30 7月

小出裕章先生の「願い」― 197号

最新号197号でインタビュー取材させていただいた、工学者で元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生。

取材前に何度もやりとりをさせていただいたメールでは、取材する私たちへの細やかな配慮が感じられ、
同時に、子どもたちをなんとしても被曝から守るんだ、という強い決意が伝わってきました。

 

小出先生は原子力の真実に気づいた20歳の時から、一貫してその危険性を訴え、原子力発電を止める活動をしてこられました。

科学者として人間として、ぶれずに活動できたのは、なぜなのか。
なぜたった一人でも戦い続けられたのか。

『道』197号のインタビューでは、これまで知り得なかった小出先生の生き様がつまっています。

道197号 小出裕章

 

以下は、取材後に、ある方を通じて知った、小出先生の文章です。

自由に使ってよいとの許可をいただきましたので、ここに掲載させていただきます。

 

わたしたちの願い,小出裕章

たとえば,あなたのクラスに34人の生徒がいるとします。その中の33人が,あることを賛成したとします。よく考えて賛成というひともいるし,あまり考えずに「みんながそうなら、そうしよう」と、まわりに合わせてしまうひともいるかもしれません。

クラスは、あなたひとりを除いて,「賛成」の意見でまとまりそうです。けれど,あなた自身は,どうしても賛成できません。そのとき、あなたはどうするでしょう。

たったひとりで、33人を前に「反対」といえるでしょうか。

「いえない」とあなたが思うなら,それはなぜでしょう。

みんなとちがうと、クラスで浮いちゃうから?
孤立するから?
みんなに合わせておいたほうが、らくだから?
ひとりだけちがうと、「かっこつけて」とか「目立ちたがり」とか「生意気」とかいわれそうだから?
そして,仲間外れやいじめにあいそうな気がするから?

理由はたぶんいろいろだと思います。しかし,反対なのに,反対である自分を消して,まわりに合わせた自分を,あなたはいつか「いやだな」と思うようになりませんか?

そうして,いつも,まわりに合わせてしまうことがあなたのくせになって,ずっとそんなふうに生きていくことになったら、あなたは自分を好きでいられるでしょうか。

みんなの意見に無理に自分を合わせることに必死だった11歳のある子は。ある日、いいました。

「ずっと、ずっと、消しゴムでゴシゴシ自分を消しているみたいだった。そんなのいやだと思いながら,ゴシゴシ消していた。そしたら、自分が消えて、自分でなくなっちゃったみたい」と。

わたしは、日本という国がひとつになって,原子力発電に賛成する人たちがどんどん多くなっていくときにも,反対をしてきたひとりです。

「たいへんだったでしょう」と、よくいわれます。

けれど、わたしは、そうは思いません。

自分に対して誠実に生きることはとても気持ちのよいものです。自分にウソをつくことのほうが、わたしにはたいへんなことであり、いやなことであるからです。

少なくとも私は,自分の考えを裏切らずに済みましたので,ありがたい人生だと思います。

しかし,十分に原発の危険性を伝えることができず,今回の事故が起きてしまったのは,とてもくやしい思いがします。

原子力発電は、あなたのいのち、あなたの人生に直接かかわることなのですから,しっかりと学んでください。

私はやがてはいなくなります。あなたよりずっと年上なのですから。

そのときに、自分で考えて,ひとりでも行動できる,そういうひとになってほしいと願います。そして思ったことをひとに伝えて、みんなで話し合いながら未来を考え,決めていくような社会が来ることをこころから願います。

起きてしまった原発の事故を起きなかったことにはできないし、過去を変えることはできないけれど,現在と未来をつくることができるのは,一人ひとりの「あなた」です。

 

[道197号]

27 7月

アグネスさんの「子育て実践技」― 197号

最新号『道』197号が発売になりました。

今回のテーマは「次世代へ命をつなぐ」です。 [詳細はこちら]

 

特別インタビューで登場いただいた歌手のアグネス・チャンさんには、

子育てのことや教育についてのことをお話しいただきました。

 

道197号 特別インタビュー アグネス・チャン

道197号 特別インタビュー アグネス・チャン 道197号 特別インタビュー アグネス・チャン

 

ご存知のようにアグネスさんは、3人の息子さんを、歌手としてのお仕事はもちろんのこと、自ら大学で学びながら、さらには世界各地で危機にさらされている子どもたちの現状を日本ユニセフ協会大使として世界へ訴えるお仕事などもされながら、育てあげられました。

その子育ては、徹底的に子どもの身になってその気持ちに寄り添い、大人都合を無理強いしない。
自らのさらなる成長のためには、スタンフォード大学院に進んで教育学を学び、仕事は仕事で徹底的にこなす。

女性として、母として、仕事人としての生き方は、とてもエネルギッシュで魅力的です。

何しろ3人の息子さんを育てたので、子育ての「実践技」はたくさん身に付けたそうで、

「なるほど、そうやって対応したら子どもだって納得するよね」

というような“技”がたくさんあり、感心いたしました。

 

そんなアグネスさんが危惧するのが、現在の日本の閉塞感、停滞感です。

アグネスさんは、日本人のいいところは、自分の好きなことを一生懸命手抜きなしでやるところだそうです。そうした、「自分の最高を目指してやる姿勢」「魂」こそが日本をつくってきたのだと。

そういうものが今失われつつある日本を大変危惧されていました。

 

今の日本の教育は、あらかじめ敷いたレールに子どもたちを乗せる教育になっています。国際基準からしたら、英語教育しかり、相当な遅れをとっているのが今の日本。

世界で羽ばたける人材の育成に、今何が必要なのか。

従来型の教育法の課題点など、今回徹底してアグネスさんの魅力を引き出してくださった宇城憲治氏と語り合っていただきました。まさに、次世代へ人材をつなぐ、命をつなぐための対話がくりひろげられました。

 

子育て中の方々には必見のインタビューです!

 

[道197号]

24 7月

季刊『道』 197号 入荷しました

季刊『道』 197号 入荷しました

テーマ「次世代へ命をつなぐ」

●特別インタビュー

歌手・エッセイスト・教育学博士 アグネス・チャン
「世界に通用する子育て、教育法
母として、教育学博士として」

●ロングインタビュー

工学者・元京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
「子どもたちを被曝から守る それが私たち大人の責任です
科学者として原子力の真実を伝え続ける」

野口のタネ・野口種苗研究所 野口 勲
「子孫を残せるタネを守り続けるために
私たちができること」

●連載

・ミツバチが教えてくれること
「スタートラインに立って想うこと」
一般社団法人ハニーファーム代表 船橋康貴

・きょうも、いい日
「失恋をバネに成長する翔子」
書家 金澤泰子

・今日一日を生きる
「必要とされていれば、何があってもダルクは潰れない
―― 秋田ダルク開設」
茨城ダルク代表 岩井喜代仁

・私たちは銀河のなかに生きている
「夜のひまわり」
銀河浴写真家 佐々木隆

・ありのままの私たち
「生きる力を強く、命を太く」
作家 山元加津子

・地球を歩く ~ 知られざる絶景を求めて~
「天空の鏡 ボリビア」
写真家 野村哲也

・気づく、気づかせる
「時空のエネルギーを取り込む『気』
― 人間の神秘と可能性 ―」
UK実践塾代表 宇城憲治

 

○197号の詳細はこちらです。>>>>[季刊『道』 197号]

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17 7月

〈入荷しました〉養蜂家・船橋康貴著『自伝エッセイ & 生き方提案』

養蜂家・船橋康貴さんの新刊書2冊が入荷となりました。
ご予約いただいた方に、本日から発送開始です。

ハニーさんの新刊入荷

 

8月5日(日)まで、2冊セットのご注文で送料(270円)を無料とさせていただいています。
【内容詳細・ご注文はこちらです】

 

船橋さんから近況を教えていただきました。

この連日の猛暑で、ミツバチのロウでできた巣が溶けて崩れ落ち、下敷きにされてミツバチたちが死んでいるそうです。

ミツバチが生きられない、命をつないでいけないということは、

ミツバチだけでなく、私たちにとっても、たいへんな問題なのです。
私たちの食べものの70%は、ミツバチが受粉することでできています。

ですから、

「ミツバチ絶滅の危機は、人類滅亡の危機」
大きな問題ではありますが、船橋さんは、「解決は簡単」と言います。

その方法とは、
「私たち一人ひとりの意識が変わること」
一人ひとりが

現実を見つめて、気づき、
暮らしを見直して、生き方を変える。
それが、
この危機を乗り越える一番の近道なのです。
この2冊の本、

船橋さんのこれまでの活動を綴った「自伝エッセイ」と、
ミツバチのメッセージを受け取った船橋さんの「生き方提案」は、

私たちの置かれた現状を知り、気づき、暮らし方を少しでも変えていく
きっかけとなることでしょう。

●『ハニーさんの自伝エッセイ
   ねえねえ、ミツバチさん 仲良く一緒にどこ行こう』

ある日突然、社長を辞めて養蜂家に転身!
地球・人類の危機を救おうと奮闘するハニーさんを
助け導くのは、いつもミツバチたち。

パリ・オペラ座に飛び込んだり、ディズニーと交渉したり。
壮絶、驚きのハニーさんの半生記を綴っていただきました。

●『ハニーさんの ミツバチ目線の生き方提案』

ミツバチの世話をすることで見えてきた
新しい社会のデザインをハニーさんが提案しています。

「人の意識が変わったら、世の中は簡単に変わる」
社会問題も、地球規模の問題も、他人事にしないことで、
私たちはきっと幸せになれる。

 

以上2冊とも、それぞれ定価 1,512円(税込)

★期間限定で、2冊同時にご注文いただいた場合、
送料270円を無料とさせていただきます。(2018.8.5まで)
【内容詳細・ご注文はこちらです】

[本書出版の経緯]

 

船橋さん主演ドキュメンタリー映画が今月公開されます。
ミツバチと船橋さんの環境保護活動を軸に、私たち、そして地球のこれからを考えるきっかけになります。
(監督 岩崎靖子/配給 ハートオブミラクル)
【ドキュメンタリー映画「みつばちと地球とわたし」】

 

02 7月

≪ 緊急出版 ≫ 船橋康貴さんの本、2冊同時発売です

養蜂家・環境活動家の船橋康貴さんに、季刊『道』にて「ミツバチ目線で問い直す私たちの生き方」というテーマで連載をしていただいていましたが、

 

「伝えるスピードを上げたい」という船橋さんの希望を受け、急遽「新しい社会デザインの提案」として1冊の本にまとめ上げました。

 

さらにもう1冊、船橋さんのこれまでの活動を綴った「自伝エッセイ」とともに、弊社としては異例の、2冊同時発売です。

ハニーさんの自伝エッセイ ハニーさんの 生き方提案

昨年末、船橋さんから「あちらこちらから、『急いで』というメッセージを受け取るのです」とご連絡をいただき、「連載だと時間がかかりすぎると感じます」という、切実な想いを受け取りました。

 

明けて1月。

 

名古屋のハニーファームを訪問し、船橋さんからじっくりと「なぜ急ぎたいか」という、船橋さんの身に起こる様々な出来事をお話しいただきました。

 

船橋さんが急ぎたい気持ちがよく分かりましたし、私たちが置かれている状況 ―― 肌身で感じる季節のおかしさや、様々な地球環境の危機、人々の心の余裕のなさ ―― に照らしてみて、私たちも同じ気持ちになりました。

 

船橋さんは養蜂と同時に全国各地での講演活動など多忙を極めていますし、私たちにしても『道』やほかの本との同時進行ですから、出版の決断にはそれなりの覚悟が必要でした。
でも、「やる」か「やらない」かは、即答えが出ました。
あとは、「どうやりきるか」だけ(笑)

 

おかげさまで、
『ハニーさんの自伝エッセイ ねえねえ、ミツバチさん仲良く一緒にどこ行こう』
『ハニーさんの  ミツバチ目線の生き方提案』
2冊同時発売をお知らせすることができます。

 

『自伝エッセイ』は、船橋さんの生い立ちから、ミツバチとともに暮らし、地球環境活動、ミツバチ保護の道に入るまでと、これまでの活動の経緯を、

 

『生き方提案』は、船橋さんがミツバチと暮らすことで湧き上がってきた「新しい社会デザインの提案」を、項目ごとに綴っていただきました。
内容詳細はこちらでご覧いただけます。
【ハニーさんの 自伝エッセイ&生き方提案】

 

7月17日には入荷予定です。
2冊同時にご予約いただけましたら、送料を無料とさせていただきます。
(2018.8.5まで)

 

今月末には船橋さんの主演ドキュメンタリー映画『みつばちと地球とわたし』が公開されます。(詳しくはこちら

 

船橋さんの生き方や願いを、この映画や本で受け取った人々が、

 

ミツバチをはじめ、小さな生きものたちを想い、自分自身を想い、少しずつでも生き方を見直し、生活や心をより豊かにすることができたら……
素晴らしいことだと思います。