氏 乗馬アーチェリーの妙技の一部をご覧いただけます ▽

[季刊『道』203号]