2017年 東京中上級・A 第1回 (2017.1.25)

「howからwhyへと考え方を変えなければならない」   東京 健保組合 61歳 男性 YS

 今回のご講義の中で「howからwhyへと考え方を変えなければならない」というお言葉が特に印象に残りました。先生が示してくださる様々な術技を拝見する度に強く憧れ、何とか入口だけでも解りたい、少しでも出来るようになりたいという気持ちが沸き起こります。しかし、出来たいと思うこと自体が欲であり、それが自分をいい方向に向けることを妨げているのかと自問しました。
 元々自分の中にある潜在能力を自力では引き出せないままでいるのはその欲目の為であり、むしろ出来ない時の自分の内面への問いかけを掘り下げていくことこそ大切なのではないかと感じました。  先生が放出する気を受けさせて頂いた時には前に進むことが出来ず、そうかと言って恐ろしさに固まっていた訳ではなく、そこに立っている心地よさを強く感じました。  

 先週末に大阪にいる娘のところを訪ねた際に東寺の仏像を拝観し、仰ぎ見ながら暫くそこにたたずむことに心地よさを感じましたが、先生が放出される気はそういうものではなく、伝わってくる空気感を言葉にさせていただければ「慈悲の波動」だと思いました。その時には自分の周りには壁もわだかまりもなく、フラットな状態になっていたのだろうと思い返しました。その壁もわだかまりもない時の自信を日常に広げていくことで、今まで気が付かなかった繋がりや新しい出会いもまた広がっていくのだと思います。また一年間お世話になります。よろしくお願い致します。

 

物事は事前の準備が大切   東京 グラフィックデザイン 44歳 男性 KA

 一年間素晴らしいご指導をありがとうございました。体育座りした後と正座した後とでは違いが出る検証で、一つ前に行ったことが次に起きることに作用することを学び、技は繋ぎにこそ技があること、そして物事は事前の準備が大切だということに気づかせていただきました。
 靴をそろえることや整理整頓をしておくこと、これらは大切なことだとは教わってきましたが、具体的に何が大切なのかわかっていませんでした。しかし、一つ前の動作が重要だという視点に立つと、そここそが肝要で後の動作はそこで決まっているとわかりました。 先生が「Yes」か「はい」しかない、とおっしゃるのも、すでに自分の中で準備を済ませておけということだと思いました。単に闇雲に「Yes」「はい」と答えるのではなく、先に準備ができていてこその「Yes」か「はい」であると。

 合宿の時、拓治師範に先生は居合の稽古に出かける前に家で稽古してから出かけていたということを伺いました。稽古は稽古場に入った時に始まるのではないのだということをそのお話を伺って気づかされました。道場の稽古だけではうまくならないというのも、次回の道場での稽古に行く前の毎日24時間を稽古にするという事前の行為があってこそ上達があるのだということを学ばせていただきました。人生の「まさか」への備えは、物理的な準備というだけではなく(物理的な準備には限界があります)自分自身を日々事前の行いを積み重ねることで準備し、覚悟を決めておくことだと思います。大切な家族を守る為に事前の行為を大切に生きて参ります。どうぞ今後とも厳しくご指導くださいますよう、よろしくお願いします。