勝ちは希望を与え 負けは人間を強くする
― 人間を育てる野球を貫く ―
広島東洋カープ監督 緒方孝市 VS UK実践塾代表 宇城憲治
「 勝とうが負けようが関係なく、今日一日、自分の野球ができたな、と。
できなかったら『なぜできなかったのか』と、それを一日一日積み重ねていったのです。
そうしたら選手がグラウンドで結果を出してくれたのです」
監督に就任して2年目の2016 年9月、広島カープを1991 年以来25 年ぶりのリーグ優勝に導いた緒方孝市監督。カープ入団以来、走攻守の三拍子揃った選手として活躍し、FA権を獲得後も、多くの球団が獲得に意欲を見せるなか、「広島に恩返しがしたい」と残留。
選手、コーチ、監督を通してぶれない広島への愛着が形となった今回の優勝。
選手時代から師とあおいで学び続けた宇城憲治氏と、来季に向けての信念とこれからの野球について語り合っていただいた。
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ロングインタビュー
信念のままに伝え続ける反戦の思い
元海軍主計大尉 俳人 金子兜太
ばかばかしいような人間の死というのを積み上げていくのが戦争なんですよ。
そんなものを認めていいはずがないんだ。
本当に人間の死、人間の生きる姿を考えたら、とても戦争なんて肯定できない。ばかばかしくてね。
太平洋戦争時の1944 年3月、米軍によってすでに無力化されていた連合艦隊の拠点であるトラック島に派遣され、敗戦後も1年3ヵ月米軍の捕虜となったのち、最終船で引き揚げてきた。命の駆け引きのある第一線ではない、「日常」のある戦場においても、極端な食糧不足による飢えや命の価値の差別で、あるいは皮肉な運、不運で次々に人が死んでいく。
戦争を生で体験していない人たちが、戦争を頭で語る、そんな現在に危機感をいだき、戦争の本当の姿を語る。
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連 載
◆茨城ダルク代表 岩井喜代仁 連載『今日一日を生きる』
「新制度を意味あるものにするために」
これまで本連載では、ダルクで実施する薬物依存回復プログラム「12のステップ」を丹念に追いながら、このプログラムがいかに有効であり、回復に向かう人たちの拠り所となっているかを紹介してきた。
今回は、昨年6月から始まった「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部執行猶予」という新制度について伺った。ダルクと出合って24年、自らも薬物依存回復の道を歩みながら、施設と家族会を牽引してきた岩井喜代仁氏だからこそ見える仮題、そして改善策がある。
◆写真家 野村哲也 連載『地球を歩く ~知られざる絶景を求めて~』
「憧れの山と秘島 イタリア」
世界に飛び出し旅するからこそ見える、日本のこと、自分自身のこと。
秘境と絶景を求めて 100カ国を旅してきた写真家 野村哲也氏の連載。
◆銀河浴写真家 佐々木隆 連載『私たちは銀河のなかに生きている』
「芭蕉と山寺」
生かされていることに気づけば、人生はもっと豊かになる。
銀河を舞台に生命の息吹を写しとる、佐々木隆氏の銀河浴写真。
◆作家 山元加津子 連載『ありのままの私たち』
「風の中 海の上 星の下
大ちゃんの気持ちは空をとぶ」
人と違っていても、障がいがあっても、人はみな素晴らしい力を持っている。
植物も動物も人間も、みんなでひとつの命を一緒に生きている――。
長く特別支援学校で子供たちと接してきた山元加津子さんが伝える、生きる上で大切なこと。
◆伊藤忠商事理事 木暮浩明 連載『うつくし、日本』
「悪筆は心で読んで頂きたく」
日本を代表する総合商社の商社マンとして、イギリス、アメリカ、東欧、中近東、
通算17年間の駐在経験のある木暮氏が語る、日本人とは。真の国際人とは。
◆編集部コラム 『心の奥の取材ノート』
「元神風特攻隊員 浜園重義さん」
交わした言葉、ちょっとした仕草、振る舞い ――
今もありありと思い出す、取材で出会った人たちの思い出を綴ります。