2016年 熊本 第3回 (2016.8.26)

謙虚な気持ちを持ち続ければ、自然と成長していける   熊本 薬剤師 50歳 女性 KO

 今回の道塾では、自分が今までになくその場に調和していられるような気がしました。今までの私は、この場にいていいのだろうかとか、出来なかったらどうしようとか、どうでもいいことに囚われていたのかもしれません。

 講義では、受精卵と製造物の比較をされました。受精卵は何の手を加えなくても10ケ月後には赤ちゃんとして生まれてくるが、製造物は組み立てが終わったらそれが完成であると。
 地震で倒壊した家隣のマンションが、日に日に重みで潰れてきてコンクリートの壁にも亀裂が増えてくるのを見て、組み立て終わった直後から老朽化が始まり、それを早送りで見ているような気がしてきました。
 生まれてきた赤ちゃんはその後も手を加えなくても成長していきますが、心の持ちようで素晴らしい人間になったり、人に迷惑をかけるような人間になったりすると教えていただきました。謙虚な気持ちを持ち続ければ、自然と成長していける。自分もそうであることを信じて、自ら限界を決めることを止めようと思いました。それが出来るようになれば、いつも先生が言われる「他尊自信」につなげていけるのだろうと思います。  

 「辛い(つらい)」という字に横線を一本入れると「幸せ」という字になるというお話もありました。大きな「辛」でも小さな「辛」でも、小さな「-」を加えれば「幸」になる。このことをお聞きしたとき、真っ先に思い浮かんだのは、震災後に他のクラスの塾生の方々が、毎日送ってくださっていたメッセージのことでした。読み始める前は、個人的に知っているわけでもなく、こちらの状況もわかられないのに送ってくださることを不思議に感じていましたが、とても力強いメッセージに本当に力をいただきました。この一本の横線を送り続けてくださっていたことに改めて心から感謝します。

 また、道塾の方でなくても、震災を経験された方の心遣いは、そうでない方の心遣いとは明らかに違いました。私も今回被災するまでは心配はするけれども何らかの行動に出ることはしませんでした。先生は、「東北と熊本(阪神淡路もだと思います)は、今後必ず強くなる」と言ってくださいます。今回の経験があって、改めて宇城先生の教えがより身近に理解できるようになったと感じています。

 

師を持つ事の大切さと師を持てる事の有難さを感じました   福岡 会社員 36歳 男性 YY

 震災以降、延期となっていた熊本道塾に参加させていただきました。
 入口に全国の道塾同志の皆様からの熊本道塾再開のお祝いのお花があり、皆様の優しさや暖かさを大変心強く感じました。道塾同志の皆様、本当にありがとうございました。

 冒頭の映像では、宇城先生の師についてのお考えを教えていただき、師を持つ事の大切さと師を持てる事の有難さを感じました。守破離が大事と言われていますが、宇城先生がどのようなお考えで、稽古に臨まれ、稽古以外の日々の中でどのような心構えをなされていたか、師の意を汲み、師を越え、さらに高みに向かう際にどのようなお気持ちであったのか、その一端を知る事が出来ました。

 スポーツの祭典オリンピックのお話では、スポーツの世界の限界や問題点、それが政治の道具として利用され、 戦争や経済破綻から目を背ける為に使われる危険性、柔道の道着の色に隠された意図、見た目が華やかで身体能力を極めているように思えるスポーツ選手と、 本当にこの国を守る為に日々覚悟を持って生きている戦闘機のパイロットとの大きな違いについて教えていただきました。
 日々の中で、見せかけやニュースの話題に流されるのではなく、しっかりと勉強をして本質を見抜く力を養わなければならないと感じました。

 また、大事な家族や人達を守らなければならない時、目の前の今から逃げて警察を呼びに行く人がいるような時代にあって、宇城先生のおっしゃる「健常者の病気」に罹ってしまっていないか、しっかりと自分を見つめ直し、ぶれずに生きていかなければいけないと思いました。

 人の誕生の過程のお話の中で、60兆の細胞からなる身体の、その小さな一部である指ができるのは細胞が死ぬからであり、私たちも成長や変化をしていくためには何かを捨てなければ行けないとおっしゃてた言葉が大変印象的でした。
 調和と対立の世界、0.5秒と0.000001秒の違い、気は後者に入るという事を実践していただき、ただ目を閉じるだけでは部分体となり、目を閉じて周りのすべての音を取り入れると統一体になれる、目を開けて人を見る時にただ見るだけでは部分体となり、見て返すと統一体になれる事を教えていただきました。

 今でも大変な境遇にある方も多い中、それをおくびにもださない熊本道塾の塾生の皆様とまた道塾での時間を共に過ごす事ができました事、宇城先生から変わらぬご指導をいただいた事、震災直後から今回の熊本道塾再開までの道塾事務局のスタッフの方々のお気遣いに心から感謝致します。
 今後ともご指導をよろしくお願い致します。