季刊『道』 190号

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190号 (2016秋)

テーマ  「すべてはひとつの命から」


2016年10月20日発売

 

「生命誌では、地球上の生きものはすべて一つの細胞から始まり、38億年という時間をかけて今の姿になってきたと考えます。ですから命は、人間だけでなくほかの生きものたちも含めた命であり、それはどれもおろそかにされてはいけないと考えます」(中村)

「私たちはこの地球上に、生かされているというところに今一度立ち戻る必要があるかも知れません。そもそも空気と水がなければ、いくら権力があっても死んでしまうわけですから」(宇城)

山や川、草や動物すべてに感謝し、共に寄り添うように生きてきた昔ながらの日本人の生き方に立ち戻った時、今の私たちのありようが、どれだけ、横着で傲慢なあり方であるかが見えてくるのかも知れません。

 

読者の声

  巻 頭 対 談

生命科学から生命誌へ、部分体から統一体へ
真の人間力の発揮にむけて 今、私たちができること

JT生命誌研究館館長 中村桂子 VS UK実践塾代表 宇城憲治

 

  


「  私たち人間も生きものであり、
 自然の一部であるという認識が重要です。
 これが生命誌の考え方なんです。
 つまり生命誌とは、『生きものたちの歴史物語』なのです」

「すべての生き物はひとつの命から生まれる」という視点に立ち、生命を、分析するのではなく「歴史物語」としてとらえる生命誌。要素還元主義が当たり前の科学の世界のなかで生命科学者である中村桂子氏は、常に「生きている」を見つめ、考え、何より生命を大切にしてきた。その心はあらゆる分野につながっている。

人間の可能性、本質を追究し、その指導を全国で展開する宇城憲治氏との対談では、真の人間力発揮のために、今私たちがどう今の社会と向き合うべきかが語り合われた。

  ロングインタビュー

弓道と私
ビジネスに生かされる日本の伝統

ゴディバジャパン代表取締役社長 ジェローム・シュシャン

  

初めて社長になった時に、向き合うべきターゲットは
自分自身にあることに気づいたのです。
弓で言えば自分の射。
自分自身との戦いであることに気づいたのです。

高級チョコレートで知られるゴディバ。
そのゴディバジャパンの代表取締役社長が、フランス人のシュシャン・ジェローム氏だ。日本が大好きで、趣味で始めた弓道は、現在五段。

社長に就任以来、5年間でゴディバの売り上げを2倍にしたことでも知られるシュシャン氏だが、その、売り上げ倍増の秘密には、シュシャン氏が弓道から得た様々なヒントや体験が多く関係しているという。

私たちが気づいていない日本の良さや、ちょっと残念なところなども忌憚なく発信してくれたシュシャン氏の会見に、元気をたくさんもらえること間違いなし!


ミツバチが教えてくれた幸せの仕組み

一般社団法人ハニーファーム代表 船橋 康貴

  190-3-3

『自分だけ良ければいい』は
幸せだという瞬間を一生感じずに死んでいく無間地獄。
みんなを幸せにしたいという動機で日々行動していくと
感謝やいろいろな思いが返ってきて最高に幸せになる。
今の僕がそうですよ。

ある日ミツバチの危機が人類の危機につながっていることに目覚めた、元敏腕営業マンの経歴を持つ船橋さん。気づいた時にはすでに手遅れ、もう元には戻れない――。ゆえに船橋さんは、ミツバチ保護に命をかける。パリのオペラ座に単身乗り込んだり、くまのプーさんに会いにディズニーにおしかけたり、その活動は、実にユニーク。
今、とてつもない規模で動き始めた船橋氏のその活動と情熱に迫った。

  連 載

道188号 連載対談 金澤泰子・山元加津子

◆金澤泰子 ・ 山元加津子
対談『何があっても大丈夫 人間の可能性を見つめて』

「子どもの可能性は大人には計れない」

ダウン症の娘・翔子さんを立派な書家に育て上げた金澤泰子さんと、特別支援学校教諭として障がいをもつ子供たちと長年接してきた山元加津子さん。
本誌での連載で、人間の可能性とやさしさを伝え続ける両氏の連載対談が実現しました。
現在の「常識」にとらわれず、事実と体験を基準に考え行動することで、思いがけない未来が拓けていくことを教えてくれます。

◆宇城憲治 連載『気づく気づかせる』

「調和力
 ― 人間を生成している60兆個の細胞に秘められた力 ―」
 
 最先端のエレクトロニクス技術者として、さらには企業のトップとして活躍してきた宇城憲治氏は、現在徹底した文武両道の生き様と、武術を通して得た「気」によって、人間の潜在能力の開発とその指導に専念。

現在、氏は目に見えないものを目に見える形にするために、「普遍性、再現性、客観性」の実践検証をもって「目に見えないもの」の存在を解き明かす研究を先行させている。

岩井喜代仁 連載

◆茨城ダルク代表 岩井喜代仁 連載『今日一日を生きる』

「これらのステップを経た結果、この原理を実践するよう努力した」

薬物依存症リハビリ施設・ダルクの回復のあり方は、入寮者、スタッフにかかわらず、同じ苦しみを知る仲間が回復に向かう姿を互いに見せることにある。
ダルクと出合って24年、施設や家族会を牽引しながら、自らも回復の道を歩み続ける岩井氏に薬物依存回復に向かう生き方を聞くとともに、回復途上にある入寮者の手記を紹介する。

◆写真家 野村哲也 連載『地球を歩く ~知られざる絶景を求めて~』

「ブータンの秘密」

世界に飛び出し旅するからこそ見える、日本のこと、自分自身のこと。
秘境と絶景を求めて 100カ国を旅してきた写真家 野村哲也氏の連載。

 

 

◆銀河浴写真家 佐々木隆 連載『私たちは銀河のなかに生きている』

「火を囲んで」

生かされていることに気づけば、人生はもっと豊かになる。
銀河を舞台に生命の息吹を写しとる、佐々木隆氏の銀河浴写真。

 

 

◆NPO法人 BBフューチャー 阪長友仁 連載『世界の野球から日本の未来を見つめて』

「実り」

開発途上国への協力事業にたずさわり、アジア、アフリカ、中南米における野球指導や、グアテマラ共和国でのJICA企画調査員としての勤務経験のある阪長氏。日本の10分の1の人口でありながら、10倍以上のメジャーリーガーを輩出するドミニカ共和国の野球教育に、日本が学ぶべきことを伝えてくれます。

◆作家 山元加津子 連載『ありのままの私たち』

「映画『銀河の雫』 涙いっぱいの初上映会」

人と違っていても、障がいがあっても、人はみな素晴らしい力を持っている。
植物も動物も人間も、みんなでひとつの命を一緒に生きている――。
長く特別支援学校で子供たちと接してきた山元加津子さんが伝える、生きる上で大切なこと。

 

◆書道家 金澤泰子 連載『あふれる真心と愛』

「翔子が編み出した一人暮らしの法」

待望の娘をダウン症として授かり、絶望のなか親子二人三脚で書の道を歩んできた金澤泰子さん。
娘 翔子さんを書家へと育て上げた金澤さんが、翔子さんの純真な魂が引き起こす奇跡の数々を綴る。

 

◆伊藤忠商事理事 木暮浩明 連載『うつくし、日本』

「障がい者施設従業員への逮捕術指導」

日本を代表する総合商社の商社マンとして、イギリス、アメリカ、東欧、中近東、
通算17年間の駐在経験のある木暮氏が語る、日本人とは。真の国際人とは。

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